今日、乳癌学会の地方会がありました。
私は他の学会が重なっていて外科医がいなかったため、関連病院の乳がん検診を終わらせてから午後の部から参加しました。午前中にN先生の症例報告の発表がありましたが、G先生によると質問に対する返答も無難にこなし、無事終了したようです。G先生は、午後から肝転移の長期生存例の報告をしましたが、こちらも順調に終了しました。
午後から聞いた中では、もともと自分のライフワークである再発治療のセッションはもちろんですが、若年女性に対する乳がん教育の効果の報告も興味深かったです。この研究の元になったアンケートは女子大生を対象に行なったようですが、高校生のうちから保健体育などで教育する機会を作るというのも良いかもしれないと思いました。また、肥満とアロマターゼ阻害剤の効果の報告もなかなか面白い研究内容だったと思います。アロマターゼは脂肪でアンドロゲンをエストロゲンに変える酵素ですので、その働きを阻害するアロマターゼ阻害剤は肥満の人では脂肪が多すぎるので効果が落ちるのではないか、ということを検証するのが研究の目的です。今回の発表では、有意差はありませんでしたが、アロマターゼ阻害剤を内服している患者さんにおいて肥満女性の方が予後が不良の傾向があったということでした。
途中、「コーヒーブレイクセミナー」で「アロマターゼ阻害剤の耐性機序」の講演がありました。基礎的なことは非常に難しいのですが、耐性には今のところ5つの機序が推測されているということで、それぞれについての解説がありました。今まで自分なりに考えていたことに新たな学問的エッセンスが加わったような気がします。積み残しになっている論文にも生かされそうな内容でした。
これでまずは一つ、終わりました。来週は乳癌検診学会です!
乳癌が心配だけど、どこに受診したらいいかわからない、乳癌になってしまって不安…、再発したからもうだめかもしれない…。そんな不安や悩みに少しでもお役に立てればと思って始めてみました。 (*投稿内容と無関係なコメント、病状のご相談はご遠慮願います*)
2011年10月15日土曜日
2011年10月11日火曜日
乳がん関連の学会連発!
今週末は乳癌学会の北海道地方会、来週の金、土は 岡山で乳癌検診学会です。
地方会は、G先生とN先生、検診学会は超音波技師の3人が演題を発表します。私は両方とも今回はサポート役です。発表がないと楽だと思われるかもしれませんが、むしろ自分で発表する方が気楽です。特に検診学会の技師さんの発表は神経を使います。
地方会は、N先生のチェックも終わり順調です。G先生のスライドはまだまったくお目にかかっていませんが、まあまかせても大丈夫でしょう。問題は来週の検診学会です。
ここ数日そのチェックに追われていました。いっぱい話したいことがあっても、聞く人は全部を短時間に理解することはできません。示説ならまだ良いですが、口演ならスライドが流れてしまうのでなおさらです。その発表でここだけは伝えたいというポイントが明瞭でないと聴衆は関心を持てなくなり、自己満足の発表になってしまいます。また、それと同時に抽象的な言葉ではなく、具体的でインパクトのある表現が重要です。ここが学会発表に慣れている人と慣れていない人の差になります。技師さんたちは全国学会での発表経験は多くないのでこのあたりの修正がなかなか大変です。
何度もやり直しを命じると彼女たちも次第に精神的に追いつめられてきます。泣き出したり、怒ったり、ふてくされたり、すねたり…、あげくの果てに直前に発表をやめるとまで言い出します(泣)
なんとかやる気を維持させて最後まで頑張り抜けるようにサポートするのですが、技師さんにもいろいろなタイプがいるのでなかなか対応に苦慮します。でもぎりぎりまで手直しして、良い発表ができたときの満足感は大きいことを知っているのでなんとか頑張り抜いてもらうようにサポートするのです。その結果、今までに2回、座長の先生に論文化を推薦していただけるような発表ができました。そういう時には、発表した技師さんはもちろん、私自身もとても大きな満足感を得ることができます。
学会発表は病院を代表してしてもらうものです。乳腺チーム全体でサポートしあって良い発表をこれからも心がけていきたいと思っています。岡山では、同系列の病院仲間で集まる予定です。「ままかり」を食べながら、美味しくお酒を飲みたいと思っています!
