2016年8月10日水曜日

黒松内での講演

先週の金曜日に黒松内に行ってきました。

黒松内に行ってきた経過はちょっと複雑ですが、今回は町の保健師さんたちとの懇談と乳がんについての講演が目的でした。そもそものきっかけは以前ここでも書いたと思いますが、黒松内には対がん協会が出張検診に行っていないということを知って、私たちの診療所がある地域ということもあってなんとか私たちで検診にいけないものかと検討したことがきっかけです。結局民間の検診センターがすでにマンモグラフィ検診に来ていることが判明して、私たちがマンモグラフィ検診に行く計画は頓挫したのですが、超音波検診の需要はないのか、乳腺外科の特診の必要性はないのかを探ることも視野にいれての出張でした。

金曜の午前外来を終えてから事務次長と一緒に黒松内(札幌と函館の中間くらいにあります)に向かい、到着してからはまず黒松内町の保健福祉センターの職員と診療所の職員を交えての懇談が行なわれました。人口減少が深刻な地域ですので超音波検診の必要性は微妙ではありますが、検診センターのマンモグラフィ検診で要精検になった方への精査や乳がん術後の患者さんに対する医療相談、そして老人保健施設で働く職員などに対する超音波検診などでお役に立てる可能性はあるのではないかという手応えは感じました。

今年度は町の補助を受けての検診は困難ですが、診療所の特診としてまずは一度行ってこようと考えています。そこで実績を作り、必要性があるとなれば本格的に黒松内町の乳腺診療へのアプローチを強めようと思っています。

懇談が終わってからは、町の職員や診療所の職員、地域の住民を対象に乳がんについての講演をしてきました。乳がんの現状、診断から最新の治療、そして乳がん検診の重要性などについて約1時間お話をしてきました。地元の方の参加が少なかったのは残念ですが、30人弱くらいの人にお話を聞いていただきました。

終了後は宿泊先の旅館で、たまたま翌日のリウマチ特診に来ていた院長と診療所の職員、7人で会食をしました。ちょうど初物のアユが取れた日でしたのでアユの塩焼きやヤマメの天ぷらなど、美味しい食事をいただきながら親睦を深めました。

北海道には、過疎の進む市町村がたくさんあります。日常の診療も検診もままならない医療過疎地です。そのなかのいくつかには私たちの医療機関の診療所があります。このような地域に少しでも乳腺診療が行き届くようにしていくのがこれからの私の役目だと思っています。まずは年内に黒松内での特診を行ないたいと思っています。

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