2016年10月30日日曜日

患者会1泊温泉旅行 2016 in ”美唄 ピパの湯 ゆーりん館 & ファイターズ優勝!

昨日から1泊で恒例の患者会温泉旅行に行ってきました。

今回は美唄市にある”ピパの湯 ゆーりん館”でした。個人的にはかなり前に日帰りで一度行ったことはありますが泊まりは初めてでしたので楽しみにしていました。バスでホテルに向かう途中で”アルテピアッツァ美唄”とというところに寄りました。ここは彫刻家・安田侃(かん)さんの作品が展示されている施設です。廃校になった小学校の敷地の中に大理石などで作られたオブジェが点在していて木造の校舎や体育館の中にも多数の作品が展示されていました。自然と懐かしい建造物と現代彫刻の調和を見ることができてなかなか良かったです。



ホテル到着後は温泉につかってのんびりしました。ここの泉質は弱アルカリのナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉です。弱アルカリのせいか肌がツルツルになりました(笑)。露天風呂は青の洞窟と呼ばれる夜間は青くライトアップされるお風呂もあってなかなか良かったです!

18時からはいつものように宴会が始まりました。今年はN先生のご主人と赤ちゃんも参加していただき、30数人での宴会となりました。ビンゴゲームとカラオケで盛り上がりながらも例年と比べるとなんとなくそわそわした感じがありましたが…そう、日本シリーズの第6戦が重なってしまったからでした(笑)。それでも恒例のG先生、外来のO師長の歌と踊りに加え、患者さんのKさんの演歌、若手Nsと事務のAKBとなかなか皆さんお上手でした(写真)。



部屋に集まっての二次会では、お酒を飲みながらファイターズの応援で盛り上がりました(写真)。

レアードの満塁ホームランの時は一番の歓声があがりました。勝利を確信することができたからか、そのあとは落ち着いて見ることができました。そしてついに10年ぶりの優勝!!今年のファイターズは本当にファンを長い時間楽しませてくれました。患者さんの中にもファイターズの大ファンは多いです。春のキャンプにまでついて行く方もいらっしゃいます。今回集まった患者さんたちの中にもファイターズの熱心なファンが多かったので、今年の温泉旅行はとても思い出深い旅行になりました。

今朝は回診があったので私は別行動で病院に帰りました。自宅へのお土産は最中にしました(写真)。もともと最中は特に好物だったわけではないのですが、この最中は地元の老舗で作られているということと、今年から飼い始めた犬(マルプー)の名前が”もなか”(色が最中に似ているので娘がつけました)だったことで決めました(笑)。帰ってからさっそく食べましたが、とても美味しかったです!もなかには最中の皮の部分だけあげましたが、気に入ってくれたようです!



寝不足でかなり疲れましたが、今年の旅行も楽しかったです。患者さんたちも喜んでくれていたらうれしいです!

2016年10月27日木曜日

乳腺術後症例検討会 46 ”ついに第100回!”

今日は定例の乳腺術後症例検討会でした。

私がG病院の研修から帰って不定期で始めた術後検討会が定例になって今回でようやく100回を迎えました。記念講演会は11/2に予定していますが、今日はいつもの症例検討会でした。

症例は4例。最終的に吸引組織生検で診断のついた、わずかに浸潤を伴っていた非浸潤がん主体の病変、対側の乳管内乳頭腫フォロー中に診断された小さな硬がん症例、嚢胞内病変に石灰化を伴っていた炎症を伴った乳管拡張症の症例などの症例でした。いずれもなかなか悩ましい画像所見の症例でした。

今回は100回記念ということで、いつも参加して下さっている業者さんが記念のケーキをプレゼントして下さいました。会の終了後、参加者で記念撮影をして第100回の症例検討会は無事終了しました。



11/2はいよいよ記念講演会です。今回は招待演者としてG病院研修中に大変お世話になった乳腺超音波検査の第1人者のSさんに講演をお願いしています。市内の施設にご案内したところ、非常にたくさんの方々にお集まりいただけることになりそうです!

2016年10月16日日曜日

ジャパン・マンモグラフィ・サンデー(J.M.S)&ファイターズCS優勝!

