乳がん患者さんの再発形式の一つにがん性胸膜炎(胸膜の再発=胸膜播種によって胸水が貯留すること)があります。
胸水が貯留しても少量では無症状のこともよくあり、定期検査の胸部写真やCTで発見されたり、腫瘍マーカーの異常の精査で発見されることもあります。咳が続いて診断されることもありますが、時に呼吸困難になるほどの大量の胸水が貯留して初めて診断されることもあります。
がん性胸膜炎の治療は、基本的には他の再発と同様にサブタイプに合わせた全身治療がメインになります。しかし、量が多かったり呼吸困難がある場合は、胸腔ドレーンというチューブを胸腔内に留置して胸水を排液します。胸水を抜ききったら一度ドレーンを抜くことが多いのですが、胸水貯留を繰り返す場合は、胸膜癒着術という治療を行ないます。この治療は、胸腔ドレーンから薬剤(タルクという鉱物やピシバニールという免疫賦活剤、ミノマイシンという抗生物質など)を注入して、肺側の胸膜と胸壁側の胸膜を人工的に炎症を起こして癒着させ、胸水の貯留を防ぐ方法です。
この治療に関連する副作用や合併症としては、以下のようなものがあります。
①胸腔ドレーン挿入時の出血、気胸(肺のパンク)…慣れた医師が行なえば通常ほとんど起きませんが、胸水の量が少なかったり、もともと複雑に癒着していたり、胸膜のがん自体を穿刺してしまったりしたときには起こりえます。
②再膨張性肺水腫…長く貯留した大量の胸水を短時間で排液した時に起きることがある肺水腫。重症では呼吸困難、低酸素血症、ショックを起こし、命に関わることもあります。ですから大量の胸水が貯留している場合は、数回(数日)に分けて排液するほうが安全です。
③胸膜癒着術施行時の痛み、発熱、ショック…薬剤によって引き起こされる炎症が原因で起きます。あらかじめキシロカインなどの麻酔薬を注入しておいてから行ないますが、それでも起きることがあります。鎮痛解熱剤や輸液などで対処します。
④癒着後の再貯留時の気胸、血胸…癒着術を行なって部分的に癒着を形成したあとで胸水が再貯留すると癒着していた肺が裂けて気胸を起こすことがあり、時に出血を伴うこともあります。先日も軽い気胸を起こしていた患者さんがいらっしゃいました。
がん性胸膜炎は乳がん患者さんにとって厳しい状態であることは確かです。しかし呼吸困難がきっかけでがん性胸膜炎を伴うⅣ期の乳がんと診断されてから10年以上生存された患者さんや、がん性胸膜炎で再発してから10年以上生存中の方もいらっしゃいますので、長期の生存を期待できる場合もあります。少なくとも自覚症状を局所治療でうまくコントロールしながら全身治療で病状全体を安定させることで、良いQOLを保たせることは可能なのです。
43 件のコメント:
こんばんは。こちらへもお邪魔しました。
左胸(原発、再発)のただれはタキソール(2010年5月から1年投与)で治まったのですが、
今は右腋リンパに転移でかなり硬く、腫れてます!うみ?が出そうです><
その下(乳房の横、脇腹)のところも柔らかく腫れる日もあって、胸水か心配してたら看護師さんが胸水は外には膨らまないよ。と教えてくれましたが、リンパ液か何かでしょうか?
よろしくお願いします。
>MILKIさん
再発治療、辛い思いをされていることと思います。
看護師さんが言ったように胸壁の外側に胸水がたまることは通常ありません。
それが何かと聞かれても検査結果も見ていないのでなんともお答えのしようがありませんが…。可能性の一つとして、局所やリンパ節に再発していることを考えるとリンパ浮腫なのではないでしょうか?リンパ浮腫は上肢に起きやすいのですが、局所やリンパ節に高度の再発をきたすとその周囲に起きることもあります。治療はマッサージなどのリンパドレナージと再発巣自体への治療に期待するしかないと思います。他の可能性については画像を見ていないのでわかりません。主治医にお聞きになってみて下さい。以上です。
それではお大事に。
ありがとうございます。
大変よくわかりました!
