2015年6月30日火曜日

第23回 日本乳癌学会学術総会

明日の夕方、乳癌学会(7/2-4)に出発します。今回は東京です(ちょっと残念…)。

私たちの施設からは私とG先生、N先生の3演題を発表します。私は7/2、N先生が7/3、G先生が7/4です。病棟を守るために私が前半、G先生が後半の学会参加ということにしましたので、私は7/3の夕方に札幌に戻ります。

今回の私の発表は、FEC100療法における発熱性好中球減少症に関する内容で、ポスター討論のセッションです。発表はたったの3分ですので、ざっとしか話せません。関連した内容の発表もいくつかありますので、有意義なディスカッションができればと思っています。

初日の夕方に発表、2日目の午後には会場を出なければなりませんので、あまり聞きたいセッションに参加できないかもしれませんが、限られた時間内で勉強してこようと思っています。

これから明日の準備にとりかかります!

2015年6月27日土曜日

”乳腺を語る会3”

昨日、某製薬会社会議室にて、”乳腺を語る会”が開催されました。

今回は、3施設から症例提示がありました。

1例目は紅斑がんの症例で、昨年相談されたその後の経過報告でした。非常に珍しい症例ですのでエビデンスのある治療がありませんから、参加者のさまざまな意見を取り入れながら治療に取り組んでいるようです。ただ、なかなか簡単ではなく、私自身も非常に勉強になる症例でした。

2例目は私たちの施設の症例をG先生が報告しました。他院での治療中断後にかなり進行した状態で当院に受診された症例ですが、局所で進行して治療に難渋する場合は、患者さんにとってはかなりの苦痛を伴います。組織診のサブタイプが生検するたびに異なっていたために、その結果に合わせて治療を行なってきましたが、最近、また増悪傾向となっています。なんとか良い知恵はないかと相談した症例でした。やはり局所再発巣の生検をもう一度してみてはどうかという提案を受けましたので、近日中に再々生検する予定です。

3例目は長い経過を持つ2個(両側)の肺転移症例でした。他の臓器には転移を認めず、薬物治療に縮小増大を繰り返していました。こういう症例に局所治療の適応があるのかということがテーマでした。参加者の多くは局所治療(手術、放射線治療など)の適応ありという意見でしたが、その後結局手術とラジオ波で治療したようです。今後の経過がとても興味深い症例でした。

終了後は近くの居酒屋で懇親会が開催されました。参加者は7人でしたが、飲みながらも乳がん治療に関する熱いトークが繰り広げられ、乳がんに対する熱意を感じることができた時間でした。

不定期に行なわれるこの会ですが、今まで参加してきた勉強会とは少し雰囲気も違って、なかなか面白い会だと思います。また次回も参加したいと思っています。

2015年6月24日水曜日

乳腺術後症例検討会 40 ”中間期乳がん”

今日は定例の乳腺術後症例検討会がありました。

先月は、元G病院の細胞診断士のI先生のご講演があったため、症例検討は2ヶ月ぶりでした。今日は本院と関連病院で各2例ずつの症例提示がありました。

いずれも画像的、病理学的にはとても珍しい症例というわけではありませんでしたが、そのうち2例は、中間期乳癌の症例でした。いずれも前回の検査所見は見直しても指摘することは難しく、早期発見の難しさを痛感した症例でした。その他は、針生検で硬がんが疑われたけれど最終病理が非浸潤がんだった症例と浸潤性乳管がんに浸潤性微小乳頭癌と扁平上皮がんの成分が混在していた症例でした。



今回は、前回ほどの人数ではありませんでしたが、KT病院のK先生やJ病院の技師さんなど、他の施設からの参加者も来て下さいました。K先生からは、11月にKT病院で乳腺センターのチーム医療に関しての講演を頼まれています。スライドを作成するために今日からは、さまざまざ活動を写真で残していこうと思っています。

症例検討会が終わった後、車に乗ってラジオをつけるとファイターズが7対0で勝っていました。結局最終的にはそのままで大谷が完封勝利!中田も久しぶりにホームランを打ったし、西川も3安打。やっぱり1番と4番が打たないとだめですね!
最近負けが続いて気分が盛り上がらなかったのに加えて、さまざまなストレスがあって鬱々としていましたが、久しぶりに良い気分でワインを飲むことができました(笑)。

来月の症例検討会は夏休みで休会です。メンバーでキャンプに行こうと毎年言っているのですが今年もどうやらだめそうです(泣)。

2015年6月23日火曜日

第12回 With You Hokkaido ”知ってほしい、乳がん診療の最前線”

