2012年7月7日土曜日

乳がんのMR診断

今日、N社の講演会に行ってきました。今回の講演は静岡がんセンターの植松孝悦先生による「乳癌診療におけるMRの役割」という内容でした。

上野先生は、放射線科医でありながら、乳腺の画像診断のみならず、画像ガイド下生検まで行なっていて、英文の論文を相当書いておられる先生です。同年代ですが、私の今までの仕事の内容とのギャップにショックを受けました(汗)

ご講演の内容は非常に興味深いものでした。私はMRの基礎的なことにはあまり詳しくありませんが、そんな私でもわかるようにお話しして下さいました。

3.0T(テスラー)のMR画像診断の特徴と問題点(プロトコールの改良によって改善)、画像のいくつかの特徴的な所見(clustered ring enhancementなど )と病理診断、閉経前女性の月経周期に伴うback ground enhancement(正常乳腺の非特異的な染まり)について、術前化学療法の効果判定と効果予測、T2画像の重要性について、MR所見と予後予測因子について、MRで描出された他の病変に対するsecond look US(MR撮影後の2回目の超音波検査)の有用性についてなど多岐にわたるお話でしたが、日常診療にすぐに役立つ内容でした。

講演後には、数人(G先生も含めて)から質問が相次ぎました。G先生は私も聞きたかった、MRで偶然写った副病変に対してどうすべきか?ということを聞いてくれました。最近、そのような患者さんが何人かいて、超音波検査で写っていない場合もありますし、あまりに小さくて多発している場合は全部超音波検査で探して細胞診をするのも現実的ではありませんので、小さな病変はフォローで良いのではないかという植松先生のお答えに安心しました。

MRはこれからも進歩し続ける画像診断法だと思います。今まで以上に様々な情報が得られるような改良を期待したいです。

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