今日はJ.M.Sの乳がん検診がありました。

今回は私が関連病院、N先生が本院の検診担当でした。今日の検診患者さんの中には触診で明らかな乳がんを疑う方はいらっしゃいませんでしたが、久しぶりに受ける方や今まで他院で受けていた方がこちらで初めて受けるというケースがそれなりにいました。

最近外来には、”○○クリニックにいつもかかっているのに、予約の電話を入れたら、来年3月まで予約が入らない”という患者さんが増えているようです。やはり心配していたように、小林麻央さんのニュース以降、乳腺外来はかなり混雑してきているようです。私たちの外来にも半年前に検査をしたのに気になる症状があるなどの受診が増えていますし、検診の依頼も増えています。

患者さんがかかりやすいように門戸を開くことは大切なことではありますが、乳腺外科医の数も多いわけではありませんので限界はあります。もし検診などで精査となった場合、その結果に納得できなくて他の施設に受診するより前に、まずは納得いくまでその精検施設で説明を受けて下さい。その上でも納得できない場合はセカンドオピニオンを考えても良いと思いますが、十分に説明を受けずにドクターショッピングのような形でいくつもの施設で同じ検査を受けるのはお勧めできません。

今日は日本ハムファイターズがクライマックスシリーズ(CS)を突破しました。スーパーマンの大谷選手、そして若手期待度No1の岡選手も活躍してくれての大逆転勝利!とても興奮する試合でした。再来週末は患者会の温泉旅行です。どうやら日本シリーズ第6戦は、患者さんたちと一緒にファイターズの応援をすることになりそうです!

2016年10月6日木曜日

地域婦人部の医療講演会

ピンクリボン in SAPPOROで中心となって活動されているHS病院のO先生のご依頼で、自宅近くの地域婦人部対象の医療講演会をしてきました。

一度病院に行って回診終了後に会場に車で向かいました。あいにくの雨模様でしたが、参加者で会場はいっぱいでした。

スライドは先日黒松内で使用したものを少し手直ししたものでしたが、USBで持っていったパワーポイントが会場のPCでなぜか認識されず、かなり焦りました(汗)。結局事務室のPCでDVDに書き込んでから会場のPCに移す作業を行なってなんとか開始できました。

お話しした内容は乳がん一般の話です。乳がんの現状、検査から治療、乳がん検診の話まで比較的広い範囲で最新の情報も交えてお話ししました。持参した触診モデルも参加者のみなさんに触っていただき、けっこう反応は良かったようで安心しました。

予定では40分くらいで終了して質問に答えようと思ったのですが、話し終わった時点ですでに予定の60分を過ぎてしまいました。それでも2、3のご質問にお答えすることができました。

やはり最近の小林麻央さんの件も影響してか、地域住民の乳がんに対する関心は大きいようです。市内でも乳腺外来がパンクしている医療機関もあるようです。私の病院ではまだ受け入れの余力はありますが、それでも受診の問い合わせは増えているようです。いつも思うのですが、このような乳がんに対する関心がブームのような形で終わるのではなく、国民の意識に長く定着することを願っています。日本の乳がん検診受診率はまだ欧米の半分程度です。これでは乳がん死亡数は減少しません。まだ検診を受けたことがない友人がいらっしゃったら是非声かけをしていただければと思います。

2016年9月25日日曜日

小林麻央さんのブログ「KOKORO」を読みました

はじめて小林麻央さんのブログを拝見しました。

もちろんYahoo!ニュースは毎日見ているので、麻央さんのブログの内容についてはだいたいは知っていました。ただ何となくブログ自体は見ていなかったのです。

乳がん患者さんのブログは数多くあり、私のこのブログやSNSを通して知った患者さんのブログを読ませていただくことは今までもありました。ただなぜか小林麻央さんのブログは今日まで見ることができませんでした。

