2016年5月28日土曜日

マンドリンコンサートで癒されました!

クラシック音楽には疎い私ですが、今晩はめずらしくマンドリンのコンサートに行ってきました。場所は札幌の円山というところでした。

どうしてマンドリンコンサートに行くことになったかというと、このコンサートのマンドリン奏者(第1マンドリン)が、私が外来に行っている関連病院の外科外来のパートの看護師さんだからです。彼女(Kさん)はマンドリン奏者が本職(東京でもコンサートをしており、マンドリン教室の講師でもあります)、つまりプロなんです。実はKさんは私の父が働いていた高校の教え子でもあります。私より数才年上なのですが、昔一度だけ父に連れられて行った高校のマンドリンコンサートにもしかしたら出ていたかもしれないという縁?で私を招待してくれたのです。

久しぶりのクラシックでしたが、ささくれ立った私の心を癒し尽くしてくれました(笑)。第1部はイタリアの作曲家の曲が中心だったせいか、なんとなく南イタリアの風と匂いを感じました。どうしてなのかなあと考えてみたら、そうです!ゴッドファーザーの映画の曲にマンドリンが使われていたからではないでしょうか?どの場面で使われていたのかは忘れましたがシチリアにゆかりのある映画ですのでそのように感じたのかもしれません。

第2部は私でも良く知っているカルメンなどのフランスの曲やオリジナルの曲などが中心でこちらもまた違った雰囲気でなかなか良かったです。

マンドリンというのは不思議な楽器です。ギターのような単発の音を鳴らしながらバイオリンのような連続した音色も交えるという独特の音を出します。今回初めてマンドラというマンドリンより1オクターブ低い音を出す楽器があることを知りましたが、これもまたマンドリンの音色を際立たせる渋さがあります。今日のコンサートはマンドリン×2、マンドラ、ピアノの四重奏でしたが、すごく良いコンビネーションだったのではないかと思います。

来年もコンサートをするようですので今度はD病院のE先生も誘って行こうかと思っています(E先生はかなりのピアノの腕前です)!

2016年5月25日水曜日

ピンクリボン in SAPPORO 2016 ピンクリボンロード 日程決定!

毎年夏に大通のホコテンで行なわれるピンクリボンロードですが、今年は7/31(日)に行なわれることが、昨日の理事会で決まりました。

場所は札幌市中央区南1西3 パルコ三越前のホコテンで時間は13:30-16:00です。内容はパンフレットが完成したらまたお知らせします。

今回は完全にホコテンが貸し切り状態になるのは良いのですが、雨天の場合の開催場所が決まっていません。多少の雨なら決行することになると思いますが、豪雨の場合はちょっと困ったことになります(汗)。

今回も私たちの施設からブースを出す予定です。東区のマスコットのタッピーとニワトリのトリッシー(?)も参加予定です。楽しくて実りのある啓発イベントになると良いですね!

それとついにピンクリボン in SAPPOROでもピンクリボンバッジが作られることになりました。近日中にお目見え予定です。楽しみにしていて下さい!

2016年5月9日月曜日

非浸潤がんは放置して良いのか?

以前から一部の医師が、「乳がん検診は無意味なので受ける必要がない、なぜなら検診で発見された非浸潤がんのほとんどは放っておいても悪さをしないからだ」と言っていました。確かに一部の非浸潤がんは非常におとなしいため、すぐに切除しなくても良いものもあるのは確かであり、最近国内でも低悪性度の非浸潤がんを拾いすぎないようにという方向に変わりつつあります。

しかし一番の問題は、どの非浸潤がんを放っておいて良いのかが十分にわかっていないことです。非浸潤がんのすべてをがんもどきとして放置して良いというわけではないということを示す内容が第17回米国乳腺外科学会(ASBS)で報告されました(http://www.medscape.com/viewarticle/862025)。

概要は以下の通りです。

対象:非浸潤がん(DCIS)と診断された非照射の720例。

方法:切除断端との距離(マージン)が1mm未満であった124例(断端不適切群)とマージンが1mm以上だった596例(断端適切群)の局所再発率を比較。

結果:平均腫瘍サイズは17mm、平均年齢は55歳、平均追跡期間は79ヵ月。断端不適切群の10年局所再発率は低悪性度(Grade1/2)で51%、高悪性度(Grade3)で70%、断端適切群では、低悪性度で13%、高悪性度で35%。断端適切群の低悪性度症例の浸潤がんでの再発率”わずか”5%。


この結果は、断端が陽性だった場合は高率に再発することを示しており、適切な手術が行なわれたかどうかが予後に影響する可能性があることを警告しています(入手した内容からは、断端不適切群の全体の浸潤がん再発率が不明ではありますが、一般的には約半数が浸潤がんで再発すると言われています)。
この報告の発表者は、断端不適切群の患者は、非浸潤がんの”無治療経過観察群”の”代役”と考えられるので、そのような判断を望む患者さんに対する教訓になる結果であると述べています。

なお、結果で述べた断端適切群の”浸潤がん”再発率がわずか5%となっていることについてですが、日本における乳房温存療法ガイドライン(最近遵守されなくなってきたような印象を受けています)では、断端陰性の基準は5mm全割標本において断端から5mmあることとなっています。この基準を守れば非照射であっても10年局所再発率は約3%程度と言われています(私たちの施設でも3%以下でした)。これは浸潤がんのみならず非浸潤がんも含めた数値です。この研究における1mmという距離でも不十分であることがおわかりになるかと思います。

もちろん安全を過大に考えすぎると整容性が保てなくなります。広く切除すれば良いというものではありません。しかし非浸潤がんだからたいしたことはない、断端陽性でも放っておいて良いということにはならないということは言えます。

どのようなタイプの非浸潤がんが、断端陽性もしくは無治療でも放っておいて良いのか(浸潤がんにならないのか)がわかるのが理想的です。しかし今の医学ではまだここまではわかりません。浸潤がんのほとんどは、最初はみな非浸潤がんだったのです。ですから非浸潤がんであっても慎重な判断が必要になると私は思っています。非浸潤がんを放置して良いという考えを持つ人の思考過程が私にはよくわかりません。