2017年8月9日水曜日

With You Hokkaidoまだ間に合います!

昨日With You Hokkaidoの打ち合わせがありました。

先日ここでもお知らせしましたが(http://hidechin-breastlifecare.blogspot.jp/2017/07/14with-you-hokkaido.html)、8/19に第14回のWith You Hokkaidoが行われます。

今年のテーマは「コミュニケーション〜社会とつながる」です。特別講演では渡辺亨先生の化学療法に関する興味深いお話が聴ける貴重なチャンスです。もしお時間がある方は是非いらして下さい。事前申し込みが間に合わなくても当日参加は可能です。

札幌医大の大講堂でお待ちしています!

2017年7月30日日曜日

ピンクリボンin SAPPORO 2017 ピンクリボンロード 終了!

今日、ピンクリボンin SAPPORO 2017 ピンクリボンロードが札幌大通のホコテンで行われました。

久しぶりに今回は朝から好天に恵まれましたが、路上はかなり暑くて大変でした。それでも多くの方々がステージのパフォーマンスに集まってくださり、ブースに立ち寄ってくださいました。

私たちのブースでは、いつものように触診モデルとエコー検査のモデルを用意して自己検診や乳がん検診についての説明をしたり、ちょっとした医療相談を行ったりしながら、通行人に検診啓発のパンフレットを配布したりしました。今回は、医師2人、看護師3人、検査技師1人、事務4人の10人で参加しました。また患者会の方々も数人立ち寄ってくださいました。貴重な休日にも関わらず、ありがとうございました。



まず最初に行われたサンバのステージはドラムのリズムに誘われてショーの最初からものすごい盛り上がりでした。”ピンクリボンとどのような関係があるのですか?”という質問もあったようですが、多くの方々に集まっていただき、検診の重要性を知るきっかけになっていただければそれだけで十分だったと思います。



そのあと札幌西ロータリークラブの合唱、そして玉入れ大会が行われました。勝利チームには和寒町の美味しいトマトジュースが賞品としてもらえるということで熱戦が繰り広げられました。



病院からは東区のマスコットのタッピーが今年も検診啓発活動を手伝ってくれました。ただあまりに暑くて、活動時間は合計1時間弱だったのが残念です。お子さんたちには今年も大人気でした!



今年で11回目を迎えるこのイベントですが、このような啓発活動を行ってもなかなか乳がん検診受診率も増加せず、乳がん死亡率の低下もみられません。ここ1週間の間でも、かなり長い間我慢して手術不能な状態で来院された進行乳がんの患者さんが立て続けに入院しています。ネット上での誤った情報に影響を受けて受診しなかったケースもありますし、経済的な困難から受診が遅れたケースもあります。全ての人に正しい情報を伝えるというのは本当に難しいとつくづく感じています。それでもめげずに地道な活動を行っていきたいと思っています。

2017年7月26日水曜日

ピンクリボンin SAPPORO 2017 ピンクリボンロード

今年も次の日曜日(2017.7.30)にピンクリボンロードが開催されます。

場所はいつもの大通ホコテン(中央区南1西3 三越とパルコの間)、時間は13:30-16:00です。

今回のステージは、毎年参加してくださっている札幌西ロータリークラブのみなさんによる合唱と昨年大人気だった全日本玉入れ協会のご協力による玉入れ大会(商品あり)、そして今回初参加のウルソ・ダ・フロレスタという札幌のサンバチームによるダンスが行われます。ぜひ一緒に歌って、玉入れに参加して、サンバを踊って盛り上げてください(笑)。

そしてブースでは今回も私たちの病院とT病院で乳がんのセルフチェックやエコー検査のデモ、さらにピンクリボンボディジュエリーなどが行われています。もしお時間のある方はぜひお立ち寄りください。乳がんに関する簡単なご相談もお受けしています。

また今回は初めて野菜や特産品の販売も同時に行っています。Hokkaido木村秋則自然栽培農学校さんの無農薬野菜や北海道和寒町の特産品を買いたいという方はぜひ早めに会場にいらしてください。

夜には今年も札幌テレビ塔がピンクにライトアップされますのでそちらも楽しみに!