近かったら、先生の病院で診察して頂きたいぐらいです。
先日、匿名で他の記事にコメントさせていただいた者です。(フェマーラを開始した)
突然名前を入れたので、わかりにくくて失礼しました@@
以前にも2回ほどコメントを書かせていただいた者です。浸潤性小葉ガン、肺や肝臓、リンパ節、骨に転移のある末期ガンの患者です。その節はありがとうございました。
今日、癌性胸膜炎による胸水の治療について読ませていただきましたが、私は非常にラッキーだったのだなと思いました。
というのは、2年程前から癌性胸膜炎の診断がついていて、胸水がたくさんたまり、最初は昨年の7月に外来で1000cc抜いていただき、マーカーもCEAが150程になってしまい抗がん剤をハラヴェンにかえたものの効果がなく、CEAは270、咳などの症状もひどかったので外来でまた胸水を1700cc抜きました。治療の最後の方は咳が出て非常に苦しかったけど、おかげで肺水腫などになることもなく、本当にラッキーだったのだな、と思いました。
その後、ハラヴェンは早々にあきらめて、パクリ&アバスチンになりましたが、それが劇的に効いて、マーカーも一挙に1クールで80程、2クールで50程と下がり、胸水もたまらなくなりました。
今はまたじりじりと上がっていて、これからどうしようかなという感じですが、先生が書いてみえた「少なくとも自覚症状を局所治療でうまくコントロールしながら全身治療で病状全体を安定させることで、良いQOLを保たせることは可能なのです」というのは本当だな、と実感しています。
副作用がいろいろあるので大変なことも多いですが、この半年くらいの間、少なくとも肺や肝臓の転移での症状はほとんど感じずにいられましたから。
パクリ&アバスチンがもう使えなくなった時にどうするのか・・・ちょっと怖い気もしますし、これからどうなるのかな、という不安もありますが、もう危ないかなと思ってから半年、何とか普通に近い生活を送れたので、それだけでも感謝です。
お忙しい中、いつもいろいろな情報をありがとうございます。
>MILKIさん
主治医の先生とうまくコミュニケーションを取りながら治療できると良いですね。それではお大事に!
>カノンさん
アバスチン+パクリタキセルが奏効して良かったですね!最近またマーカーが増加傾向なのは心配ですが、一度奏効が見られた場合は、他の治療もまた効くことがありますから焦らずに主治医の先生と一緒に次の作戦を相談して下さい。
それではお大事に!
こんにちはひまわりです。
先月、4か月ごとに受けているCT検査をしたところ癌性胸膜炎と診断され、胸水がたまっていると主治医にいわれふあんです。
フェソロデックスをフェアトン錠40mg一日一回3錠服用していますが、3錠は多いということはないでしょうか?1錠飲んでいるという方もいます。
(軽い吐き気やむかつきがあるので)
フロデミド錠20mg、スピロノラクトン錠25mgも服用しています。
利尿剤は胸水を排出するのに意味はないと言う先生もいます(?)
副作用で腎臓に負担がかかることはないのでしょうか?
ご意見をお聞かせください。
よろしくお願いします。
>ひまわりさん
こんばんは。
胸水が溜まっているということで不安なことと存じます。
まずフェアストン40mgを3錠は多くありません。術後の補助療法として投与する場合は40mgが常用量ですが、再発治療の場合は120mgを投与する場合が多いからです(高用量トレミフェンと言います)。
次に利尿剤(フロセミド、スピロノラクトン)は確かにこれだけではがん性胸膜炎の治療としては不十分ですが、抗がん剤やホルモン療法と併用することはよくあります。ですから標準的な治療だと言えます。またその治療で腎臓に負担がかかるということはありません。ただし電解質(特にカリウム)の変動には注意が必要です。これは血液検査でわかります。以上です。
それではお大事に!
お忙しい中、お返事くださりありがとうございました。
いろいろ不安なことだらけですが、主治医ともしっかり話しあい、納得のいく(安心して治療できる)状態で治療を頑張って行きたいとおもいます。
>ひまわりさん
大変だと思いますが治療頑張って下さいね。お大事に!
こんにちは
またまたお邪魔いたします。
胸膜転移が見つかってからフェアストンに変更して三か月。先週二か月に一回CTと採血をしました。薬の効果があったのか胸水が消え腫瘍も小さくなってました。今週採血結果を聞きに病院へ行くと、nncc-st-439の数値が679.0???ありえない数値になっていて、主治医も首をかしげて「意味がわからない・・・」とのこと。
この様な数値はみたことがないので、不安です。このような数値が出ることがあるのでしょうか?
