2015年10月13日火曜日

今度の日曜は、”J.M.S"!

今年ももういつの間にか10月…。10月はピンクリボン月間です。

毎年10月の第3日曜日に行なわれている”ジャパン・マンモグラフィ・サンデー(J.M.S)”ですが、今年も10/18に行なわれます。私たちの病院も関連病院とともに賛同施設となっていますので日曜日の検診を行ないます。このイベントは全国で行なわれます。賛同施設はJ.POSHのHP(http://jms-pinkribbon.com/)で調べることができます。

今回も私は関連病院の検診担当です。G先生が本院担当で、N先生はいつも釧路の検診に行っていたのですが今年は体調を考慮して他の女性外科医に依頼しました。

それにしても最近、検診受診者数の増加がすごいです。どんどん検診受け入れ枠数を増やして対応していますが、追いつくのがやっとです。せっかく決意した検診をスムーズに受けられるように迅速な対応をしていきたいと思っています。


昨日から風邪が悪化し、咳、痰、鼻水、咽頭痛、頭痛、発熱など風邪の諸症状が満載の身体ですが、日曜までにはなんとか治して検診に望みたいと思います!

2015年10月9日金曜日

北斗晶さんの影響

北斗晶さんの乳がん罹患のニュースが流れてから、乳腺外来の受診者数は急増しているようです。

私たちの病院にも、

「前から痛みがあったけど、北斗さんは痛みがあったと言っていたので心配なので見て下さい」

「2年前の検診で脂肪腫があるけど心配ないって言われたけど、北斗さんのニュースを見て心配になったので受診しました」

「次回1年後で本当にいいのですか?北斗さんは毎年受けていたのにリンパ節に転移があったって言ってましたけど…」

「私はⅡB期なんですよね?私がリンパ節に転移があったことを知っている何人もの友達が、ニュースで5年生存率50%って言っていたからものすごく心配して連絡をくれるのでまた不安になってしまいました」

などとおっしゃる患者さんが多数いらっしゃいます。芸能人の発言、マスコミの報道の影響は本当に大きいですね…。検診の受診者も受け入れ枠を増やさなければ対応できないような状態です。

いろいろ問題もありますが、そのおかげで、ニュースを見て触ってみたらしこりがあったと受診した患者さん2人が乳がんとわかりました。少しでも早い受診につながったのは良かったと思います。

2015年10月4日日曜日

患者会温泉1泊旅行 2015 in 歌志内”チロルの湯”

昨日から1泊で患者会温泉旅行に行ってきました。今年は、歌志内の”チロルの湯”でした。

歌志内は私が医師3年目の時に(今から24年前)診療所の所長として1年間勤務した思い出の場所です。その当時チロルの湯の前身の温泉施設は所長住宅のすぐ山側のところにありましたが、けっこうぼろぼろで一度も行ったことがありませんでした。その後チロルの湯として改装され、道の駅も併設して生まれ変わったことを聞いていましたのでずっと行ってみたいと思っていた温泉でした。

今回は、患者さん16人、付き添いのご家族1人、職員8人(医師3人、看護師3人、事務2人)の計25人が参加しました。バスに揺られてホテルに着いてからはまず道の駅にみんなで行ってきました。山あいのこの街は、炭坑が閉鎖してから過疎が進み、正直言って目立った産業はあまりありません。特産物は、”なんこ”という馬の腸を使った食材や山菜、そして漬け物くらいですが漬け物はいろいろ種類があって美味しかったです。みんなお土産に買っていました。

その後温泉に浸かって(肌がツルツルになりました!)、夕方からは宴会場で一次会が始まりました。



今回N先生はご懐妊中のため、残念ながら参加は見合わせとなりました(泣)。そのかわりと言ってはなんですが、初めて研修医のTN先生(乳腺センターに所属予定)が参加してくれ、何度も歌を歌って踊って盛り上げてくれました(写真向かって左がTN先生、右は事務のKさん)。G先生もいつも通り歌いまくり、あっという間に2時間たってしまいました。



そのあとはいつも通り部屋で二次会!飲んでしゃべって、ゲーム大会で盛り上がりました(写真)。



途中からはラグビー日本代表を応援して、寝たのは1時くらいでした(汗)結局みんな朝寝坊してしまい、朝風呂に入る時間はなく、ご飯を食べて、男5人で部屋でカードゲームをしてから帰路につきました。

ちょっと疲れましたが、料理もおいしかったですし楽しい2日間でした!