*詳細はピンクリボン in SAPPOROのHP(http://pinkribbonsapporo.web.fc2.com/)をご覧ください。

2017年7月16日日曜日

第25回日本乳癌学会学術総会 in 福岡

福岡で行われた乳癌学会学術総会に参加してきました。日程は7/13−15でしたが最終日は参加せず、G先生たちを残して一足早く、昨日帰ってきました。

それにしても福岡は暑かったです(汗)。今年の札幌も暑いのですが、夜の暑さと湿度が違います。しかもちょうど祇園山笠祭りが行われていたため、人も多くて夜中まですごい熱気でした。



前日に現地入りしましたが、その夜はD病院のE先生と、SクリニックのO先生と一緒に飲みました。1軒目はE先生と2人で中洲の居酒屋に行き、ビールと焼酎を飲みながら、馬刺しや鳥刺し、焼き鳥などを堪能しました。そのあと天神のワインバーに移って、O先生と合流し、美味しいワインを飲みました。



ただ、焼酎とワインの組み合わせが悪かったのか、そのあとで博多ラーメンを食べた頃から記憶は途切れ途切れで、朝まで頭痛と戦う羽目になってしまいました(汗)。

今回の学会は、乳腺外科医4人と看護師2人という今までにない人数での参加でした。全国学会に不慣れな看護師さんたちが発表するため、今回、私自身はバックアップに専念することにして演題登録はしませんでした。

初日は夕方に後期研修医のNA先生のポスター討論がありましたが、全国初舞台の割に落ち着いた発表だったと思います。2日目は、乳腺外科医みんなでサポートしてようやく完成した化学療法認定看護師のO外来師長の厳選口演(ACPに関する報告)と病棟看護師Iさんのポスター掲示の発表がありました。Oさんの発表は口演だったので緊張するのではないかと心配しましたが、とても落ち着いて発表できたと思います。師長業務に追われながら、時間をかけて何度もやり直しをしながら頑張ってきた努力が報われて本当に良かったです。その夜はとり田”という水炊きのお店でお疲れ様会を行いました。N先生はご主人とお子さんも一緒に学会に来ていましたが、みんなで参加してくれました。



3日目は私は参加できませんでしたが、ポスター討論のG先生とポスター掲示のN先生の発表はつつがなく終了したようです。

発表は無事終了して一安心でしたが、とにかく暑さは堪えました(泣)。汗をかいて冷房で冷えての繰り返しのせいで、異常に疲れました。やっぱり7月半ばの学会はきついです(汗)。札幌に帰って、今日は雨も降ったので気温も下がり、ようやく一息ついています。

来年の学会は5月。準備にあまり時間はありませんので早めに取り掛かろうと思っています。

2017年7月4日火曜日

第14回 With You Hokkaido〜あなたとブレストケアを考える会〜

久しぶりの更新です。この間、乳癌学会の準備とかあれこれあってなかなかブログを更新することができませんでした。

今年もまたWith You Hokkaidoの時期が近づいてきました。私の病院にもポスターとチラシが届きましたので病棟や外来、化学療法室などに置いています。市内の主な乳腺外科のある施設には届いていると思います。



チラシの中には参加申込み用のハガキが印刷されています。もし入手が難しい場合は、事務局のある東札幌病院のHP(http://www.hsh.or.jp/)からPDFがダウンロードできますのでご利用ください。

グループワークの担当はまだ決まっていません。貴重な時間ですので参加した皆さんが参加してよかったと思えるグループワークになればいいなと思っています。

特別講演の演者は、私の大学の大先輩でもあり、化学療法の第一人者であられる渡辺亨先生です。乳腺外科医にとってはとても辛口の先生ではありますが、非常に理論的でかつ説得力のあるわかりやすいお話をして下さる先生で、個人的にはとても尊敬しています。今から楽しみにしています。

今回はパネルディスカッションにも参加しないので私自身はかなり気が楽です。テーマは社会とのコミュニケーションです。なかなか普段聞けないような討論になるのではないかと期待しています。

もしお時間のある方は是非8/19に札幌医大の大講堂までいらしてください!

