久しぶりの投稿です。
先週の土曜日に”第4回 北海道 Breast Care Nursing研究会”が開催されました。
これは道内の乳腺診療に携わる看護師さん対象の研究会なのですが、この会を立ち上げたT病院のK看護師さんから依頼を受けて講演をしてきました。
会場は札幌駅前のアスティ45の会議室で、80名を超える熱意を持った看護師さんたちが集まってくれました。
私の講演の内容は、乳がんの再発治療に関するものでした。乳がんの再発治療に対する標準的な考え方や治療方針を元に、”乳がんは再発したら治らないのか?””再発を早期発見することに意味はないのか?”ということについて、エビデンスから少し離れたことも含めて私の経験も交えながらお話ししました。
エビデンスを離れた内容もありますのでここで詳細を述べるのは控えますが、遠隔転移(肺や肝臓、遠位のリンパ節)をきたした患者さんの中には、治療が奏効して、完全に再発巣が消失してから10年以上全く再再発なくお元気に暮らしていらっしゃる方がいらっしゃるのも事実です。微小な遠隔転移が、術後の補助療法によって根絶できる可能性があるように、術後の再発も治療の進歩や工夫によって今より根治の可能性を期待できる時代が来るのではないかとずっと願いながら私は日常診療を行なっています。
最近では、分子標的薬や免疫治療薬(免疫チェックポイント阻害薬…オプジーボやキイトルーダなど)の開発が急速に進んでいます。古いエビデンスに縛られるのではなく、再発は治らないと決めつけずに治療の術を考え続けることは私たち乳腺外科医の責務であり、そうでなければ医療は進歩しないと私は思っています。
ただ全ての再発を治せるわけではなく、多くの再発は完全に治すことが現時点では難しいのも事実です。治癒可能な再発、延命可能な再発、症状緩和が可能な再発を見極めながら、乳腺外科医の自己満足にならないように患者さんの状態を見極めながら柔軟に治療方針を決めていく必要があります。今回の講演ではそのようなお話をしてきました。
私の講演のあとは、HGセンターのがん看護認定看護師のKさんが緩和ケアの視点から見た再発乳がん患者の看護のお話をして下さいました。普段医師の講演ばかり聞いているので看護師さんの視点からのお話は大変参考になります。今後の私たちの施設の看護の参考になったのではないかと思います。
とりあえずこれでずっと重荷になっていた仕事が終わりました。これからは7月の乳癌学会の発表に演題を出している看護師さんと後期研修医のNA先生のサポートに取り掛かります。
4 件のコメント:
はじめまして。こちらは40歳の女です。
子供を産んだことはありません。実は骨の病気で右の胸が人よりもいびつで、右側のケンコウコツが出ているため右の胸にあまり肉がないのです。
先日、生理の最中にいつもより胸が張り、いたいような気がしていてふと乳輪の右下あたりにやわらかいですが
しこりのようなものがあることに気がつきました。
分泌は少しだけですが下着についたら黄色、目で見たら透明のものがでていることもチェックしました。
しこりのところをゆっくり押すと、乳首から出るみたいです
気にはならない程度なのですが、一度気になると考えてしまうのでやはり病院でみてもらったほうがいいのでしょうか?
ちなみに甲状腺橋本病も持っています
薬はチラージンではないほうを十数年前に飲んだことがあります
なにせ人より胸がないので、ただの乳腺だったらよいのですが、その見分け方などありましたら教えていただきたいです。
ちなみに右だけです。
>匿名さん
初めまして。
一つの孔から分泌があるのでしたら、一番可能性が高いのは良性の乳管内乳頭腫です。次に可能性が高いのが乳がんです。
いずれにしても、乳房の大きさや先天的な骨疾患の有無に関わらず、きちんと専門施設で検査を受けた方が良いと思います。
以上です。
当方肝転移ありのステージ4乳がんです。5年生存率30%とのこと。
治療がうまく行って長生きしている人もいるとのことは力強く感じます。
診断確定から1年ですが、、薬が効いていて原発巣を手術しております。
今のところ元気ですが、まずは後4年生き抜きたいと思っております。
>匿名さん
はじめまして。
コメントありがとうございます。
今後も順調な経過でお元気に過ごされることをお祈りいたします。
それではお大事に!
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