先日(2/2)NEJMに第2相試験でPARP1阻害剤の有効性が報告されたとお知らせしたばかりですが、なんと第3相試験ではiniparib併用群は,全生存期間と無増悪生存期間の有意な改善を認めなかったということがSanofi-Aventis社から発表されました。
詳細は不明ですが、この第3相試験は,米国109施設が参加して行われたもので,これまで2次治療まで経験したトリプルネガティブ転移性乳がん患者519例を対象として,ゲムシタビンとカルボプラチン併用の化学療法単独群と化学療法にiniparibを併用する群を,全生存期間と無増悪生存期間を主要評価項目として効果を比較しましたが、iniparib併用群は化学療法単独群と比較して有意な改善を認めなかったとのことです。
これをもってiniparibがまったく無効というわけではありませんが、なぜ第2相試験で有効とされたのに、第3相試験で異なる結果が出たのか、詳細な検討が必要です。患者さんの背景(年齢やさまざまなバイオマーカー、治療経過、転移部位や程度など)で効果に差があるのかもしれません。
国内でも臨床試験が始まっていて非常に期待されているPARP1阻害剤ではありますが、高価な薬剤ですので慎重な検討を望みます。そしてより効果的な投与基準が判明することを期待しています。
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