2013年8月25日日曜日

「第10回 With You 北海道~あなたとブレストケアを考える会〜」 終了!

昨日は札幌医大で「第10回 With You 北海道~あなたとブレストケアを考える会〜」が行なわれました。今回のテーマは「乳がん患者をサポートする」でした。


私たちスタッフは11:00に集合しましたが、今回は医大のK先生プロデュースのラベンダー色のTシャツが全員に配られました(写真 自宅で撮影したのでちょっと色が変かもしれません…汗)。ピンクというよりは紫に近い色ではありましたが、とてもきれいな色でデザインも素敵でした。K先生のセンスの良さを伺わせる作品ではないかと思いました(笑)


イベントは12:30開始。会場は昨年より多くの患者さん、ご家族、医療関係者が集まっていたのではないかと思います。特に今回は男性(おそらく患者さんのご主人)が多かったような印象を受けました。

特別講演を含めた講演は、盛りだくさんの5つでした。

・「乳がん最新治療」…パージェタ®(一般名 ペルツヅマブ)などの新薬やインプラントを用いた乳房再建が保険適用になったお話などをわかりやすく説明されていました。
・「がん治療の公的制度と医療保険」…普段私たちがわかっているようで十分にわかっていない医療制度に関するお話が聞けました。
・「10回目の With You Hokkaido を開催するにあたって」…今までの全国、北海道のWith Youの歴史についてビデオも交えて振り返ることができました。また今後の課題についての提案も出されましたので来年のWith Youは北海道から変化していくかもしれません。
・「がんになった親とその子供に対するサポート」…演者の先生のアメリカでの経験も織り交ぜながら、がん患者の親を持った子供に対する心身のケアと実際の活動について解説していただきました。なかなか心配りができていなかったことをあらためて知る機会になり、今後の私たちの医療活動にも貴重なヒントをいただきました。
・「がん患者の就労支援、現状と課題」…CSR プロジェクトの活動内容と日本のがん患者の就労状況について、内容はシビアではありましたがユーモアを交えた楽しい語り口で説明して下さいました。


そして今回の私のグループワークの担当は「再発後の不安・治療」でした。毎回このセッションは大変緊張します。私の役割はファシリテーターと言って、患者さん同士の会話がスムーズに進行するように補佐する仕事です。医療従事者、特に医師がその場にいるとどうしても医師に対する質問コーナーのようになってしまったり、1人の患者さんばかり話してしまって、まったく話に参加できない患者さんがいる状況になってしまうこともあります。この調整がなかなか難しく、私は下手なのです(汗)

今回のこのグループの参加者はスタッフ5人、患者さん5人、患者さんのご主人1人でした。最初に自己紹介をしていただきましたが、それぞれがけっこうシビアな再発状況にあることがわかりました。なんとかこのグループワークで自分の状況改善のヒントを得たい、救いが欲しいという思いを強く感じました。予想以上に厳しい状況で、話し合いが始まる前から涙を流す患者さんもいらっしゃり、私はさらなる緊張感を覚えたのですが、幸い再発後長い経過の方もいらっしゃった関係もあり、かえって皆さんが自主的にお話を進めて下さるという形で進むことができました。

具体的な内容については割愛しますが、私たち医療従事者(乳腺外科医、緩和治療医、精神科医、看護師など)が、再発患者さんの心のケアを十分にできていないという現状をあらためて強く感じました。うつ症状に対しては医師は薬を処方するだけ。でもそれよりも犬を飼ったり、同じような再発患者さんとお話しできる方がずっとこころの癒しになっているということがわかりました。私たち医療従事者はこのような状況をもっと理解していく必要があるようです。進行役の私の役目が十分果たせたかどうかわかりませんし、患者さんたちももっと話をしたかったような感じではありましたが、このグループワークに参加して良かったと少しでも思っていただけたらうれしいです。

今回で10回目を迎えたWith You 北海道ですが、さらなる進化を遂げて、少しでも多く患者さんと医療従事者の垣根を取り払う役目を果たしていきたいと考えています。

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