地方会は、G先生とN先生、検診学会は超音波技師の3人が演題を発表します。私は両方とも今回はサポート役です。発表がないと楽だと思われるかもしれませんが、むしろ自分で発表する方が気楽です。特に検診学会の技師さんの発表は神経を使います。
地方会は、N先生のチェックも終わり順調です。G先生のスライドはまだまったくお目にかかっていませんが、まあまかせても大丈夫でしょう。問題は来週の検診学会です。
ここ数日そのチェックに追われていました。いっぱい話したいことがあっても、聞く人は全部を短時間に理解することはできません。示説ならまだ良いですが、口演ならスライドが流れてしまうのでなおさらです。その発表でここだけは伝えたいというポイントが明瞭でないと聴衆は関心を持てなくなり、自己満足の発表になってしまいます。また、それと同時に抽象的な言葉ではなく、具体的でインパクトのある表現が重要です。ここが学会発表に慣れている人と慣れていない人の差になります。技師さんたちは全国学会での発表経験は多くないのでこのあたりの修正がなかなか大変です。
何度もやり直しを命じると彼女たちも次第に精神的に追いつめられてきます。泣き出したり、怒ったり、ふてくされたり、すねたり…、あげくの果てに直前に発表をやめるとまで言い出します(泣)
なんとかやる気を維持させて最後まで頑張り抜けるようにサポートするのですが、技師さんにもいろいろなタイプがいるのでなかなか対応に苦慮します。でもぎりぎりまで手直しして、良い発表ができたときの満足感は大きいことを知っているのでなんとか頑張り抜いてもらうようにサポートするのです。その結果、今までに2回、座長の先生に論文化を推薦していただけるような発表ができました。そういう時には、発表した技師さんはもちろん、私自身もとても大きな満足感を得ることができます。
学会発表は病院を代表してしてもらうものです。乳腺チーム全体でサポートしあって良い発表をこれからも心がけていきたいと思っています。岡山では、同系列の病院仲間で集まる予定です。「ままかり」を食べながら、美味しくお酒を飲みたいと思っています!
2011年10月8日土曜日
ファイターズファンの患者さんたち
北海道に住んでいますので、患者さんの中には熱狂的な日本ハムファイターズファンの方がいらっしゃいます。もちろん私もそうです(ファンクラブには入っていませんが…)。私の外来にも、春の沖縄キャンプまで見に行く乳がん患者さんや、ファイターズファンが集まる飲食店のおかみさんなど、ファンクラブ会員の方が何人も通院されています。
そのような患者さんが診察室にいらっしゃると、まずはファイターズの話になってしまいます(笑)ついつい長話になって患者さんが診察室から出ようとした時に検査結果をお話しし忘れていることに気づいた、なんていうこともありました(汗)
ファイターズの調子がいいと会話もはずみますが、最近はずっと不調だったため、ついつい患者さんと愚痴を言いあったりしています。きっとファイターズの調子が良いと患者さんの精神状態も安定したりすることもあるんでしょうね。これは埼玉ならライオンズ、福岡ならホークス、仙台ならゴールデンイーグルス、千葉ならマリーンズ、大阪ならバファローズのファンでも同じような状況なのだと思います。
とりあえず、北海道在住のファイターズファンの私としては、なんとか2位をキープして地元でクライマックスシリーズを見せて欲しいと願っています。そういう意味で一昨日と今日の勝利は大きかったと思います。
もしクライマックスシリーズの1stシリーズを勝ち抜いても最終的には1位のソフトバンクホークスに勝たなければなりませんが、これはかなり厳しい戦いになります。とにかく桁外れに強いですし、相性も悪いです。しかも1勝のアドバンテージを持っています。でも昨年の千葉ロッテマリーンズの例もあります。短期決戦ならなにが起きるかわかりません。これからのプロ野球からは目が離せません。
今回は乳がんとはあまり関係ない話になってしまいました。でも患者さん、医師にかかわらず、人間には気分転換が必要ですよね。笑ったり泣いたり、全部が思い通りにはなりませんが、何かに夢中になることは大切なんじゃないかと思っています。
ファイターズ頑張れ!
