2009年3月1日日曜日

さくらパンダ前線キャンペーン

”『余命1ヶ月の花嫁』乳がん検診キャラバン〜さくらパンダ前線キャンペーン”という企画が、TBSの主催で行なわれているというニュースを今朝見ました。

私はまだこの映画を見ていませんし、乳がん検診の啓蒙活動という面と、若年女性に乳癌についてよく理解してもらうきっかけ作りという点では賛成です。

しかし、ここで行なわれているのは”マンモグラフィのみ”の検診です。

ホームページをよく読むと、以前、ブログで私が述べたような、若年者に対するマンモグラフィ検査の限界についての説明は書いてありました。しかし、”エコー検査の有効性の証明はまだ不十分なので、20-30歳代でまず最初にマンモグラフィを受けた方が良い”とも書いています。ここに書いてある説明がどれだけ受診者に正確に理解されているかはちょっと疑問です。

20-30歳代の女性にマンモグラフィ単独検診を私が勧めない理由は、以下の通りです。

①国内外の比較試験で、40才未満のマンモグラフィの有益性は証明されなかった(マンモグラフィ検診で死亡率は低下しない)。
②癌があっても写っていないだけかもしれないのに、検診で”異常なし”と判断されたら、その直後にしこりを発見しても、検診で大丈夫だったから…と思って受診が遅れる可能性がある。
③若年者は特にマンモグラフィで強い痛みを感じやすいので、この時期に検査を受けて、”すごく痛い検査”という印象を持つと、さらに必要性が高くなる40才以上になってから敬遠してしまう人が増える可能性がある。
④妊娠可能年齢のため、妊娠を知らずに受診した場合、被爆の問題が生じる。

したがって、啓蒙活動は重要ですが、私が若年者に一つだけ乳房検査を勧めるなら、やはりエコー検査です。もちろん、乳腺に慣れた検査技師や医師が行なうことが前提ですが…。さらに、もし希望があって、妊娠の可能性がないと判断されれば、痛みを感じる可能性を十分に説明した上でマンモグラフィを併用します。

現在、乳癌の早期発見にエコー検査が有効かどうかの臨床試験が進行中です。早く、良い結果が出ることを願っています。
そして、若いうちから乳癌に関心を持って、有効な検診を多くの女性に受けてもらえるようになれば、日本の乳癌死亡率も低下してくるんじゃないかと信じています。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

厚労省がバックアップする臨床試験で、乳癌の早期発見にエコー検査が有効、との結果が出ることを期待している一人です。
先日映画を観に行った時、「余命一か月の花嫁」の前宣をやっていました。
主人公の女性の彼の役を、今とても人気のある俳優さんの「えいた」君がやるのですね。
(私も実は、大好き。)
テレビの特番で、ドキュメンタリーを観た患者さんや医療関係者も多いようで、かなり観客の多い映画になるような気がします。
有効な検査の組み合わせで行われる検診の、重要性が伝わればいいなあと思います。

hidechin さんのコメント...

この映画がきっかけで更に啓蒙活動が盛んになって行けばいいですね。
それと同時に私たち医療従事者は、より有効性の高い検診制度の確立のために努力していかなければなりませんね。