自分でもどうしてなのか確かなことはわかりませんが…。思い当たる理由は2つあります。

1つ目の理由は麻央さんの診断経過で、人間ドックで乳がんが疑われたにもかかわらず、最初の精密検査で診断できず発見が遅れたことです。麻央さんにとって非常にショックなことだったと思いますし、セカンドオピニオンを受けていればというお気持ちはとても理解できます。でもこのようなニュースが流れると、私たちが明らかに精査で異常なしと診断した方々の中にも不安になってしまう方が増えてしまう可能性があります(芸能人の方の乳がんのニュースの影響はかなり大きいのです)。それらの方々がセカンドオピニオンや他の施設での再検査を希望してしまうとそれでなくても混雑している日本中の乳腺外来がパンクしてしまいます。それが少し憂鬱だったということが自分の中ではありました。

もう1つの理由は、私自身が小林麻央さんの隠れファンだったからです。海老蔵さんの会見からは、かなり深刻な状態ということが推測されましたので、見るのが少し辛かったのかもしれません。

そのような理由ですっかり遅れてしまいましたが、ようやく今日拝見することができました。

ブログには、辛かったであろう診断経過についての内容や、さりげない入院生活のこと、ご家族のことなどが書かれていますが、ご自身の辛いお気持ちはできるだけ抑えて明るく書かれているのが印象的でした。ここに至るまでには、相当辛い時間を過ごしたことと思います。いまも辛い治療の真っ最中であるにもかかわらずこのようなブログを書く気持ちになれたのは、主治医の先生からの声かけはもちろんあると思いますが、麻央さん自身の強さと聡明さ、そして周りの人への優しさがあってのことと思います。

最近、私の病院の患者さんたちを診ていて、がん患者さんは”どのような治療を受けたいか”ということももちろん大切ですが、”どう生きるか”ということはもっと大切なんだと感じています。ご自身で抗がん治療のやめ時やそれまでの間やその後の過ごし方をきちんと考えていている患者さん、これ以上の積極的な治療はかえって逆効果と考えられるため緩和治療へのシフトを勧めても、抗がん治療をやめることは生きる気力を奪うことだと考えて、1%でも延命効果があれば辛い治療を受けるとおっしゃる患者さん…。どちらが正しくてどちらが間違っているということではありません。ただ後者を選択された場合は、自分のいたらなさを感じてしまいます。説明の仕方が悪かったのではないか?患者さんが正しく理解していないことに気づかずにそれを訂正できなかったからではないか?と。でも十分に時間をかけてご説明して納得されていても最終的に後者を選ばれる患者さんは確かにいらっしゃるのもまた事実です。

私たちは、医療者としてベストと思われる治療選択を患者さんに提示することしかできません。患者さんにはそれぞれの思想信条や生き方があります。麻央さんにも大切なご家族がいらっしゃり、仕事に関してもやりたいことはたくさんあると思います。一日も早く病状が落ち着いて、麻央さんにとって充実した時間が過ごせるようになること、そして信頼されている主治医の先生とご相談しながら、ご家族と一緒に納得のできる治療、生き方を続けていかれることをお祈りしています。

2016年8月28日日曜日

第14回日本乳癌学会北海道地方会

昨日は乳癌学会の地方会でした。

朝9時から夕方5時までびっしりだったのでちょっと疲れましたが、なかなか興味深い発表もあり勉強になりました。私も3-4回質問もしましたが、活発な討議が行なわれていました。

教育セミナーやランチョンセミナー、特別講演、コーヒーブレイクセミナーも知識の整理に役立ったと思います。教育セミナーでは質問したかったのですが、時間の関係で遠慮してしまいました。この症例は、胸骨傍リンパ節と鎖骨上リンパ節に転移があった症例で、術前化学療法で完全寛解が得られた症例だったのですが、腋窩郭清を行なうことに対して異論は出ませんでした。もちろん私も異論があるわけではないのですが、よく考えてみると腋窩リンパ節転移だけであればこれで良いのですが、いくら腋窩リンパ節郭清をしても胸骨傍リンパ節と鎖骨上リンパ節の転移があったリンパ節は残るわけですし、術後に放射線治療を行なう予定なのですから腋窩郭清もせずに全部放射線治療でも良いという考え方もありうるのかどうかを聞いてみたかったのです。あとでうちの乳腺センター内でカンファレンスをしてみたいと思っています。