(他チームのファンのみなさん、すみません!)
そのような患者さんが診察室にいらっしゃると、まずはファイターズの話になってしまいます(笑)ついつい長話になって患者さんが診察室から出ようとした時に検査結果をお話しし忘れていることに気づいた、なんていうこともありました(汗)
ファイターズの調子がいいと会話もはずみますが、最近はずっと不調だったため、ついつい患者さんと愚痴を言いあったりしています。きっとファイターズの調子が良いと患者さんの精神状態も安定したりすることもあるんでしょうね。これは埼玉ならライオンズ、福岡ならホークス、仙台ならゴールデンイーグルス、千葉ならマリーンズ、大阪ならバファローズのファンでも同じような状況なのだと思います。
とりあえず、北海道在住のファイターズファンの私としては、なんとか2位をキープして地元でクライマックスシリーズを見せて欲しいと願っています。そういう意味で一昨日と今日の勝利は大きかったと思います。
もしクライマックスシリーズの1stシリーズを勝ち抜いても最終的には1位のソフトバンクホークスに勝たなければなりませんが、これはかなり厳しい戦いになります。とにかく桁外れに強いですし、相性も悪いです。しかも1勝のアドバンテージを持っています。でも昨年の千葉ロッテマリーンズの例もあります。短期決戦ならなにが起きるかわかりません。これからのプロ野球からは目が離せません。
今回は乳がんとはあまり関係ない話になってしまいました。でも患者さん、医師にかかわらず、人間には気分転換が必要ですよね。笑ったり泣いたり、全部が思い通りにはなりませんが、何かに夢中になることは大切なんじゃないかと思っています。
ファイターズ頑張れ!
(他チームのファンのみなさん、すみません!)
2011年10月6日木曜日
乳癌の治療最新情報27 エベロリムス1
先日のノバルティスの講演会でも話題になりましたが、新しい分子標的薬が近い将来、使えることになるかもしれないというニュースです。
先日、スイス・ノバルティス社は、mTOR阻害剤「アフィニトール」(一般名 エベロリムス)について、進行性乳がん、結節性硬化症にともなう良性腎腫瘍をそれぞれ対象にした第3相臨床試験で主要評価項目(無増悪生存期間)を達成したと発表しました。いずれも日本が参加した国際共同治験で、適応追加申請に向けた準備を各国で進める予定です。
アフィニトールは、腫瘍細胞の分裂、血管新生、細胞代謝の調節において重要な役割を果たすmTORタンパクを標的としています。乳がんにおけるホルモン療法に対する耐性(薬剤が効かなくなること)は、mTOR経路の過剰活性と関連があるとされています。アフィニトールを投与することによって、その耐性を解除しようという試みなのです。
昨年発表された第2相試験では、ホルモン受容体陽性でアロマターゼ阻害剤に抵抗性の進行性乳がん患者さんを対象とした無作為比較試験の結果、クリニカルベネフィット(CB:完全奏効、部分奏効又は6カ月以上継続した病勢安定の割合)は、タモキシフェン単独療法群の42%と比較して、「アフィニトール」とタモキシフェンの併用療法群では61%と「アフィニトール」に上乗せ効果があり、病勢進行までの期間(無増悪生存期間:PFS)の中央値は、タモキシフェン単独療法群の4.5カ月と比較して、「アフィニトール」とタモキシフェン併用療法群の患者さんでは8.6カ月に延長していたと報告されていました。
今回発表された第3相試験(BOLERO-2(Breast cancer trials of OraL EveROlimus-2))の結果では、アロマターゼ阻害薬(アナストロゾールまたはレトロゾール)による治療中・後に再発/進行した進行性乳がん患者に対し、別のアロマターゼ阻害薬(エキセメスタン)とアフィニトールを併用投与し、その効果を比較しました。主要評価項目はPFSで、アフィニトール群はアロマターゼ阻害薬単剤よりもPFSを2倍以上延長したそうです(2.8ヶ月 vs 6.9ヶ月)。観察された主な副作用のうちでグレード3または4の主なものは、口内炎(7.7%)、貧血(5.8%)、呼吸困難(3.9%)、高血糖(4.3%)、疲労感(3.7%)、非感染性肺炎(3.1%)、肝酵素の亢進(3.1%)などでした。