今年の夏もWith You Hokkaidoが開催されます。今回で12回目を迎えるこのイベントですが、昨日ようやくチラシが病院に届きました。概要は以下の通りです。



日時:平成27年8月29日(土) 12:30-16:15(会場 12:00)

場所:札幌医科大学 臨床研究棟1階大講堂

参加費:1000円

プログラム:

1.参加者グループワーク
<テーマ>
・手術後の不安・治療 ・再発後の不安・治療 ・リンパ浮腫 ・補完・代替医療 ・ご家族のケア
・緩和ケア ・遺伝性乳がん ・乳房再建

今年も最初にグループワークを行ないます。参加者の積極的な発言を期待します。

2.開会の辞

3.特別講演
①「治療早期より始める乳がんの緩和治療」 町野貴幸先生(東札幌病院 内科・緩和ケア科)
②「遺伝性乳がんについて」 櫻井晃洋先生(札幌医科大学 遺伝医学)

いずれもホットな話題です。けっこう誤解されていらっしゃる場合も多いですので、この機会に一緒に学びましょう。

4.パネルディスカッション
「がんの緩和治療、遺伝性乳がん」

昨年、北海道で初めて取り入れた内容ですが、とても好評だったということで今年も行なうことになりました。特別講演で学んだ内容を踏まえて、北海道の医療現場の現状などを討論したいと思っています。

5.道内乳がん患者会の活動状況について

6.各地のWith You報告

7.閉会の辞

申し込み方法:各病院の外来に置いてあるチラシのハガキを郵送、または下記事務局にお問い合わせ下さい。申し込み締め切りは、8/21(消印有効)です。

事務局:東札幌病院内 With You Hokkaido事務局
 TEL: 011-812-2311(代表)
 FAX:011-823-9552
(受付時間 月曜ー金曜 9:00-17:00)

2015年6月13日土曜日

札幌乳癌カンファレンス 2015

今年で5回目を迎える札幌乳癌カンファレンスが昨日、よさこいソーラン初日でにぎやかな大通の某ホテルで開催されました。

毎年G病院病理部のA先生をお招きして行なわれるこの会は、乳腺病理の面白さと難しさを学ぶことができます。

今回は、まずA先生から、”筋上皮細胞の迷信”というご講演がありました。とても難しい内容ですので詳細は割愛しますが、良性の根拠になると信じられている所見(筋上皮細胞の存在)は必ずしも非浸潤がんの場合は当てはまらないことがあること(浸潤がんであれば筋上皮細胞は消失しているけれど乳管内の留まっている場合は残っていてもおかしくない)、非浸潤がんを今後もがんと扱うかどうかというとても難しいお話(他の臓器のがんではどうなっているか、新しいWHO分類についてなど)、最近話題になっている乳がん検診における過剰診断(良性をがんと診断しているわけではないので、この表現は誤解を招くとA先生はおっしゃっていました)のお話など、とても興味深い内容でした。

その後、症例検討を3例(1例はG先生が提示)行ない、A先生の解説(いつも短時間で相当細かく診断なさる姿に驚嘆します)を交えてディスカッションを行ないました。A先生のとても興味深いご講演で若干時間をオーバーしたこともあり、症例検討は駆け足になりましたが、いずれも興味深い症例でした(葉状腫瘍切除後の局所に線維腺腫の再発を繰り返す症例、命中しているはずの細胞診と針生検の結果が合致しない症例、前医でがんと診断されたけれど細胞の見直しで鑑別困難に変更になり、結果的に良性だった症例)。

終了後には、A先生を囲んで懇親会が行われ、楽しい時間を過ごしました。
来年もまたこの会が開催されることを願っています。AZ社の皆さん、よろしくお願いいたします!

2015年6月11日木曜日

救急隊に感じたこと

私は週1回、関連病院の外来に行っています。いつもカルテチェックなどがあるので7:40くらいには着くようにしているのですが、先日出勤した時に駐車場から病院に向かって横断歩道を渡ると、病院と反対側の角の歩道で人が倒れて3人の女性が声をかけているのが目に入りました、

倒れていたのは70-80代くらいの男性でした。車も近くに止まっていたのではねられたのかと思ったのですが、どうやら倒れているのを偶然発見したようです。声かけには最初反応がありませんでしたが、間もなく返答できるようになり、ご本人のお話では、歩いていて転んだということでした。顔に擦過傷がありましたが、明らかな麻痺はありませんでした。ただ、名前の問いかけにも反応は鈍く、ただ単に転んだわけではなさそうでした。雨が降っていましたので身体が冷えるのも気になりましたが、とりあえず、傘で雨を凌ぎながら、救急車を呼びました。その後の問いかけで、名前をお聞きでき、整骨院に向かう途中だったということがわかりました。

