2011年10月15日土曜日

第9回乳癌学会北海道地方会

今日、乳癌学会の地方会がありました。

私は他の学会が重なっていて外科医がいなかったため、関連病院の乳がん検診を終わらせてから午後の部から参加しました。午前中にN先生の症例報告の発表がありましたが、G先生によると質問に対する返答も無難にこなし、無事終了したようです。G先生は、午後から肝転移の長期生存例の報告をしましたが、こちらも順調に終了しました。

午後から聞いた中では、もともと自分のライフワークである再発治療のセッションはもちろんですが、若年女性に対する乳がん教育の効果の報告も興味深かったです。この研究の元になったアンケートは女子大生を対象に行なったようですが、高校生のうちから保健体育などで教育する機会を作るというのも良いかもしれないと思いました。また、肥満とアロマターゼ阻害剤の効果の報告もなかなか面白い研究内容だったと思います。アロマターゼは脂肪でアンドロゲンをエストロゲンに変える酵素ですので、その働きを阻害するアロマターゼ阻害剤は肥満の人では脂肪が多すぎるので効果が落ちるのではないか、ということを検証するのが研究の目的です。今回の発表では、有意差はありませんでしたが、アロマターゼ阻害剤を内服している患者さんにおいて肥満女性の方が予後が不良の傾向があったということでした。

途中、「コーヒーブレイクセミナー」で「アロマターゼ阻害剤の耐性機序」の講演がありました。基礎的なことは非常に難しいのですが、耐性には今のところ5つの機序が推測されているということで、それぞれについての解説がありました。今まで自分なりに考えていたことに新たな学問的エッセンスが加わったような気がします。積み残しになっている論文にも生かされそうな内容でした。

これでまずは一つ、終わりました。来週は乳癌検診学会です!

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