2016年7月31日日曜日

「ピンクリボン in SAPPORO 2016 ピンクリボンロード」終了!

今日は「ピンクリボン in SAPPORO 2016 ピンクリボンロード」が行なわれました。朝から曇り空で、時折小雨がパラつくあいにくの天気ではありましたが、本降りになることなく、無事予定通り開催されました。

天気がいま一つでしたので、あまり人出が多くないのではないかと心配したのですが、思った以上に人通りが多かったような気がします。私たちの病院では例年通りブースを設けて触診モデルやエコー検査のデモ機を使った啓発活動をしながら、手分けをして沿道で乳がん検診の啓発パンフの配布を行ないました。



今年は医師、エコー技師、病棟看護師、健診課・医事課・管理部の事務、合わせて13人が参加しました。初めての職員も3人いましたが、積極的に活動をしてくれたので私自身はあまり手伝わずにすみました(笑)。

ステージでは、ドラムサークル、フラダンス、玉入れ大会、コーラスなどのイベントが行われ、多くの観客の方々が参加して下さいました。東区のキャラクターのタッピーも”乳がん検診を受けよう!”というアピールをしながら参加していました。2年連続の参加ですが、今年も子供たちには大人気でした(笑)。



病院で用意した乳がん検診の啓発パンフ100部は早々に全て配布したので、ピンクリボン in SAPPOROのパンフもたくさん配布することができました。この活動に触れた方から検診の輪が大きく広がることを期待したいと思います。

今日は病院の患者さんたちや出入りしている製薬会社の方も応援に来て下さいました。裏方のスタッフさんも万全の準備をして下さり、無事終了することができました。来年はさらに工夫を加えながらより良い乳がん啓発活動を行っていきたいと考えています。

2016年7月25日月曜日

もうすぐピンクリボンロード!

以前ここで取り上げましたが、今度の日曜日(7/31)に札幌の大通で「ピンクリボン in SAPPORO 2016 ピンクリボンロード」が開催されます。詳細はピンクリボン in SAPPOROのHP(http://pinkribbonsapporo.web.fc2.com/)をご覧下さい。なお、多少の雨なら行ないますが、大雨の場合は中止となります。

今日はその最終打ち合わせがありました。今年の目玉は”玉入れ大会”です。是非大通に来られる方はご参加下さい。出場者にはけっこうもらうとうれしい商品が当たるようです!

今回も私たちスタッフはピンクのTシャツで参加します。札幌西ロータリークラブの皆さん、いつもご寄付いただきありがとうございます!

そして今年もう一つの注目は、ピンクリボン in SAPPORO特製のピンクリボンバッジがついにお披露目になることです。今日見てきましたが、なかなか完成度が高く、おしゃれなデザインになっています。販売価格は当日まで公表できませんが、値段以上の価値はあると思います。是非ご覧になってみて下さい。

今のところ当日の天気は雨ではないようです。好天に恵まれると良いのですが…。ただあまり熱いと私たちの施設恒例の着ぐるみ(タッピー)の中の人(研修医のY先生)が熱中症になってしまいますのでほどほどが良いですね!

2016年7月24日日曜日

乳頭温存皮下乳腺全摘術(NSM)は乳腺全摘だから局所再発しない?

今年の乳癌学会で、「乳房温存術か乳房再建術か?」というセッションがありました。

このセッションの中で、乳頭温存皮下乳腺全摘術(以下NSM)による一次一期再建は、温存術+放射線治療に比べ、”局所再発がない”というのが利点の1つだというお話がありました。

たしかに乳腺を”全摘”していれば、早期がんであれば局所再発はほとんどありません。しかし、実際に行なわれているNSMのほとんどは、真の”乳腺全摘術”ではありません。乳がんのオンコロジーをきちんと理解している乳腺外科医であったとしても、乳頭・乳輪直下の乳腺組織はわずかに残す(乳頭・乳輪の血流を保つため)のが基本であり、また通常の乳房切除術より皮下組織を厚めに残すことが多いですのでここでも乳腺がわずかに残る可能性があります。それでもほとんどの乳腺を切除していますので局所再発率はかなり低いとは思いますが、厳密に言うと”乳腺全摘”ではありませんので局所再発率は0%にはならないのです。

それ以上に問題だと思うのは、少なくともいくつかの施設で”皮下乳腺全摘術”と言いながらかなりの乳腺を残していることです。なぜそう思うのかと言いますと、北海道から本州まで行ってこの手術を受けてから戻ってきた患者さんを2人診療したことがあるのですが、2人とも切除標本の病理写真を見る限り全摘したとは到底思えないような切除乳腺だったからです。この標本ではほとんど部分切除(温存手術を少し大きくしたような)にしか見えないような感じで明らかに乳腺が残存しているはずです。これが全摘か…とびっくりしました。

この患者さんたちは、1人は”浸潤巣で断端陽性”だったためこちらで放射線治療を受けるように言われて戻ってきました。もう1人も乳管内進展で断端陽性だったため追加切除を行なっていましたが本当にそれで完全切除になったかどうかは不明です。いずれの施設もこの術式を数多く行なっているようですので、これで善しと考える流れが一部にあるのだと思います。ということは同じような考えを持った施設が他にもあるのかもしれません。もちろんこれは例外的な施設での手術であり、ほとんどの施設ではがんを残さないような配慮と説明をした上できちんとした手術をしていると信じています。

整容性を考えたら皮下組織は厚く残す方が良いに決まっています。しかし、あくまでもきちんとがんを切除することが前提のはずです。乳房温存術では完全切除できたとしても、残存乳腺からの多発がんの予防のために放射線治療を追加することが原則となっています。それなのにNSMで乳腺が多量に残存している場合には放射線治療は必要ないのでしょうか?にもかかわらず局所再発はないと断言できるのでしょうか?まあ整容性を重視するからNSMをするわけですので、全例放射線治療を加えたら整容性を損なうことになりますから明らかな遺残がない限り照射を併用しないのはある意味当然です。ただ乳腺全摘だから局所再発をしないという考え方はこの術式においては明らかな間違いであり、慎重なフォローが必要だということを執刀医は理解し、患者さんにも説明すべきだと思います。

根治性と整容性を両立させるのはなかなか難しいことです。私が診療した患者さんたちがきわめて稀な症例であることを願うばかりです。