ただ、身分を証明するものが整骨院の診察券しかなく、ご家族への連絡はできませんでした。数分後、救急車が到着しました。救急隊は、その老人を担架に乗せ、救急車に乗せようとしましたが、私が手伝おうとすると、”われわれでやりますから”と言い、そのまま搬送しようとしているような感じでした。私は、その間に聞き得た状況を急いで伝えて、連絡先は不明だけれど、整骨院に問い合わせたらわかるかもしれないということだけ説明しました。

まあ、私が医師だと名乗らなかったから機械的に業務をこなしたのかもしれませんが、せめて第一発見者や、その場に居合わせた人に状況を聞いてから搬送すべきではなかったのかなと感じました。もし私が何も言わずに搬送してしまったら、救急隊は搬送先の病院でなんと説明したのでしょう?

全国では救急隊の対応が問題になったケースはマスコミでも報道されています。たしかに忙しいのはよくわかります。しかし、せめてその場に居合わせた人からの情報収集くらいはすべきだと思います。札幌市の救急隊は優秀だと思っていましたが、ちょっと残念な出来事でした。

私たちの病院にも毎日何台もの救急車が来ます。そのうちの一部には、残念ながら救急車を呼ぶべきではない患者さんもいらっしゃいます。病院に到着した途端、歩いて病院に入る患者さん、この時間はバスがないからと救急車を呼ぶ患者さん…。そのような患者さんが多いと救急隊のストレスは増すことと思います。限りある救急車を本当に必要な患者さんのために使えるように市民も考える必要があります。

もちろん自分で判断できない場合もありますので、結果的に軽症であったからと言って、救急車を呼んだことに罪悪感を感じる必要はありませんし、迷った場合は119に電話することをためらう必要はありません。ただ、故意にタクシー変わりに救急車を使うのはやめてもらいたいものです。そのことで、救急隊員の緊張感が薄れてしまうと、本当に必要な判断ができなくなってしまう可能性があるからです。

2015年6月9日火曜日

社内学習会→研究会&Webセミナー連発→乳癌学会

最近やたらと研究会や講演会などが多いです。

先週の金曜日は、以前から頼まれていたKK社の社内学習会の講演(AZ社の研究会と重なったのでそちらは欠席しました)がありました。再発治療の話を中心に1時間ほど、私たち臨床医がどのようなことを考えながら再発患者さんの治療に取り組んでいるか、製薬会社にどのようなことを望んでいるか、などについてお話してきました。

今週金曜日はAZ社の研究会、来週は月曜日がAZ社のWebセミナー、金曜日がE社のWebセミナー、土曜日がDS社の研究会、そしてその翌週は乳癌学会総会です。ちょうど先日までASCO2014が行なわれていたこともあって、ネット上のWebセミナーも行なわれていました。

全部参加するのはきついので、仕事や会議の状況を見ながら参加しますが、今週金曜日の研究会はG病院のA先生が来られる定例の会なので参加する予定です。また、来週土曜日の研究会もG先生が症例を提示するので参加予定です。

乳癌学会も近くなってきました。Posterはすでに登録してありますので心配ないのですが、発表に備えた最後の詰めがなかなか進みません。今回も乳癌学会は前半のみの参加になりますし(G先生と交代で参加)、東京なので今ひとつわくわく感もありません。乳癌学会ももう少し地方で行なえると良いのですが、だんだん規模が大きくなってきたために、宿泊施設や会場の手配などでどうしても大都市になってしまうようです。金沢や倉敷みたいな場所でまた開催できると良いのですが…。

今回の私の発表は、発熱性好中球減少症に関するものです。昨年末にジーラスタ®が発売になってからは発熱性好中球減少症は非常に少なくなりました。患者さんにとってはもちろんですが、私たちとしても夜間・休日の救急外来受診や臨時入院がほとんどなくなって管理が非常に楽になりました。今回は、そのデータも含めて報告する予定です。

7/19にはピンクリボン in SAPPORO、8/29はWith You Hokkaidoがあります。秋には乳癌学会地方会の教育セミナー、KK社の研究会のパネリスト、KT病院のK先生に頼まれたチーム医療の講演など、慣れない緊張する仕事が控えていますので、その準備にも取りかからなければなりません。そんなこんなで、なかなかブログの更新ができません(泣)。