2014年4月27日日曜日

乳腺術後症例検討会 32 ”2014年度初!”

先週の水曜日はいつもより1週早い症例検討会でした。本当はG先生にマンモグラフィ診断の基礎についての話もしてもらう予定だったのですが、1週早まったためにG先生の予定と重なってしまい今回は3症例の検討だけになってしまいました。

そんなこんなで今回は参加人数は少ないかと思っていたのですが、関連病院の技師さんたちの参加人数もいつもより多く、他施設の技師さんたちも多く参加してくれたので結構な人数が集まりました。

今回の症例は、皮膚肥厚を伴った硬がん症例、非浸潤がんのような超音波画像を呈した高齢者の陳旧性線維腺腫の症例、淡い微細石灰化の出現で検診発見され、当初非浸潤がんも疑われた硬がん症例の3例でした。特に珍しい組織型ではなかったのですが、活発な意見交換で盛り上がりました。

今回初めて参加してくれたK病院の放射線技師さんたちは、とてもよく勉強しているようで積極的に的確な意見を述べてくれました。K病院と言えばH大同期のH先生が乳腺外科医をしている病院です。次回は是非H先生もご一緒に参加して下さいとお伝えしました。ちなみにH先生はE先生のいるD病院の院長のH先生の弟さんです(笑)。

来月はG先生のマンモグラフィ診断の話と症例検討です。また今回のように多くの参加者が集まることを期待しています。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

hidechin先生、はじめまして。
乳がんのことを いろいろ検索して、こちらにたどり着きました。
アドバイス頂ければ、嬉しいです。

先月に非浸潤がんの手術を受けました。
病理結果は以下の通りです。

組織型、、、非浸潤性乳管がん
大きさ、、、4センチ
リンパ節転移、、、0/1 でナシ
ホルモン受容体、、、ER +
PgR +
HER2タンパクの発現の有無、、、0
核異型度、、、1
切除断端、、、陽性
脈管侵襲、、、陰性
Ki67、、、、5%
切除断端の陽性の数は聞いてません。

術前検査では4ミリとなっていたのに、術後4センチと聞いて、驚きました。
主治医の先生は、切除断端の一部が陽性なだけだから、再手術ナシで、放射線とホルモン治療で大丈夫と仰ってますが、心配です。
切除断端のどれくらい陽性だったら、再手術を進めますか?
アドバイス頂ければ幸いです。

匿名 さんのコメント...

先ほど コメントさせて頂いた匿名の者です。
すいません。
最初スマホで閲覧していたため、コメントに対する注意事項を知りませんでした。
お詫び申し上げます。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
はじめまして。断端陽性の場合の考え方は施設によっても若干の差がありますことをまずご理解願います。

乳癌診療ガイドライン2013年度版には、”乳房温存手術において断端陽性と診断された際に、外科的切除は勧められるか?”というCQに対して、「がん遺残の量が多いと予測される時には、外科的切除が勧められる(推奨グレードB…科学的根拠があり、実践するよう推奨する)」、「がん遺残の量が少ないと予測される時には、適切な術後療法で局所制御が可能な場合がある(推奨グレードC1…十分な科学的根拠はないが、細心の注意のもと行なうことを考慮しても良い)」となっています。

問題になるのは、がん遺残の量が多いと予測される場合はどういう場合かということですが、明らかな定義はありません。ガイドラインの説明の文中、および経験上からは、明らかに断端にがんが露出している場合や多切片(2カ所以上)の断端陽性の場合は、がんの遺残が多い可能性があると考えるのが一般的だと思います。

またひとつ追加しますが、ガイドラインの説明文中には「非浸潤がんは完全に切除できれば100%根治できる病態である。非浸潤がんが局所再発を起こした場合はその約半数が浸潤がんを伴って再発する。したがって主病巣が非浸潤がんの場合に断端陽性と診断された際は、そのリスクを十分説明したうえで治療方針を検討すべきである」と書いてありますのでご参照下さい。

私自身は以上のご説明をした上で最終的には患者さんのご意向も考慮した上で追加切除をするかどうかを判断しています。
以上です。

匿名 さんのコメント...

hidechin先生
コメント欄にもかかわらず、丁寧にお答え下さって、本当にありがとうございます。
一度は再手術ナシで決めかけていましたが、やはり心のモヤモヤが晴れず、質問させていただきました。
再手術も検討したいと思います。
本当にありがとうございました。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
主治医の先生とよくご相談の上でご判断下さい。
それではお大事に。