2017年5月16日火曜日

第4回 北海道 Breast Care Nursing研究会

久しぶりの投稿です。

先週の土曜日に”第4回 北海道 Breast Care Nursing研究会”が開催されました。

これは道内の乳腺診療に携わる看護師さん対象の研究会なのですが、この会を立ち上げたT病院のK看護師さんから依頼を受けて講演をしてきました。

会場は札幌駅前のアスティ45の会議室で、80名を超える熱意を持った看護師さんたちが集まってくれました。

私の講演の内容は、乳がんの再発治療に関するものでした。乳がんの再発治療に対する標準的な考え方や治療方針を元に、”乳がんは再発したら治らないのか?””再発を早期発見することに意味はないのか?”ということについて、エビデンスから少し離れたことも含めて私の経験も交えながらお話ししました。

エビデンスを離れた内容もありますのでここで詳細を述べるのは控えますが、遠隔転移(肺や肝臓、遠位のリンパ節)をきたした患者さんの中には、治療が奏効して、完全に再発巣が消失してから10年以上全く再再発なくお元気に暮らしていらっしゃる方がいらっしゃるのも事実です。微小な遠隔転移が、術後の補助療法によって根絶できる可能性があるように、術後の再発も治療の進歩や工夫によって今より根治の可能性を期待できる時代が来るのではないかとずっと願いながら私は日常診療を行なっています。

最近では、分子標的薬や免疫治療薬(免疫チェックポイント阻害薬…オプジーボやキイトルーダなど)の開発が急速に進んでいます。古いエビデンスに縛られるのではなく、再発は治らないと決めつけずに治療の術を考え続けることは私たち乳腺外科医の責務であり、そうでなければ医療は進歩しないと私は思っています。

ただ全ての再発を治せるわけではなく、多くの再発は完全に治すことが現時点では難しいのも事実です。治癒可能な再発、延命可能な再発、症状緩和が可能な再発を見極めながら、乳腺外科医の自己満足にならないように患者さんの状態を見極めながら柔軟に治療方針を決めていく必要があります。今回の講演ではそのようなお話をしてきました。

私の講演のあとは、HGセンターのがん看護認定看護師のKさんが緩和ケアの視点から見た再発乳がん患者の看護のお話をして下さいました。普段医師の講演ばかり聞いているので看護師さんの視点からのお話は大変参考になります。今後の私たちの施設の看護の参考になったのではないかと思います。

とりあえずこれでずっと重荷になっていた仕事が終わりました。これからは7月の乳癌学会の発表に演題を出している看護師さんと後期研修医のNA先生のサポートに取り掛かります。

2017年3月11日土曜日

”乳がん・子宮がん検診普及啓発講演会”と乳がん検診の問題点と今後

今日、札幌市医師会主催の乳がん・子宮がん検診普及啓発講演会に行ってきました。

数年前にも一度依頼を受けて医療相談の担当をしたことがあるので今回は2回目でした。講演は、乳がん、子宮がんそれぞれのがん検診の現状と今後の話を中心にわかりやすくお話しされていました。乳がん罹患者数は2017年の予測が9万人に達する見込みのようです。その一方で検診受診者の増加は頭打ちで、これでは乳がん死亡を減らすことは難しい状況です。

最近、乳がん検診は無意味であるとの報道を目にした方もいらっしゃるかと思います。実際スイスでは、死亡率の低下が明らかではないとして対策型のマンモグラフィ検診を取りやめることになったようです。

確かに今の乳がん検診にはいくつかの問題があります。これにはマンモグラフィ検診が導入された時から私は危惧していたことも含まれています。いま問題になっているのは主に以下の点です。

①高濃度乳腺に対してはマンモグラフィの有益性は低い。

②乳腺濃度が高く、マンモグラフィの信頼性が低い症例に対しても読影者は異常なしか要精検かのどちらかの判定をしなければならず、なおかつ乳腺濃度が高いことを被検者に知らせるすべがない。従って被験者には信頼性の低い検診結果であることが伝わらない。

③マンモグラフィ検診を導入することによって、もしかしたら一生命に関わらないかもしれないようなおとなしい非浸潤がんを多く診断し切除している可能性がある。また、そのようなおとなしいがんを発見しようとするあまり、多くのがんではない被検者に侵襲のある検査を受けさせてしまっている。

このような状況になってしまった要因はいくつかあると思いますが、私見を述べるのは差し控えます。ただ乳がん検診を推進する方法にも少し問題があったのではないかと思っています。

それでは今後、乳がん検診はどうなっていけば良いのでしょうか?