>ひまわりさん
nncc-st-439はNCC-ST439のことだと思います。まず、NCC-ST439は4桁になることもありますのであり得ない数値ではありません。胸膜転移には効果があるのに腫瘍マーカーが上がっている場合は、他の部位の転移を考えなければなりません。例えば最近検査していないようでしたら脳MRを撮影するとかPET-CTを検査するなどが必要かと思います。主治医の先生とよくご相談下さい。
それではお大事に。
はじめまして。乳がん、肺がんを経験し、4年目の先月がん性胸膜炎で再発しました。半年ごとの検査で腫瘍マーカーはずっと1.2位だったのが、半年前の検査で先生に結果を尋ねたら、見なくても大丈夫と言われました。そして今回の検査で腫瘍マーカーが120でびっくりしました。半年前の結果を尋ねたら5より少し下でした。ずっと1.2で、それが5近くと知っていたら、もう一度更なる検査をしたのに。。それから半年経ってマーカーは120になっていました。とてもショックです。
がん性胸膜炎で再発してから10年以上生存中の方もいらっしゃいますので、長期の生存を期待できる場合もありますとありましたが、がん性胸膜炎と診断されると通常半年~1年の余命だと書いてありました。長期生存の可能性もあるのでしょうか?
19日に治療し、抗がん剤を開始します。抗がん剤も多々種類がありますので、不安になります。また、免疫細胞治療についてはどう思われますか?。。。
はじめまして。乳がん、肺がんを経験し、4年目の先月がん性胸膜炎で再発しました。半年ごとの検査で腫瘍マーカーはずっと1.2位だったのが、半年前の検査で先生に結果を尋ねたら、見なくても大丈夫と言われました。そして今回の検査で腫瘍マーカーが120でびっくりしました。半年前の結果を尋ねたら5より少し下でした。ずっと1.2で、それが5近くと知っていたら、もう一度更なる検査をしたのに。。それから半年経ってマーカーは120になっていました。とてもショックです。
がん性胸膜炎で再発してから10年以上生存中の方もいらっしゃいますので、長期の生存を期待できる場合もありますとありましたが、がん性胸膜炎と診断されると通常半年~1年の余命だと書いてありました。長期生存の可能性もあるのでしょうか?
19日に治療し、抗がん剤を開始します。抗がん剤も多々種類がありますので、不安になります。また、免疫細胞治療についてはどう思われますか?。。。
>ユーミンさん
はじめまして。
再発、とてもショックを受けたことと思います。たしかに平均余命はそのように書いてあるものもあるかと思います。ただその中には初再発の患者さんもいればさまざまな臓器に再発を繰り返したあとのがん性胸膜炎の患者さんも含まれています。さらに再発までの期間やがんのサブタイプ(ホルモンレセプターやHER2)によっても大きく異なります。
もちろん楽観できる状態ではありませんが、治療が奏効すれば長期予後も期待できることがあるのもまた事実です。今はまず悲観的になりすぎないように主治医の先生とよくご相談しながら治療方針を決めて下さい。
なお免疫療法は残念ながら今のところ標準治療以上の効果は得られていません。まずはそのことの正しい理解が必要です。本当に治療効果が期待できるなら標準治療として採用されているはずです。また標準治療と併用することを完全に否定はしませんが、過度に宣伝しているクリニックでの高額な治療は慎重にご判断下さい。以上です。
それではお大事に。
お返事ありがとうございます。
質問ですが、分子標的薬はEGFRとALKの遺伝子検査で変異があると使えるとありました。療法で変異があるという場合もあるのでしょうか?
>ユーミンさん
現在乳がんに対して保険適用となっている分子標的薬は、HER2陽性乳がんが対象のハーセプチン、タイケルブ、パージェタ、カドサイラ、そして閉経後ER陽性乳がんが対象でm-TORタンパクをターゲットにしたアフィニトール、そして血管内皮細胞増殖因子(VEGF)をターゲットにしたアバスチンのみです。
ですから肺がんにおけるEGFR 遺伝子変異陽性が対象のイレッサやALK融合遺伝子陽性が対象のザーコリなどは乳がんに対しては使用できません。これらの薬剤の乳がんに対する有効性は少なくとも十分には確認されていません。
ですから「分子標的薬はEGFRとALKの遺伝子検査で変異があると使えるとありました。療法(両方の書き間違いでしょうか?)で変異があるという場合もあるのでしょうか?」というご質問はネットで肺がんの内容を見て勘違いされたのではないでしょうか?
通常、HER2陽性であれば抗HER2薬を使用するはずですので、今回使用しないのであればユーミンさんはHER2陰性なのではないでしょうか?アバスチンに関しては今回、もしくは今回の治療が無効だった場合には使用を考慮すると思います。
以上です。
外来初診の医師は、胸膜播種は余命1年から1年半で、この状態なら急いで入院する必要はない、イレッサも1年程度で耐性ができる、近い病院があるのに、なぜこんな遠い病院へくるのだと、私は親身になって一緒にガンと戦おう、あきらめるなと言ってくれる医師が主治医になってほしかったのに。。。こんな医師ばかりなのですか。。。
>yumingさん
そうですか…。実際にご説明の場にいたわけではありませんので詳細はわかりませんが、yumingさんにとってはこれからの闘病の支えにはなってもらえない印象なのですね?話している事実は同じでも説明の仕方によって受け取る側の気持ちはかなり違うものですよね。
これから長く治療をしなければならないことを考えると近くに良い病院があるのであれば紹介してもらうのも一つの方法だと思いますよ。大きな病院=良い病院と単純に言えるわけではありませんし、有名な医師=良い医師(知識や技量のことだけを言っているわけではありません)というわけでもありませんから。
より良い治療環境が整うことをお祈りしています。それではお大事に。
こんにちは。11月28日よりイレッサの単独で服用が始まりました。北海道大学の発表を読み、イレッサは他の抗がん剤との併用療法の方が効果が高いとありましたが、どう思われますか。。。?また、抗PD-1抗体ニボルマブが発売されたとあり、非小細胞肺がんに良いとされていますが、どう思いますか?
>yumingさん
こんばんは。
あらためて読み直してみたのですが私は勘違いをしていたのでしょうか?がん性胸膜炎の原因は乳がんではなく肺がんなのですか?それは組織で確認されたのですか?それによって治療は異なると思うのですが…。イレッサを使ったということは肺がんの再発と診断されたということでよろしいのでしょうか?もし肺がんの再発なのであれば私は専門外ですのでお答えすることは控えさせて下さい。少なくとも私の知っている限りにおいてはイレッサは単剤で使用していると思います。またニボルマブについても私は十分な知識を持ち合わせておりません。少なくとも国内では肺がんに対しては未承認ですし(悪性黒色腫のみの適応)、フェーズ1の報告が出たばかりですので現時点では有効とは断定できないのではないかと思います。一度担当医にご確認願います。以上です。
不安で調べていくうちにこちらにたどり着きました。
2007年12月に乳がん手術を実施 39歳
左 腫瘍 7cm 部分切除と腋窩リンパ節切除
センチネルリンパ試験で9個中3個悪性でした。
右 腫瘍 5cm 部分切除
サブタイプはルミナールA でした。
ホルモン受容性でしたから、抗がん剤は断り、リュープリン2年間 と タモキシフェン 5年間 処方。
毎年、CT検査とマンモグラフィは受けていました。
最後に受けたのは2016年8月でしたが特記所見は見当たりませんでした。
2017年8月に風邪の症状となり、9月頭に胸痛。
9月中ばに呼吸器内科で胸水をみとめ、総合病院に入院。
検査の結果は乳がん再発で腺がん。
左前胸部に腫瘤3cm
ルミナールAタイプでした。ki67は10%以下。
胸水ドレナージを1週間行い、ユニタルク胸膜癒着しましたがその後も日に1リッター以上排出。
再度 数日 ドレナージして、200ml程度になった排出時点で2回目の胸膜癒着をユニタルクでしました。
そして、退院。
しかしながら、癒着は完全ではありませんでした。
それからも、数日で息苦しくなり、1週間に1回 胸水を注射で1リッターから1.5リッター抜いてもらっています。今は4回です。
処方は 初発時とサブタイプは同じでしたから、閉経前であり、リュープリン注射とタモキシフェン を飲んでいます。1か月飲んでいます。
胸水が止まらない事から、抗がん剤 パクリタキセル を勧められていますが、ルミナールA サブタイプで抗がん剤は効きにくいと言う事で抗がん剤する事で体力低下や白血球数減少で他への転移などするのではと悩みます。
ホルモン治療も3か月程度は効果が現れるまでかかると思っています。
何かアドバイスあればお願いいたします。
>kaorin さん
はじめまして。
まず、今回の再発に関してですが、”左前胸部に腫瘤3cm”というのは、乳房内再発なのでしょうか?それとも胸腔内の胸膜再発のことなのでしょうか?ここから組織を採取してLuminal Aということなのですか?
前者の場合は再発巣とは別病変の可能性がありますので胸膜再発はLuminal typeではない可能性も考慮する必要があります。後者の場合は、再発巣もサブタイプは同じということですので通常は内分泌療法を考慮します。タモキシフェン終了後数年経過していますので、リュープリン+タモキシフェンの再投与でも良いですし、保険適用上の問題はありますが、リュープリン+アロマターゼ阻害剤でも良いと思います。また、12/15にパルボシクリブが発売になりますので、リュープリン+パルボシクリブ+フェソロデックスでも良いと思います。
主治医の先生が提示したパクリタキセルは単剤ですか?もしかするとアバスチンとの併用を考えているのではないですか?もしそうであれば、アバスチン+パクリタキセルは特に胸水貯留に効果があると言われていますので、繰り返す胸水貯留を早期にコントロールしたいと考えたのではないでしょうか?
確かにLuminal typeには抗がん剤が効きにくいと言われていますが、全く効果がないわけではありませんし、特にLuminal typeにしては急激すぎるような悪化を呈するkaorin さんのようなケースには効果が期待できる可能性があります。白血球減少は気をつけなければならない副作用ではありますが、Weeklyでパクリタキセルを投与する場合は発熱をきたすほど下がるケースは少なく、減量や延期で対応できる場合がほとんどです。もちろん白血球が多少下がることで他に転移をきたすことは考えなくて良いです。もしそうであれば抗がん剤で無再発生存率の改善は起きないはずですよね?実際はアバスチン+パクリタキセルは大幅な無再発生存率の改善を臨床試験で実証していますし、術後補助療法としてのFEC療法なども全生存率の改善が見られています。
もし病状が待てるのであればもう少し今の治療で粘っても良いと思いますが、なかなか改善が見られない場合はまずは抗がん剤で早期にコントロールして、落ち着いたらホルモン療法で維持するという選択肢も考えて良いと思います。主治医の先生とよくご相談の上でお決めになってください。
それではお大事に。
早速のお返事に感謝いたします。
乳房内でも胸ね間ね胸骨あたりに腫瘤があり、そこから胸膜を突き破って胸膜炎を起こした見方です。
最初の総合病院にて胸水 細胞診でルミナールA
がん専門の病院にて胸骨の腫瘤を 組織診をして 同じくルミナールAでした。抗がん剤を打つ前にホルモン剤の効果技、現れる3か月は様子をみたい気持ちがあります。
抗がん剤は単剤 と今のところ伺っています。
心配で仕方ありません。
パルポシクリプについてはルミナールAに効果あるのでしょうか?
補足いたしますと、3センチの腫瘤は胸壁で皮膚に近い左前の身体中央よりです。
乳房内ではなく、心臓に近い左前です。
腫瘤を組織診しましたがルミナールAでした。
胸膜炎で胸水が貯まり、セルブロックして頂き、ルミナールAの検査結果でした。
総合病院と専門の病院 共に 乳がん再発 腺がんという診断でした。
気になりますのが、昨年 8月に造影剤 CTをしましたが、腫瘤もありませんでした。
1年で3cm 大になるという事で初発時とは異なるサブタイプとも思いましたが、初発時と同じでルミナールAでした。
この様な短期間で腫瘤拡大するものなのでしょうか。
他転移も見られない事から、腫瘤切除は再発の場合は外科的処置や放射線での腫瘤への対処は検討は一般的にしないのでしょうか。
医師からは、腫瘤は心臓に近いこと、再発は全身病であることから内科的処置で進める。
胸膜炎で胸水にもがん細胞があるので
胸水が貯まる。ここを先に処置して胸水を止める事が先決との事でした。
先生の返信コメント見ますと、アバスチン+パクリタキセル を白血球数低下しないコントロールで胸水を止める。ルミナールBには効果見られていますが、ルミナールAには抗がん剤効果は3パーセント、副作用100パーセントとなっていましたので、10月下旬から始めたリュープリン注射とタモキシフェン でもうじき、二か月です。
ホルモン治療の効果あり、なし判断はどの程度の期間と状態判断を一般的にはするのでしょうか。
胸水を毎週 抜く事でコントロールしていますがホルモン治療で胸膜炎が緩和するのでしょうか。
新たな結合は抑えても、今ある腫瘤や胸膜内のがんには効果がありますでしょうか。
12月15日に保険適用になるなと教えて頂きましたバルポンクリブはどの様な効果が期待できるのでしょうか。
長々となり大変申し訳ありません。
担当医師があまり検査結果を示して論理的に説明するスタイルではなく、これがダメなら次は抗がん剤 パクリタキセル ですね。だけ聞くと不安定に私自身がなりますのでこちらのプログ頼りにいたしました。
よろしくお願い申し上げます。
>kaorin さん
胸骨傍リンパ節再発からのがん性胸膜炎なのかもしれませんね。
まず外科的切除は胸骨傍リンパ節、もしくは局所再発のみでしたら適応はありますが、がん性胸膜炎を伴っている場合は切除しても完全に取り切ることはできませんので一般的には適応外です。放射線治療も同様ですが、局所コントロールが難渋する場合には考慮する場合もあります。
パルボシクリブはLuminal Aにも効果があります。次の手段として考慮して良いと思います(高額ですが)。またホルモン療法の効果判定には最低3ヶ月はかかります。ただ明らかに増悪する場合はそこまで待たずに治療変更する場合もあります。逆に待てそうな場合は3ヶ月以上粘ることもあります。治療が奏効すれば胸水はコントロールできます。ドレナージの頻度が減れば効果が出てきた兆しです。
Luminal Aにしては増悪速度が速いのが気になりますので、現在の治療が奏効しない場合は少し早めに治療変更を考えても良いかもしれません。きっと主治医の先生もそのあたりを考慮して方針を立ててくれると思いますよ。疑問に思うことがあればメモでもしておいて次回の受診の際にお聞きになってみてください。
それではお大事に!
先生の的確なお返事内容と親身になって頂く事に感謝の言葉しかありません。
胸水を1週間毎に1リッター抜いて凌いでいますが、胸水の貯まるスピードが早く、抗がん剤を選択する事になりました。
パクリタキセル とアバスチン です。
リュープリン注射とタモキシフェン は中止です。
効果が確認されるまで胸水の状態見ていると待てないという判断であるかと思います。
血液検査の
CA15-3 の値が昨年 13U/mL から 9月で24 → 12月 42という値です。
CEA は昨年 1.6ng/mL から9月 1.5 で12月 1.7
ST439 が 今年9月 921.7U/mL 10月 748.1 で12月 557.4です。
抗がん剤のチョイスは胸水コントロールをまず行う目的としていると思います。
頑張っていきます。
>kaorin さん
そうですか。
治療が奏効する事をお祈りします。
それではお大事に!
先生のアドバイスで意思も固まり、あの後 12月末から、アバスチン+パクリタキセルを5クール実施しました。
治療が奏功した様で胸水は減少した事と、胸のリンパ節の腫れがCT検査結果で治まってきているという事。
また、腫瘤はサイズも若干小さくなっていると所見もありましたので先生のコメントにあります様に本治療の効果があったと思います。有難うございました。
担当医からは、「この投薬は 最大 6クールですと言われております。
その後は、無増悪期間が 1か月か 1年か判りませんが、定期検査をしてまた現れたら処置をしていきましょう」。というコメントでした。
薬も限られているので、何も無い無増悪期間にそのカードを切りたくはないという様な事なのかもしれません。
私のタイプは、ルミナールAですので、リュープリン+タモキシフェンで治療がスタートし、2か月経過し腫瘍マーカの数値も減少してきていましたが、胸水の課題が解決出来ず アバスチン+パクリタキセルの治療となりました。
一般的に、治療後は無増悪期間は何も処方をしないで再度 悪化するまで待つのでしょうか?
個人的には、ルミナールAなので今のところCT検査では肝臓などの臓器に転移は認められないので、アバスチン+パクリタキセルを6クール後に活性化を防ぐという目的でホルモン治療に移行することが良いのではと思っています。
現状ですが
血液検査のマーカはCEA 2.2 CA15-3 64 ST439 504
異常値を示しているのが ALP 576 GOT 41 GPT 72 という状況です。
婦人科で子宮筋腫と卵巣嚢腫があると指摘を受けています。その為にホルモン治療に関しての躊躇もあるのか
と個人的には思ってしまいます。
体調は食欲もあり、睡眠も取れています。
抗がん剤の影響で生理も止まっており、ホットフラッシュが出ています。
アバスチン+パクリタキセルの6クール後に次の変化が見られるまでは何もしないという事に関して、コメントを頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。
>kaorin さん
治療が奏効して良かったですね!
アバスチン+パクリタキセルが奏効した場合、どこまで継続すべきか、その判断は施設によって異なるのかもしれません。私は特に6クールで終わりにするという考え方では治療していません。実際、1年以上継続してPRを維持している患者さんもいらっしゃいます。ただこの治療の一番の問題点はパクリタキセルによる末梢神経障害の副作用です。6クールで終了するという考え方は、この副作用が治療の妨げにならないようにという工夫なのだと思います。私の場合は、末梢神経障害が悪化する前に奏効が得られたら、その時点でパクリタキセルを3週連続投与から隔週に変更することによって長期に継続できるようにしているのです。白血球や末梢神経障害の状況によっては減量してでも隔週で継続する場合もあります。
またホルモン受容体陽性の場合は、一度アバスチン+パクリタキセルを休薬して内分泌療法で維持するというやり方をしている施設もあります。もし無治療になることが不安であれば主治医に相談してみてください。
取り急ぎ以上です。
それではお大事に!
Kaorinです。
6クールのパクリタキセルとアバスチンが終わり、最終治療日(5月30日)のレントゲン検査では胸水貯留も殆ど無くなりました。
主治医と相談し、内分泌療法で維持という事になり、リュープリン(6月14日)+タモキシフェン(5月30日)で治療を始めました。
抗がん剤のパクリタキセルと分子治療薬のアバスチン治療が終わり、3週間目から少しずつ、咳が出始めました。
その咳も、頻度が増え息苦しさも出てきた事で、レントゲン検査と血液検査を行いました。
結果、胸水貯留が肺の半分以上既にあり、血液検査もST439が711で治療前に逆戻りした結果になっています。
不安な事は、我慢して6クールのパクリタキセルとアバスチンを投薬し、投薬後 1カ月程度でまた
胸水が貯まっているので、自分自身がどうして良いのか悩んでいます。
胸水の癒着も2度 入院して、2回失敗していますし、今後のことを考えると不安で仕方ありません。
何かアドバイス頂ければ幸いです。
辛いです。
kaorinです。
連続コメントで申し訳ありません。
左肺と胸膜間に胸水が肺の上まで、貯留をしていました。
入院して、胸水をドレーンで排出しています。
胸膜癒着を過去 2回して、癒着不良の結果でしたから、
CT検査で確認頂きました。
その結果として、左胸の胸膜癒着は少し癒着出来ているものの
残念ながら、癒着出来ておらず。
また、右胸の肺内部に癌細胞があるという診断でした。
4カ月前のCT検査結果では、綺麗な肺でさしたが今回は
ガラスがヒビ割れた様に白く枝葉の様になっていました。
パクリタキセル とアバスチンを止めて、2週間程度で
胸水貯留し、右肺にも転移しているので抗がん剤をやるという状況です。
アロマイシン? タキサン系ではない、投薬を検討されていると
思います。
乳がんはゲノムで抗がん剤マッチングなどはしないので
しょうか。
いろいろ心配しています。
>kaorinさん
お久しぶりです。
まず投稿からすでに1ヶ月も経過してしまったことをお詫び申し上げます。
投稿があった場合、メールが届くことになっているのですが、サイト上の問題でメール通知がなかったのとと新規の記載を中止していたこともあって、このコメントを読んだのは本日となってしまいました。病状の悪化でご不安な中、お待たせしてすみませんでした。
乳がん治療をゲノムでマッチングすることは今のところ標準的には行われていません。ただ、最近BRCA遺伝子の変異がある遺伝性乳がんであることがわかった場合はリムパーザという薬が使用できるようになりました。すでに主治医の先生からお聞きになっているかもしれませんが、遺伝子検査をしてみるのも一つの方法かと思います(再発治療方針決定のためのBRCAの検査は保険適用となりました)。
取り急ぎ以上です。それではお大事に。
kaorinです。
ご無沙汰しています。
胸水再貯留から、左肺だけでなく右肺にも転移が見られ
、エリブリンに2018年9月から切り替えました。
歩行すると息苦しさは胸膜癒着をした要因があるかも
知れませんが、仕事も退職し、ゆるゆるに過ごして
気分転換した際に出かけています。
胸膜癒着を9月にした際に40ど近い高熱が数週間続き、まぶたが
下がりました。
気になり、脳をMRIを実施。
2018年12月に多数転移で放射線を全脳に受けました。
悩みましたが、まだ数mm程度が数10個あり、全脳しか
選択肢がなかった事。
小さな事から、放射線が効きやすいという事での状況でしま。
今回、悩んでいますのはCT検査で肺が多少悪くなっていて
エリブリンの効果が薄れているのではないか。
という事から、3つの提案を受けています。
考えておいてと言われてもなかなか悩みます。
1. リュープリン+アリミデックス内服
2. リュープリン+ フェソロデックス 月一回 + イブランス併用
3. 抗がん剤 カペシタビン 内服
今の状況はエリブリンで下がっていた肝臓の数値が980まであがり、身体は肺の
息苦しさだけです。肺も数値は指先で測定する機器で数値が 93程度です。
遺伝子検査は保険適用の薬剤が無くなってからでも大丈夫ですよ。と医師から
コメントもあり、なかなか悩ましい状況です。
>kaorinさん
お久しぶりです。この間、色々あって大変でしたね。
ご質問にお答えします。
個人的には、時間的に待てそうなら、2が良いと思います。イブランスの代わりに同じCDK4/6阻害剤のベージニオ(abemaciclib)でも良いと思います。
なお、遺伝性のリスクが有るのでしたら、治療薬がなくなってからではなく、早めに遺伝子検査をした方が良いと私は思います。それによって治療戦略は変わりますので。
以上です。
Kaorinです。
先生、多忙な際にお返事有難うございます。
1. リュープリン+アリミデックス内服は
イブランスも併用とのことでした。
一次ホルモン治療と二次ホルモン治療と
の事ですが、1が一次で2のフェソロデックス+イブランスが二次ホルモン治療
と良く乳がんの本に記載されていますが、二次から入る
事でその先のホルモン治療が無いように感じてしまいます。
2がお勧めなのはやはり実績でしょうか。
>kaorinさん
アロマターゼ阻害剤とイブランスの併用の有効性を証明したPALOMA2試験は、閉経後の患者さんが対象です。一方、フェソロデックスとの併用の有効性を証明したPALOMA3試験は閉経前も対象で、その場合にLH-RH agonistを併用しています。したがって閉経前の患者さんにリュープリンを併用しながらアロマターゼ阻害剤を併用することはイブランスを併用したとしても保険適応上は認められていませんし(リュープリンは閉経前、アロマターゼ阻害剤は閉経後が保険適応のため)、PALOMA2でも対象外でしたので査定されても文句は言えない状況なのです。メーカーに確認してもそのような見解でした。一方、フェソロデックスはPALOMA3の結果を踏まえて、イブランス併用時に限ってはリュープリンと併用して良いように添付文書を改定しました。ですからフェソロデックスは問題ないのです。
あとは施設、主治医によって見解は異なりますが、査定覚悟でリュープリン使用下でアロマターゼ阻害剤とイブランスの併用を行うかどうかということになります。
おわかりいただけましたか?ちなみに当院ではアロマターゼ阻害剤+イブランスを閉経前の患者さんには投与していません。
以上です。
kaorinです。
先生のおススメで選択された理由が非常に良く
理解出来ました。
なかなか、難しいですね。
効果あるかもと思っても、制約があったりする
のも治療を通して、少しずつ理解しています。
全脳照射もガンマナイフで処置して頂きたかったです
が数多くあり、適用外でした。
また、いつもご多忙な際に返信して下さり、有難うございます。
抗がん剤が種類を、変えて一年続けてきましたが、
肺の状態が悪化していて、治療転換となりました。
頑張ります。
>kaorinさん
こんばんは。
お体も辛いですがそれ以上にお気持ちも辛いことと思います。
楽観できる状況ではないと思いますが、今度の治療が長く効くことを心より願っています。
頑張りすぎないように頑張ってくださいね、それではお大事に!
kaorinです。
ご無沙汰しています。
あの後、リュープリンとフェマーラとイブランスを
2月から、4月の3クールを実施しました。
腫瘍マーカーは下がらず。
CA15-3が1000
ST439が1000
で、それでマーカー数値は止まっていますが、
胸水が溜まった肺のCT画像が一月より、悪化していて
投薬中止、薬変更になりました。
また、一月にギックリ腰かなぁと痛みが続いていた腰回り
ですが背骨に転移していました。
神経が側にあるところまで大きくなっていました。
連休明けに放射線治療を行い、終わり次第に新たな投薬予定ですが
ハッキリしないので、肺を一番 抑えたいという事で放射線治療を
している間とは言え、1か月無投薬ですから、リュープリンとフェマーラは
引き続き、投薬OKとなりました。
肺の悪化に効く投薬がないでしょうか、
医師は放射線治療を早くしましょうとのでした。
クスリがあればよいですか、
>kaorinさん
こんばんは。お久しぶりです。
イブランスが効かなかったんですね…。
内分泌療法を継続するのでしたら、次はフェソロデックス+ベージニオ+リュープリンでしょうか…。
まずは放射線治療ですね。奏効することをお祈りしています。お大事に!
先生、実は放射線治療は先送りになりました。
内分泌療法が効果なく、GW連休中後から放射線治療の予定が
肺の状態が厳しいということで、抗がん剤AC治療を受ける事になりました。
肺の状態がよくなく、パルスオキシメーターで87とかになり、鼻から酸素吸入を毎分3Lしています。
ホルモン療法も取りやめしており、今は医療用麻薬のみでAC治療をこれから受けます。
胸水が貯まり、胸膜癒着をした左側の肺は殆ど、動いていない状態です。
右肺も転移していますが、頑張ってくれています。
アバスチン+パクリタキセル→6カ月で胸水再貯留→エリブリン→6カ月でマーカー数値と
肺の状態が改善せず→イブランス+ホルモン治療へ変更→2カ月で肺が悪化→今回 AC治療となりました。
今の状態だからこそ、AC治療をする様です。
副作用が心配です。
良くなると思って、前向きに自分を信じていきます。
>kaorinさん
そうでしたか…。辛い状況の中、ご連絡くださりありがとうございます。
治療方針が変更になって大変ご不安のことと思います。
AC療法は確かに楽な治療ではありませんが、奏効することを心からお祈りしています。
頑張ってくださいね。それではお大事に!
コメントを投稿