2013年6月8日土曜日

札幌乳癌カンファレンス 2013

今年もAZ社主催の「札幌乳癌カンファレンス」が、市内某ホテルで昨夜行なわれました。

この研究会は今回が3回目で、G病院病理部のA先生をお招きしてミニレクチャーをしていただき、診断困難症例を持ち寄って症例検討を行なうというものです。

今回のミニレクチャーは、「どうする?乳管内病変」というタイトルで乳管内病変(低乳頭型や平坦型の非浸潤がんと乳腺症、乳管内乳頭腫と非浸潤がんの鑑別や新しいWHO分類とその中における疾患概念などについてわかりやすく(でも難しい…)解説をしていただきました。質問が多数出たため予定をかなりオーバーしてしまいましたが、とても勉強になりました。

そのあとの症例検討は、腋窩腫瘤(Occult cancer)の症例、針生検、摘出標本ともに病理医によって良性、非浸潤がんと診断が分かれた症例、そして私が提示したMRで描出されなかった広範な非浸潤がんに粘液浸潤を伴っていた症例の3例でした。詳細は割愛しますが、非常におとなしい非浸潤がんに対してどこまで診断と治療を追求すべきなのか、経過観察という判断はどのような基準で行なえば良いのかということに関してとても考えさせられるディスカッションとなりました。

これからは、早期発見による乳がん死亡率低下という大きな目標を目指すだけではなく、すぐに診断・治療しなくても良い非浸潤がんを見分ける方法も同時に研究していかなければならないのかもしれません。長い間、がんに対して非常に厳格な治療方針を国内外に示してきたG病院の中においても時代とともに変化が起きてきているということをA先生の言葉から強く感じました。

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