今日は月1回の乳腺症例検討会がありました。院内外の乳腺外科医、病理医、超音波技師、放射線技師などが集まって定例で行なっていますが、最近ちょっと参加者が少ないのが気になっています。特に院外からの参加者が少ないのです。今までは冬で交通の問題があったせいかと思っていましたが今日は晴天だったにもかかわらず院外からの参加者は0でした。なにか開催内容や方法に問題があるのではないかととても気になっています…。
今日も症例は4例。非浸潤がんを疑ったけど炎症性偽腫瘍だった症例、短期間の内分泌療法で病理学的に変化が現れた可能性のある症例、線維腺腫の石灰化のように見えた非浸潤がんの症例、扁平上皮がんの成分を有していて急速に増大した症例の4例でした。画像的に特にすごく問題になるような症例はありませんでしたが、3例目は石灰化がなければ超音波での描出は難しそうな症例でした。 ミニレクチャーは1例目の炎症性偽腫瘍についてで、担当の超音波技師のスライドを用いた説明と病理医の英文の文献を用いた解説がありました。今回の症例はどのような経過でできたのかは不明ですが、MRで拡張乳管が写っていたため、乳管拡張症をベースにして発症したのかもしれません。
もともとは病院内のごく一部で始めたこじんまりした検討会でしたが、技師さんたちの熱心な努力によって年月をかけて徐々に広めてここまできました。来年の春には新病院が完成し移動になります。私はこれまで乳腺センターの活動をもっと病院内(関連病院も含めて)や地域に認知してもらうためにもこの症例検討会を発展させたいと思ってきました。そのためには、この会の開催形式をきちんとすべきです。今までは”乳腺チーム”という、正式ではないぼんやりした集団としての活動でしたが、新病院ができるのに合わせて当院の乳腺センターとしての正式な活動に位置づけようと考えたのです。それは病院HPなどでの対外的な広報上の意味もあり、病院内の案内や時間外勤務の扱いなどのシステム上もその方がすっきりするからです。ただいろいろな問題もあって簡単ではないようです。今まで以上に発展させるためのシステム作りだと思っているのですが…。
4 件のコメント:
友人が3年前に、2.5センチの乳がんがみつかり、乳房温存手術をうけ、放射線治療、ホルモン剤治療をうけて、術後2年で、炎症性再発となりました。
昨年6月から抗がん剤治療をうけ、幸い効果があって、8クール行いました。今は、野バるティクスとは違うホルモン療法を行っていますが、主治医から全摘手術を勧められています。
転移は今のところありません。
全摘が最善の方法なのでしょうか?ネットで論文を探し回っていますが、炎症性再発だと、情報が少ないです。生存率に差がないのであれば、生活の質が下がってまで、全摘手術をすることないのではという疑問があります。
>匿名さん
はじめまして。
実際に診ていませんのでなんとも言えないのですが、他の臓器に再発はなく、局所だけの問題で手術で根治できる可能性があれば切除してもよいのではないかと思います。ただ、炎症性乳がん様再発は、切除しても再再発する可能性も高いですので全身療法を併用した上でというのが原則です。切除が最適な判断かどうかは、完全切除できる可能性が高いのかどうかによると思います。
hidechin先生
お仕事でお疲れのところ、早速お返事くださいまして、本当にありがとうございました。
全摘手術について主治医に返事するまで1週間とのことで、友人も私も判断できる情報を探し回っております。
がん細胞は完全消失とまではいってませんが、縮小し、抗がん剤とホルモン剤の効果があると言える程度だけれど、ホルモン療法をやめると、また再発が心配されるということで全摘を勧めますということでした。
炎症性再発の当初は、手術できる状態ではありませんと言われていました。
ご意見いただいて、本当に助かりました。ありがとうございました。
表示できるログイン名など持っていないので、匿名にさせていただきました。失礼いたしました。
>匿名さん
治療がうまくいくことをお祈りしています。
お大事に!
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