今回の結果を受けてノバルティス社は年内にも日本を含む世界各国で承認申請手続きを開始する予定とのことですので、1−2年後くらいには使えるようになるかもしれません。ただ、今回の結果は全生存期間(OS)には触れられていません(現在解析・評価中とのことです)。FDAのOS重視の審査を通るのかどうか、注目しています。
先日、スイス・ノバルティス社は、mTOR阻害剤「アフィニトール」(一般名 エベロリムス)について、進行性乳がん、結節性硬化症にともなう良性腎腫瘍をそれぞれ対象にした第3相臨床試験で主要評価項目(無増悪生存期間)を達成したと発表しました。いずれも日本が参加した国際共同治験で、適応追加申請に向けた準備を各国で進める予定です。
アフィニトールは、腫瘍細胞の分裂、血管新生、細胞代謝の調節において重要な役割を果たすmTORタンパクを標的としています。乳がんにおけるホルモン療法に対する耐性(薬剤が効かなくなること)は、mTOR経路の過剰活性と関連があるとされています。アフィニトールを投与することによって、その耐性を解除しようという試みなのです。
昨年発表された第2相試験では、ホルモン受容体陽性でアロマターゼ阻害剤に抵抗性の進行性乳がん患者さんを対象とした無作為比較試験の結果、クリニカルベネフィット(CB:完全奏効、部分奏効又は6カ月以上継続した病勢安定の割合)は、タモキシフェン単独療法群の42%と比較して、「アフィニトール」とタモキシフェンの併用療法群では61%と「アフィニトール」に上乗せ効果があり、病勢進行までの期間(無増悪生存期間:PFS)の中央値は、タモキシフェン単独療法群の4.5カ月と比較して、「アフィニトール」とタモキシフェン併用療法群の患者さんでは8.6カ月に延長していたと報告されていました。
今回発表された第3相試験(BOLERO-2(Breast cancer trials of OraL EveROlimus-2))の結果では、アロマターゼ阻害薬(アナストロゾールまたはレトロゾール)による治療中・後に再発/進行した進行性乳がん患者に対し、別のアロマターゼ阻害薬(エキセメスタン)とアフィニトールを併用投与し、その効果を比較しました。主要評価項目はPFSで、アフィニトール群はアロマターゼ阻害薬単剤よりもPFSを2倍以上延長したそうです(2.8ヶ月 vs 6.9ヶ月)。観察された主な副作用のうちでグレード3または4の主なものは、口内炎(7.7%)、貧血(5.8%)、呼吸困難(3.9%)、高血糖(4.3%)、疲労感(3.7%)、非感染性肺炎(3.1%)、肝酵素の亢進(3.1%)などでした。
今回の結果を受けてノバルティス社は年内にも日本を含む世界各国で承認申請手続きを開始する予定とのことですので、1−2年後くらいには使えるようになるかもしれません。ただ、今回の結果は全生存期間(OS)には触れられていません(現在解析・評価中とのことです)。FDAのOS重視の審査を通るのかどうか、注目しています。
2011年10月5日水曜日
エポジンのがん化学療法による貧血に対する適応申請却下
2年ほど前にここでも書きましたが(http://hidechin-breastlifecare.blogspot.com/2009/11/blog-post_24.html)、がん化学療法による貧血に対して、中外製薬がエポジンという薬剤の保険適応拡大を申請していましたが、残念ながら却下されてしまいました。
通常、化学療法による骨髄のダメージは、まずは白血球に現れ、次に血小板、ということが多く、赤血球が減少する、いわゆる貧血が起きることは乳癌の初期の化学療法ではあまりありません。
