穿刺吸引細胞診で得られた検体を用いて迅速にがんの診断が可能な検査法が「Science Translational Medicine」2月23日号に掲載されました。
「マイクロNMR」と呼ばれるこの方法は、磁性ナノ粒子を用いて腫瘍内の蛋白やその他の化合物を測定するもので、このマイクロチップはスマートフォンに取り付けることができるため、ベッドサイドで検査を行なってデータを読み取ることができ、1時間以内に診断が可能だそうです。
胃がん患者を用いた試験では、50例中44例のがん患者を測定した9 種類 のタンパク質マーカーのうち4 種類に絞り込むことで、マイクロ NMR チ ップの診断精度を 96%まで上げ、免疫組織化学的検査の精度である84%を上回ることができました。
スマートフォンに接続するというのは、どうもイメージがわきませんが、このツールが市販されれば、1チップにつき数ドルの安価なものになる見通しとのことです。安価で現行の診断法より精度が高く、しかも早く結果が出るというのは魅力的です。さらなる検証を重ねて臨床に活かされるようになれば、病理医の負担も軽減するはずです。
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