私たちの病院からは、G先生と後期研修医のNS先生が演題を発表しました(2人とも一番最後のセッション)。私はNS先生のサポート、N先生は出産から復帰後間もないこともあり今回は発表を見送りました。2人の発表自体は珍しい症例報告ということもあり特に問題なく終了しました。



9月は院内のCVポートの学習会、10月はHS病院のO先生に頼まれた市民講座、11月は乳腺症例検討会の100回記念講演会があります。その他にも製薬会社からの社内講演が2件予定されています。12月中には来年の乳癌学会の演題締め切りがある予定です。まだ何も準備していません(汗)。そのそろ取りかかろうと思っています。

2016年8月21日日曜日

「第13回 With You Hokkaido~あなたとブレストケアを考える会~」無事終了!

昨日、札幌医大の大講堂で「第13回 With You Hokkaido~あなたとブレストケアを考える会~」が開催されました。



開場時間直前から台風の影響で大雨になってしまい、欠席される人が多いのではないかと心配しましたが、昨年より多くの方に集まっていただくことができました。

今年もまず最初にグループワークが行なわれました。ここ数年は再発治療や緩和治療のグループが続いたために、3年続けて同じ患者さんが私のグループに入ってしまって申し訳ないと思っていましたので、グループ担当を決める際に今年はなるべく重複しないようにH病院のK先生に配慮していただきました。ということで今年は”治療中の仕事や経済的な悩み”のグループを担当することになりました。

医療従事者は私の病院の医療福祉課の課長のFさん、そして今は小樽の病院で緩和ケア認定看護師をしていますが17年くらい前に私が勤務していた病院で一緒に働いていた看護師のIさんと私の3人でした。患者さんは、がん患者歴の長い患者さん1人(私の患者さんでした…汗)と乳がんと診断、治療を受けたばかりの患者さん3人の計4人でした。人数的にはちょうど良いくらいで、比較的バランスよく皆さんに話をしていただけたのではないかと思います。満足していただけたらうれしいのですが…。

そのあとは大講堂に戻って私の恩師の元G病院のK先生の開会のご挨拶に引き続き、特別講演が2題。S医大のS先生による”乳がん治療最新情報”は、新しい治療薬についてだけではなく、がん相談業務や遺伝子診断、ネットの活用法などのお話も含めて多岐にわたる内容でしたがわかりやすいお話だったと思います。乳がん体験者のTさんによる”乳がんになっても私らしく行きたい”のご講演では、結婚したばかりで乳がんになったショックやご家族との関わり、そして職場にどのように伝えて理解してもらい乗り切ったかなどの貴重な体験談をお聞きすることができました。

続いて行なわれたのは”聞かせて!あなたの治療と生活・仕事両立方法”というテーマのパネルディスカッションでした。



パネルディスカッサーは、Tさんと、同じ乳がん体験者のSさん、私の病院のFさんと私の4人で、司会はSS病院のO先生でした。この間、O先生と何度もメールのやり取りをしたり、メンバーで打ち合わせをしたりしてきたのですが、私自身、得意と言える分野の内容ではありませんでしたし、何度打ち合わせをしてもスライドのチェックをしても実際は当日になってみないとわからない感じでしたので始まるまでとても不安でした。でもさすがO先生、見事な司会ぶりでスムーズに進んだのではないかと思います。体験者2人のお話は、きっと集まった人々の心に響いたと思いますし、無料低額診療制度というシステムがあることをお知らせできたことは、もしかしたら経済的に困難を抱えている患者さん(患者さんや医療関係者の知り合いのがん患者さんも含めて)にとって役に立つ情報になったのではないかと思います。

その後は乳がん患者会の活動報告と各地のWith Youの報告があり、閉会となりました。毎年K先生を始め、本州から手弁当(無報酬)でこの会を手伝うためにスタッフが北海道に来て下さっています。悪天候の中なんとか到着できましたが、無事帰ることはできたのでしょうか?ずっと天候が悪いのでちょっと心配です。

今年の反省も踏まえて、来年はさらに多くの方々に集まっていただけるような会になることを願っています。