2011年10月19日水曜日

第21回 日本乳癌検診学会総会 in Okayama 明日出発します!

2011.10.21-22の2日間、岡山市で乳癌学会総会が開催されます。明日、昼の便で岡山に向かいます。

かなりぎりぎりまで修正を繰り返していた3人の超音波技師さんの学会準備もなんとか終わり、あとは発表のみとなりました。3人とも2日目の発表のため、終わるまではきっと落ち着かないんじゃないかと思います。私は特にすることもないのでじっくり学会に参加して勉強して来ようと思っています。

欧州では最近、マンモグラフィ検診は乳がん死亡率低下には寄与していなかったという論文が発表されました。マンモグラフィ検診を導入していた国と導入が遅れた国(民族的には近い国同士)を比較した結果、どちらの国でも乳がん死亡率が同じ程度低下していたという結果だったため、乳がん死亡率低下の原因はマンモグラフィ検診の効果によるものではなく、乳がん治療の進歩によるものではないかという内容だったと思います。ただこれは別の国同士を比較していることや前向きの無作為比較試験ではないことから、この論文の評価は慎重にしなければなりません。

実際、今までにさまざまな国で検診の有無を無作為に割り付けた比較試験が行われ、マンモグラフィ併用検診の乳がん死亡率減少効果が証明されてきました。1993年に発表されたFletcherらによるメタアナリシス、1995年に発表されたKerlikowskeらによるメタアナリシスでも50歳以上ではマンモグラフィ検診によって26-30%の死亡率低下が報告されています。

ですからこの報告に対して乳癌検診学会が何かアクションを起こすとは思えませんが、一応注目して聞いて来ようと思います。このような報告が出るとすぐに「検診は有害無益だから受けるべきではない」と言う人たちがいますが、そのような考え方は何の進歩ももたらしません。できるだけ治癒できる状態で乳がんを発見したい、早期発見が治癒率を上げる、と信じているからこそ世界中で乳がん検診に力を入れてきたのです。マンモグラフィの問題点のみを挙げて検診という考え方そのものを否定するのは無責任で退行的な思考だと私は思っています。もしマンモグラフィだけでは力不足なら超音波検診などを併用して欠点を補う、マンモグラフィが仮に本当に有害無益ならそれに変わる検診手段を考える、それが医療者としての正しい思考だと思っています。

明日からはしばらくブログの更新ができないかもしれません。それでは行ってきます!

0 件のコメント: