2013年8月4日日曜日

医師会の乳がん・子宮がん検診普及啓発講演会&個人相談会

昨日は、医師会主催の乳がん・子宮がん検診普及啓発の講演会がありました。

乳がん検診はT病院のT先生が、子宮がん検診はF病院のF先生がご講演されました。
T先生は、乳がんの基礎知識に関してと欧米と比べた日本の検診普及状況の現状、乳がん検診を定期的に受けることの大切さなどについてわかりやすく話されていました。

子宮がん検診については、私も不十分な知識しかありませんのでF先生のお話はとても勉強になりました。子宮頸がんワクチンについては賛否両論ありますが、F先生のような婦人科医の立場からすると、やはり受けるべきだということでした。マスコミがかなりセンセーショナルに書き立ててしまったためにとても怖いものだという印象を与えてしまっていますが、他のワクチンに比べて重篤な副作用の頻度は変わりないとのことです。

もちろん、ワクチンによる副作用で重篤な障害が残ったり、命を失った方が身近にいたりすると、ワクチンに対する怒りや恐れを持っていても当然かもしれません。ただ様々なワクチンの開発によって、多くの命を奪っていた病気を予防できるようになってきた歴史的な経過があることも事実です。例えば天然痘にしても、ワクチンによる脳炎などで命を落とした方はけっこういらっしゃったようです(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE%E7%97%98)。でももしそのことでワクチンは危険だからと世界中で接種が行なわれなかったとしたら、もしかしたら今も天然痘は生命を脅かす脅威になっていたかもしれません。個々のリスクと全体のメリット、秤にかけて比較することは難しいですね…。

講演会が終わってからは、演者の2人の先生とS病院婦人科のW先生、そして私の4人で個人相談会を行ないました。例年けっこういらっしゃって何時に終わるかわからないということでしたが、今年は少なかったのでわりと早く終わりました。私のところにいらっしゃった方の相談内容は40才未満の検診について、乳房再建について、良悪の鑑別が困難なケースなどでした。特に問題なく終わりましたが、こんなに少ないならもう少し1人1人に時間をかけてお話しすれば良かったかなと後で思いました(人数をあらかじめ教えていただいた方が良かったのではないかと思います)。

日本の乳がん検診受診率は、マンモグラフィの導入、啓発運動、そして無料クーポン導入などによって、徐々に増加し、ようやく30%を越えたようです。しかし、目標の50%にはまだまだ遠く、70-90%という欧米のレベルにははるかに届きません。
今回のような普及啓発活動を地道に繰り返しながら、できるだけ早くに目標をクリアできるように私も頑張っていきたいと思います。

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