2015年10月1日木曜日

乳腺術後症例検討会 42 ”マンモグラフィ撮影機の機種変更の影響”

いま札幌は強風が吹き荒れています。これからさらに悪化するのでしょうか…(汗)明日の朝が心配ですね。

昨日はいつもの症例検討会でした。参加人数はまずまず。まずは放射線技師によるマンモグラフィ撮影機の機種変更後の検討についての報告がありました。現在の機種になって2年たちますが、最初は機種の違いによるポジショニングの難しさがあったようです。今は読影の際に気になることはほとんどなくなっています。フィルムレスになってからは過去画像の比較も容易になり、私たちとしては非常に楽になりました。また、以前の機種では乳房の大きな方は1枚におさまりませんでしたが今の機種はおさまりますので被曝の軽減にもつながっています。今後は同じ機種を今年導入した関連病院の技師にノウハウを伝達することが重要だと思っています。

症例は3例。内部に脂肪を含むようにも見える多発腫瘤で発見された症例と皮膚のわずかな肥厚(よく見ると構築の乱れもありそう)で診断された広義の炎症性乳がんの症例、そして5年前の画像との比較で判断が難しかった局所性非対称性陰影で発見された症例で、後者の2例は無症状の検診発見乳がんでした。どれもちょっと油断すると見落としそうな症例でしたが、そのうち2例はリンパ節転移を伴っていました。

マンモグラフィのみで早期の乳がんを診断するのは時に非常に難しいことがあります。北斗晶さんのニュースが流れて以降、毎年、もしくは2年に1回の検診に対する不安を訴える方が増えています。毎年検診を受けていてもスピードの速いがんはその間に出てきますし、若くて乳腺濃度の高い方の場合はマンモグラフィのみの検診ではたとえ毎年撮ったとしても診断には限界があります。

現在、J-STARTという国内の臨床試験で、40才代の女性を対象にマンモグラフィに超音波検査を上乗せする有用性を検証中ですが、個人的には年齢だけではなく、乳腺濃度に合わせて超音波検査を併用すべきであると考えていますし、それは40才以上のみではなく、30才代(遺伝性素因のある方はもう少し早くから)にも適応した方が良いのではないかと感じています。ただ今のところそれを支持する臨床試験はありません。

おそらくどのような検診方法に変更しても、すべての乳がんを早期発見できるわけではないと思います。これは検査の限界、そして経済的な側面もあるからです。ただそれでもできるだけ多くの乳がんを早期に診断できるような検診方法が一日でも早く確立することを願っています。

2015年9月23日水曜日

北斗晶さんのニュース

Yahoo!ニュースを見ていたら、北斗晶さんが乳がんと診断されて治療予定という文字が目に入ってきました。芸能人の乳がんは非常に多いという印象を持たれる方も多いかと思いますが、12人に1人は一生の間に乳がんになると言われていますので、乳腺外科医の立場としては不思議ではありません。

このニュースに関するコメントを読んでみると、「全摘するんだから相当進んでいる」とか「全摘をすれば再発の危険が少なくなるから安心」などという間違った書き込みがありました。やはり一般の方には、乳房全摘をすることの意味が正しく伝わっていないのかなと感じました。

ちなみに、乳房全摘をするか乳房温存術をするかは、いわゆる進行度(病期)とは関係ありません。超早期の非浸潤がんであっても乳管内を広く広がっていれば全摘が必要です。広く広がっていても非浸潤がんであれば0期ですし、全摘すればほぼ100%治癒します。つまり全摘が必要か、温存術が可能かは、進行度ではなく、乳腺内の広がりによって決定されるということです。

さらに、乳房温存術が可能な乳がんに対して乳房全摘をすれば予後が良くなるということはありません。2つの術式の差は、温存術の場合は乳腺が残ることによる乳房内再発率が異なるだけであり、適応を守って、かつ局所再発を早期に発見すればその差は予後には影響しませんし、遠隔再発率(肺、骨、肝臓などへの再発)は2つの術式で差はないことが臨床試験によって明らかにされています。

いずれにしても北斗晶さんには、なんとかつらい治療を乗り越えて、また元気な姿を見せて欲しいと願っています!

2015年9月14日月曜日

第13回 日本乳癌学会北海道地方会

一昨日の土曜日、北海道がんセンターにて「第13回 日本乳癌学会北海道地方会」が開催されました。

当日は朝早くから会場入りしてスライドのチェックをし、9:30から一般演題を聞いていました。10:30からは、ずっと準備をしてきた教育セミナーが行なわれました。診断部門は私が担当で、治療部門はGセンターのW先生が担当でした。持ち時間が45分にも関わらずスライドを作っているうちに60枚になってしまったため時間内に終わるかどうか心配でしたがなんとか終了することができました。このセミナーがパネリストの若手の先生方やフロアの参加者に少しでもお役に立つことができたならうれしいです。

ランチョンセミナーは第2会場でS病院の精神科の先生のお話を聞きました。日常診療にすぐに役に立つような内容をわかりやすくご説明していただき、とても勉強になりました。

ランチョンセミナーが終わるとすぐに午後の一般演題が始まりました。私は最初のセッションの座長を務めましたが、「検診」というセッションにも関わらず検診に関する発表はなく、超音波検査に関するものが2題、MRに関するものが2題、免疫染色に関するものが1題でした。いろいろ質問を用意していたのですが、発表時間がオーバーしたり、フロアからの発言が続いたりで、あまり私から聞くことはできませんでしたが、それほど時間を超過することなく無事に終えることができました。

コーヒーブレイクセミナーでは、S医大のK先生が、抗がん剤による有害事象(主に発熱性好中球減少症)のお話をして下さいました。この内容は、11月の私の講演の内容とも重なるので興味深く拝聴させていただきました。

最後の一般演題のセッションでは、G先生がピンクリボンイベントで使用したお手製の乳がんの自己検診用の触診モデルと超音波検査用のモデルの作り方などについて発表しました。普通の学会ではあまり見かけない内容の発表でしたのでひときわ異彩を放っていました(笑)。

今回の学会は準備も結構大変でしたが、それ以上に本番のストレスはいろいろと大きかったです(汗)。自分が発表する方がずっと気楽に思えました。なんとなく未だに気持ちがすっきりせず重いです。

2015年9月10日木曜日

明後日は乳癌学会北海道地方会

With Youが終わって一息つく暇もなく、今週末は乳癌学会の地方会です。

今回は、S医大のK先生から教育セミナーを頼まれため、結構な時間をかけて準備をしてきました。あまりに力を入れすぎたためスライドの枚数が多くなってしまい、おそらく全部は供覧することができないと思いますが、なかなか面白いスライドになったと思います。

今回の地方会は、N先生はおめでたいことがあったため発表は控えることになりました。G先生は発表しますが、私はセミナーがあったため、自粛する(サボる?)ことにしていました。ところがセミナーの準備をしている真っ最中に、今回の主催者のGセンターのT先生から口演の座長を頼まれてしまい、結局あまり楽をすることができなくなってしまいました(汗)。ただ、今回私が担当するセッションはパラメディカルが中心の第2会場ですので、わりと気楽にできそうです。ちなみに私のセッションには、いつも症例検討会に参加してくれているT病院のH技師さんやKT病院のK先生が演者に含まれていますのできっとアットホームな雰囲気でできるのではないかと思っています。

これが終われば10/27がKK社主催の薬剤師対象の研究会で乳がん化学療法に関する講演、11/20がKK病院主催の研究会でチーム医療の講演、翌日の11/21が、KK社の講演会のパネリストとストレスのかかる院外の仕事が続きます。それが終わったら、来年の乳癌学会の演題申し込み締め切りが間近に迫っていて、年内はずっと落ち着かない毎日が続きそうです。

さらに私事ですが、ついに年内に札幌市の北の果ての豪雪&猛吹雪地帯から中心街近くに転居することになり、そちらの件でもばたばたしています。ようやく目処がつきそうですので、おそらく11月くらいには転居ということになりそうです。これで吹雪の中の運転や連日の雪かきからは解放されます!

本州では豪雨による洪水被害が深刻なようですね…。ニュースを見て心を痛めています。少しでも被害が少なく済むように願っています。天候が不順になると体調も崩しやすいです。私もどうやらまた息子の風邪をうつされたようです(泣)。皆さんもどうかご自愛下さい。