2015年6月13日土曜日

札幌乳癌カンファレンス 2015

今年で5回目を迎える札幌乳癌カンファレンスが昨日、よさこいソーラン初日でにぎやかな大通の某ホテルで開催されました。

毎年G病院病理部のA先生をお招きして行なわれるこの会は、乳腺病理の面白さと難しさを学ぶことができます。

今回は、まずA先生から、”筋上皮細胞の迷信”というご講演がありました。とても難しい内容ですので詳細は割愛しますが、良性の根拠になると信じられている所見(筋上皮細胞の存在)は必ずしも非浸潤がんの場合は当てはまらないことがあること(浸潤がんであれば筋上皮細胞は消失しているけれど乳管内の留まっている場合は残っていてもおかしくない)、非浸潤がんを今後もがんと扱うかどうかというとても難しいお話(他の臓器のがんではどうなっているか、新しいWHO分類についてなど)、最近話題になっている乳がん検診における過剰診断(良性をがんと診断しているわけではないので、この表現は誤解を招くとA先生はおっしゃっていました)のお話など、とても興味深い内容でした。

その後、症例検討を3例(1例はG先生が提示)行ない、A先生の解説(いつも短時間で相当細かく診断なさる姿に驚嘆します)を交えてディスカッションを行ないました。A先生のとても興味深いご講演で若干時間をオーバーしたこともあり、症例検討は駆け足になりましたが、いずれも興味深い症例でした(葉状腫瘍切除後の局所に線維腺腫の再発を繰り返す症例、命中しているはずの細胞診と針生検の結果が合致しない症例、前医でがんと診断されたけれど細胞の見直しで鑑別困難に変更になり、結果的に良性だった症例)。

終了後には、A先生を囲んで懇親会が行われ、楽しい時間を過ごしました。
来年もまたこの会が開催されることを願っています。AZ社の皆さん、よろしくお願いいたします!

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