2012年10月14日日曜日

札幌乳癌カンファレンス

昨日、市内某ホテルでAZ社主催の「札幌乳癌カンファレンス」が行なわれました。この会は昨年から始まった研究会で、G病院病理部のA先生をお招きして、診断困難症例のカンファレンスと乳腺病理のご講演をお聴きする会です。今回はG病院で研修していたご縁で私が司会を務めることになりました。慣れない任務なので前日からちょっと緊張していましたが、なんとか無事に終えることができました(途中いくつかアクシデントがありましたが…汗)。

今回はSession1として、現在北海道からG病院に研修に出ている私たちの施設のN先生と旭川から病理の研修に行っているS先生から、G病院での研修についてのご紹介をしてもらいました。最近の研修システムについて知ることができ、これでまた研修に出たいと思う若手医師が増えればG病院と北海道のパイプが強まるのではないかと思います。

Session2は、A先生による「乳がん術前薬物療法の病理」のいう演題のご講演でした。これは私からのリクエストに答えて下さった内容で、期待していた通りというか、それ以上のお話でした。病理医の目から見た、術前化学療法のメリットの有無と問題点について、G病院の豊富な症例の検討と教訓症例を提示していただきながら学ぶことができました。詳細は割愛しますが、一般的に言われている術前化学療法を行なう意義、特に組織学的効果で予後推測をすることが本当に患者さんへのメリットになるのかという点については、私が以前から感じていたことでしたのでA先生も同じお考えでいらっしゃったことがわかり、とても心強く感じました。

Session3は3施設から提示された症例検討でした。いずれも最終診断はがんではなく、非上皮性腫瘍と考えられる症例でした。1例目は系列病院のI先生が提示した症例で、病理診断としては難しくはなかったのですが、画像診断がちょっと難しい(典型的ではない)悪性リンパ腫の症例でした。2例目と3例目(当院症例)はともにA先生も頭を悩ませるくらい診断が難しい症例でした。いずれも明らかな悪性とは言えないけれどもちょっと異型を伴っていて境界病変に近いような病変でした。あの短時間で病理診断を出せるのはA先生くらいのレベルの先生でなければできない技ですが、ざっと見ただけでその病変の特徴を的確にピックアップして診断に近づけるというのは神業です。突然画像の読影を指名されるという緊張感の中にもA先生の軽妙なトークを交えながらのアットホームな楽しい会であっという間に予定時間になってしまいました。

その後会場で懇親会を1時間ほど行なってから、G病院の3人の先生方とI先生、G先生と私の6人ですすきのの地酒と北海道料理が美味しい店へ2次会に行きました。全員A先生にお世話になった(お世話になっている)医師ですので、会話も盛り上がりとても楽しい時間を過ごさせていただきました。今日は乳がん検診の担当でしたからセーブしようと思っていたのですがついつい飲み過ぎてしまい、あやうく二日酔いで乳がん検診をしなければならないところでした(汗)

来年もまたこのような会が開催されるとうれしいです。A先生のお話はとても勉強になります!

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