2012年12月12日水曜日

家庭用医療機器の無料体験にご注意!

今日、乳がんの再発で通院中の患者さんから家庭用医療機器についてのご相談がありました。内容の概略は以下の通りです。

・ご家族の勧めで期間限定で無料で体験できる家庭用医療機器のデモを行なっている施設に通っていた。
・この器具をお腹に当てると血流が良くなる。
・自分は乳がんの再発治療中であることを販売員には話してある。
・その販売員は、印刷された体験者の紙を見せながら(店内に貼ってあるそうです)、”この方は某病院の看護師で、足の裏にがんができたがこの治療で消えた””この方は治療で血液のデータ(脂質など)が良くなった”などと説明し、”でも私の口からは○○に効果があるとは言えないんですよ、薬事法違反になるので…。”と話していた。
・一緒に体験している人たちは、”これで白髪が黒髪に変わった””膝の痛みが楽になった”と話している。
・この機器は、55万円と高価なのでどうしようかと迷っている。

というようなお話でした。私は”ネットで調べてみます”とお伝えして時間をいただき、その会社と製品について調べてみました。

その施設は、ある健康器具・医療機器販売会社の販売促進目的の無料体験施設で、それ自体はネットでも紹介してあり、怪しい印象はありませんでした。またその器具の製造会社も一定の歴史があり、治療院や病院にも機器を販売している実績のある会社で、その製品も医療機器の承認を受けたもので、いわゆるインチキ商品ではありませんでした。詐欺やインチキ商法との関連も調べてみましたが、はっきりした情報はありませんでした。ただ、”無料体験と称して客を集め、高額な商品を強引に売りつけるトラブルが起きているので注意が必要”という記載はありました。

この製品の効能は、”疲労回復、血行を良くする、筋肉のコリをほぐす、神経痛・筋肉痛の痛みの緩解、胃腸の働きを活発にする、筋肉の疲れをとる”と書いてあります(同じような内容を別の効果のように書いている印象を受けますが…)。もちろん、”がんに有効”とか”血液データを改善する”などの効果についての記載はありません。

一般的な健康器具は、薬事法の制限を受けます。基本的には”体内変化についての効能を記載することは薬事法に抵触する”ので、”肩こりに効く、痛みが軽減する、血液をさらさらにする、血流を良くする”などの文言は健康器具には表示できません。しかし、この製品のように承認を受けた医療機器の場合は、このような認可された効能を書いても問題はありません。

しかし、今回のケースの一番の問題点は、”商品の効能に記載されていない効果をさりげなく示唆し、購買意欲をかきたてている”ように思えることだと思います。つまり、製造会社や商品自体は問題ありませんが、製品の紹介・販売方法に問題があるのではないかと思うのです。

”この製品は、このような効能しか書いておらず、血液データの改善はもちろん、がんの治療として期待できるようなものではありません。もし、腰痛などの治療目的として55万円払っても良いのであれば購入するのはかまいませんが、がんの治療効果を期待して買うことはお勧めできません。”とその患者さんにはご説明しました。

美顔器や水道水の浄化装置、磁気まくら、磁気ネックレスなど、健康関連グッズはいま大変人気です。しかし、これらはすべて法の管理の元にあり、効能の表示には制限があります。医療機器の承認を受けていない健康器具なのに効能をうたっていたり、表示を許可されている以外の効果(動物実験レベルでも)を口頭やポスター、チラシ(体験談など)などで説明しているような場合は信頼できないと考える方が無難のようです(特に法外な値段の場合は怪しいケースが多いです)。

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