2015年4月22日水曜日

乳腺術後症例検討会 39 ”乳房再建のお話”

今日は定例の症例検討会が行なわれました。

今回は、まずN先生による乳房再建のミニ講演がありました。症例検討会は、主に画像診断と病理の対比を行なって、乳腺疾患の診断技術や知識を研鑽する場ですので、乳房再建の話題は直接は関係ないのですが、最近一次再建を行なう症例が増えてきたこともあり、乳腺疾患に関する一般的な知識を拡げるという目的でN先生に依頼されたようです。

講演の内容は、乳房再建の種類や適応、当院で行なっている一次再建の術式、その後の流れ、そして合併症などについての一般的な内容をわかりやすく解説してくれました。

症例検討は2例でした。1例目は画像診断で選択肢に挙げるのが難しかった乳腺原発悪性リンパ腫の症例でした。いつもいつも悪性リンパ腫は忘れたころにやってくるので、病理検査前に疑うことができた症例は今までほとんどありません。これが悪性リンパ腫の特徴だというものがないのが悪性リンパ腫の特徴です。でもほとんどの症例では悪性を否定できない画像所見を呈するので、良性として経過観察してしまうことは今までのところはなかったと思います。

2例目は、検診マンモグラフィで左乳房に良性を疑う腫瘤を指摘されて精査になった症例でした。精査の結果、左は粘液を貯留した良性の嚢胞でしたが、超音波検査で偶然右乳腺内に乳管拡張集合像を指摘し、針生検の結果、非浸潤がんの診断となりました。やぶにらみで乳がんを発見できたケースでしたが、この手のタイプの非浸潤がんはマンモグラフィで指摘することはなかなか難しいと思います。

来月は、外部から細胞診のスペシャリストであるI先生をお招きして講演していただく予定にしています。G病院で研修中に私やG先生も大変お世話になった先生です。お話もとても面白いので今から楽しみにしています。

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