①②に関しては、日本で行われた40歳代に対する超音波検査の上乗せ効果を検証する臨床試験(J-START)の結果が一つのきっかけになるかもしれません。ただ、エビデンスに縛られる今の医療システムではおそらく本当に有効な乳がん検診が普及するのはまだまだ先ではないかと思っています。

なぜならこの臨床試験でがん発見率の増加が確認されたのは40歳代という年齢による対象のみだからです。これは40歳代では”乳腺濃度が高い人が多い”ということが影響しているのは明らかだと思われるのですが(高濃度乳腺のためにマンモグラフィで見落とされた腫瘤を超音波検査で拾うことができたということ)、おそらく検診に超音波検査が導入されるとしたら、”乳腺濃度”ではなく”40歳代という年齢”で線引きされと思われるのです。

何を言いたいかと言いますと、マンモグラフィに超音波検査を併用する方が良い人たちというのは、年齢のみで決まるわけではなく、乳腺濃度が高いか低いかで決めるべきではないかということなのです。つまり、50歳以上でも高濃度乳腺であれば超音波検査を併用すべきで、40歳代でも脂肪の比率が高ければマンモグラフィのみで良いというようにすべきなのではないかと個人的には考えているということです。ただエビデンスに縛られるときっとこのような方針にはならないだろうなと思っています。

③に関しては、学会でもhotな話題になっていてなかなか難しい問題ではあります。なぜなら、一生悪さをしない非浸潤がんなのか、近い将来に浸潤がんになって生命を脅かすがんなのかを100%診断することは現在の医療レベルでも困難だからです。ですから生検でがんと診断されれば乳がんとして根治術を行わざるを得ないのです。

一部の報道では、検診で見つかったがんのほとんどが過剰診断だから検診なんて受ける必要はないというような論調のものもありますが、これは正しくないと思っています。例えば壊死型の石灰化(comedo型)で発見された非浸潤がんは、おそらく近い将来浸潤がんになって生命を脅かす可能性が高いと考えられるものです。このタイプは増殖が速いために乳管内のがん細胞が栄誉不足で死んでしまった部分にカルシウムが沈着したものですから浸潤がんになる危険性は非常に高いと考えられます(実際非浸潤がんだと思って手術をしたら何箇所も浸潤していたケースは稀ではありません)。ですから壊死型の石灰化で発見された早期乳がん患者さんは検診を受けたことによって命を救われた可能性が高いと推測できるのです。

ただ過剰診断、過剰診療を減らす努力はすべきだと思っています。例えば微小円形の石灰化の集簇(カテゴリー3)の場合には約10%程度がんが含まれていますが、このうちの一部は非常に進行が遅い可能性があります。実際、石灰化が指摘されてから5年くらいたって、わずかに数が増加したということで精査して悪性と診断されたのですが、手術をしたらまだ非浸潤がんのままだったという経験をしたことがあります。このようながんはもしかしたら一生命に関わらなかったのかもしれません。

一般的にこのようなタイプは超音波検査に写らない、MRをしても造影されないというタイプが多いように思います(もちろん診断する側の力量にもよりますが)。ですから私はカテゴリー3の石灰化で、超音波検査に写らない場合は、経過観察とするか、少し気になる(区域性に近い集簇や密度が高い場合など)時はMRを追加して、造影されたらステレオガイド下生検、造影されなければ経過観察というようにしています。もちろん経過観察をする場合は、患者さんには十分な説明をした上で必ず定期的に来院していただくようにしています。このようにすれば、過剰診断、過剰診療と非難されることは少なくなるのではないかと思います(欧米で過剰診療が問題になっているのは、超音波検査やMRではなく、ステレオガイド下生検のやりすぎが原因ではないかと思っています)。

乳がん検診が本当の意味でもっと質の高い有用なものになり、”乳がん検診なんて受けるな”ということを公言する人がいなくなる時代が早く来て欲しいと願っています。