ただし再発後、長期にわたって化学療法を繰り返していたり、骨転移で放射線治療を行なっている場合には、貧血が進行してしまう場合があります。ヘモグロビンが7を切ってしまうと輸血を考えなければなりません(放置すると息切れや倦怠感、心不全をおこします)。今までは輸血以外の治療はありませんでした。鉄剤は鉄が足りないわけではないので無効なのです。実際、いま治療中の患者さんの中にも、貧血で輸血をやむを得ず繰り返している患者さんが数人いらっしゃいます。
エポジンは、もともと生体にあるエリスロポエチンという腎臓で作られるホルモンを遺伝子組み換えで製品化した薬剤です。この薬剤は、主に腎機能低下(透析患者さんなど)に伴う貧血に対して保険適応があり、骨髄の赤血球を作るもとになる細胞を刺激して増加させる作用があります。大出血が予想される心臓外科手術などに際して自己血貯血目的で使用されることもあります。今回の申請は、輸血しか手がなかった化学療法中の貧血に対して有効な治療手段になるのではないかと期待していたのです。
今回、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会が、エポジンの化学療法にともなう貧血の効能追加について承認を却下した理由は、副作用リスクが同薬の貧血を改善する有効性を上回ると判断したからだそうです。この副作用の中には、がん患者の生命予後の悪化や、腫瘍増殖の促進というリスクへの懸念が海外で報告されていることが挙げられています。このような副作用が真実なのであれば化学療法の効果を相殺してしまうことになりますのでやむを得ないのかもしれませんが、どのような臨床試験のデータなのかが興味があります。今度中外製薬の方がいらしたら教えていただきたいと思っています。
通常、化学療法による骨髄のダメージは、まずは白血球に現れ、次に血小板、ということが多く、赤血球が減少する、いわゆる貧血が起きることは乳癌の初期の化学療法ではあまりありません。
ただし再発後、長期にわたって化学療法を繰り返していたり、骨転移で放射線治療を行なっている場合には、貧血が進行してしまう場合があります。ヘモグロビンが7を切ってしまうと輸血を考えなければなりません(放置すると息切れや倦怠感、心不全をおこします)。今までは輸血以外の治療はありませんでした。鉄剤は鉄が足りないわけではないので無効なのです。実際、いま治療中の患者さんの中にも、貧血で輸血をやむを得ず繰り返している患者さんが数人いらっしゃいます。
エポジンは、もともと生体にあるエリスロポエチンという腎臓で作られるホルモンを遺伝子組み換えで製品化した薬剤です。この薬剤は、主に腎機能低下(透析患者さんなど)に伴う貧血に対して保険適応があり、骨髄の赤血球を作るもとになる細胞を刺激して増加させる作用があります。大出血が予想される心臓外科手術などに際して自己血貯血目的で使用されることもあります。今回の申請は、輸血しか手がなかった化学療法中の貧血に対して有効な治療手段になるのではないかと期待していたのです。
今回、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会が、エポジンの化学療法にともなう貧血の効能追加について承認を却下した理由は、副作用リスクが同薬の貧血を改善する有効性を上回ると判断したからだそうです。この副作用の中には、がん患者の生命予後の悪化や、腫瘍増殖の促進というリスクへの懸念が海外で報告されていることが挙げられています。このような副作用が真実なのであれば化学療法の効果を相殺してしまうことになりますのでやむを得ないのかもしれませんが、どのような臨床試験のデータなのかが興味があります。今度中外製薬の方がいらしたら教えていただきたいと思っています。
2011年10月3日月曜日
フルベストラント近日発売へ! 商品名は…??

