2015年2月18日水曜日

某国出身の乳がん患者さん

最近、私たちの病院で某国(以下A国)出身の女性が乳がんと診断されました。

現在は日本在住で国籍も日本になったようですが日本語はほとんど話せません。N先生が外来で対応したのですが、病状を説明する際は通訳の方がいらっしゃったのでなんとかなりましたが、問題は入院中の対応です。手術などの説明の際は通訳の方が同席してくれますが、もちろん一日中ついてもらえるわけではありませんので、看護師さんもわれわれ医師も細かい対応に不安があります。

大学病院などにご紹介することもお勧めしたのですが、大学でもA国語を話せる人が常にそばにいるわけではなく、ご本人もご主人も当院での治療を希望されたため、病院として責任持った対応が可能かどうか師長室が中心となって協議しました。また病棟でも看護師、医師などが集まり、カンファレンスを行ないました(私は別の予定が入っていて参加できませんでしたが…)。

結果的には、病院の許可をいただき、その患者さんを迎えるにあたっての作戦(翻訳ソフトを乳腺センターのiPADに入れるなど)をG先生、N先生が中心となって考えてくれています。それにしても最近は便利なソフトが手に入ります。この日A翻訳ソフト(日本語で話すとその日本語と翻訳したA国語が表示され、正しいことを確認してからクリックするとA国語で話してくれるのです)はなかなかの優れ物です。

ちなみに以前A国から治療に来ていた子供の治療にあたった経験のあるD病院のE先生に当時の対応をお聞きしたのですが、その当時は100枚くらいの文字ボードを作ってコミュニケーションを取っていたようです。おそらく今回も文字ボードも使うことにはなると思いますが、それに加えて最新の翻訳ソフトという武器があるのでとても助かります。

それにしても英語圏の国の患者さんであれば、院内にも英語が得意な人材はそれなりにいますし、片言であれば私たちでも多少はなんとかなるのですが、A国語となると文字を見てもまったく読むことも予測することもできません。本当に難しい言語です(汗)。実際に治療が始まると予想よりも大変かもしれませんが、スタッフの努力と工夫でなんとか患者さんとのコミュニケーションをうまく取りながら治療を進めて行きたいと思っています。

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