現在、HER2陽性乳がんの術後(術前)治療は、ハーセプチンとアンスラサイクリン系抗がん剤(+タキサン系抗がん剤)の併用が基本になっています。今回、サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)において新たなHER2陽性乳がんに対する治療法の可能性が2つ示されました。
①ペルツズマブ+ハーセプチン+ドセタキセル vs ハーセプチン+ドセタキセル
・初発の早期HER2陽性乳がんを対象とする術前補助療法の第2相治験
・pCR率(組織学的にがん細胞か完全に消えていた確率):46% vs 29%
②タイケルブ+ハーセプチン+パクリタキセルとの併用試験の中間データ
・pCR率:51%
・2剤併用のpCR率の比較:ハーセプチン+パクリタキセル群 30% vs タイケルブ+パクリタキセル 25%
この結果は、ハーセプチン登場によって劇的に改善したHER2陽性乳癌の予後をさらに改善する期待を抱かせる結果です。問題点は、ハーセプチンとタイケルブは既に市販されていますがともに高価なこと、そしてペルツズマブはまだ未承認で、おそらくこれも高価なことです。
しかし、このデータからは非常に有用である可能性が伺えますので、今後の動向に注目したいと思います。
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