「乳癌の治療最新情報11 フルベストラント」(http://hidechin-breastlifecare.blogspot.com/2009/12/11.html)でも紹介しましたが、ようやく先月承認され、年内に発売になりそうです。
今日、アストラゼネカの担当の方がいらした時に情報をお聞きし、案内の紙を見せていただきました。
そこに書いてあった商品名「フェソロデックス」を見て、「??」…。
なんとなく違和感を覚えました。こんな商品名だったかな?と思い、横文字の商品名を見ると、「FASLODEX」と書いてあります。そうそう、前は「ファスロデックス」だったはずです。
微妙に違いますし、横文字の読み方としてもおかしいので聞いてみると、
「似たような商品名が他の薬剤であるために、誤投薬防止のために商品名を無理矢理変更せざるを得なかった」
とのことです。ようやく納得しました(笑)
まあ名前はどっちでも良いのですがちょっと呼びづらいです(汗)
保険適応内容についての詳細な記載はまだ見ていませんが、「閉経後乳がん」だけになりそうです。どのような薬剤の治療歴であっても(タモキシフェンでもアロマターゼ阻害剤でも)適応になるようです。この薬剤の一番の問題点は、4週に1回(初月のみ2週ごと)の筋肉注射で、1回につき両側の臀部に5mlずつ注射しなければならないことです。どのくらい痛いかはわかりませんが、けっこう大変かもしれませんね(汗)
今もこの薬剤を使いたいと思っている患者さんがいらっしゃいます。多分11月中には発売になると思うのですが、発売されたらすぐに使用できるように今から勉強会と使用申請の手続きの準備を進めています。
(2011.10.5追記)
臨床試験のデータは、アストラゼネカのサイト(http://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2010/10_03_26.html)をご参照下さい。
2011年10月2日日曜日
乳がん患者会温泉旅行2011



昨日から1泊で病院の患者会の温泉旅行に行ってきました。
この温泉旅行は、なかなか一人や家族では温泉に行けないという患者さんたちが、「みんなで一緒なら怖くない!」と20年以上前に始めた年1回の恒例のイベントです。
今までに訪れた温泉は、しんしのつ温泉たっぷの湯(新篠津村)、なんぽろ温泉ハート&ハート(南幌町)、ユンニの湯(由仁町)いわみざわ健康ランド(岩見沢市)、豊平峡温泉(札幌市)、小金湯温泉(札幌市)などです。一昨年までは、平日の日帰りで行なっていましたが、昨年初めて定山渓温泉の定山渓ホテルに一泊で行ってきました。
そして今回の2回目の一泊旅行、場所は小樽市の朝里川温泉の近くにあるマリンヒルホテル小樽でした。参加者は、患者さん17人、医師が私とG先生(N先生は夏休みで残念ながら参加できず)、看護師が外来と病棟、関連病院の外来から計4人、事務1人の合計24人でした。残念ながら直前に都合で参加できなかった方が数人発生してしまいましたが、昨年より2人多く参加してもらうことができました。
連日あいにくの雨だったので周囲にあるパークゴルフ場やテニスコートは使用できず、散歩もできませんでした。夕食まではテレビを見たり、1回目の温泉に浸かったりで過ごしました。露天風呂からは石狩湾が見え、なかなかの展望でした(好天だったらもっと良かったのですが…)。
夕食は宴会場で食べてそのまま宴会になりました。写真は宴会場の様子です。ホテルの方が小樽ワイン(ナイヤガラ)を2本、サービスして下さいました!ただこの場所は20時までだったのでビンゴゲームが終わったら時間になってしまいました。
そのあとは、カラオケ組(G先生含む)とトランプ組(私はこちら)に分かれて遅くまで楽しい時間を過ごしました。トランプ組は8畳の部屋に最初15人も集まったのですごい状態でした(泣)罰ゲームもあったりしてとても盛り上がりましたが、ちょっとうるさすぎて隣の部屋に迷惑をかけてしまったのではないかと心配しましたが苦情はなかったようです(汗)カラオケ組は0時近くまで4時間近く歌いまくっていたようで、こちらも大変な盛り上がりだったようです(笑)
翌日は朝風呂に入ってのんびり過ごしてから送迎バスで帰路につきました。一泊旅行はゆっくりできてとても楽しいですが、患者さんの中には日帰りなら行けるけど一泊は参加できないという方もいらっしゃいます。来年は日帰り1回、一泊1回できれば一番良いと思っていますが、職員の参加枠の限界もありますので難しいかもしれません。次回の集まりで検討したいと思っています。
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