2010年8月18日水曜日

乳癌の治療最新情報20 ハイブリッドがんペプチドワクチン、北大で開発!

昨日の北海道新聞の夕刊、今日の朝日新聞朝刊などに、このニュースが大きく載っていました。

がんワクチンは以前にも書いたように(http://hidechin-breastlifecare.blogspot.com/2009/12/10.html)、現在世界中(国内も含めて)で開発、臨床試験が行なわれています。様々なタイプがありますが、理論的には非常に効きそうに思えても、実際の人体はそう単純ではなく、なかなか十分な効果は得られていないようです。

今回北大遺伝子病制御研究所の西村孝司教授(免疫学)らの研究チームが開発したのは、がんを撃退する免疫細胞「ヘルパーT細胞」と「キラーT細胞」を同時に活性化させるという新しいタイプのがんワクチンです。

従来の研究では、がんに特有のペプチド(アミノ酸が数個結合したもの)を投与し、がん細胞を直接攻撃するキラーT細胞(リンパ球の1種)の活性化に力点が置かれていましたが、西村教授らは、免疫の司令塔であるヘルパーT細胞(同)に注目し、40個のアミノ酸を人工的につなぐことによって、ヘルパーT細胞とキラーT細胞を同時に活性化させるペプチド「H/K-HELP(人工ヘルパー/キラー-ハイブリッドがんペプチドワクチン)」を人工的に合成したということです。

北大病院や近畿大医学部などで臨床試験を行ったところ、一定の投与を終えた6人のがん患者のうち、4人にがんへの免疫反応の増強を確認。近畿大では乳がんから転移し、抗がん剤や放射線療法が効かなかったリンパ節のがんが消失した例もあったそうです。今のところ重い副作用は認められなかったということです。

まだまだ少数例での報告ですので、実用化されるかどうかはわかりませんが、がんワクチンの進歩につながる結果が得られると良いですね。北大は私の母校でもありますので、今回の報告はうれしいニュースでした。今後に期待したいと思います。

0 件のコメント: