2013年10月15日火曜日

リンパ浮腫チーム

今日、リンパ浮腫治療の今後の方針を決めるカンファレンスを行ないました。

乳がん術後のリンパ浮腫は一度発症してしまうと完治はなかなか困難です。施設によってはリンパ浮腫外来を行なっているところもありますが、現在の診療報酬では力を入れるのは困難な状況ですので、結局自費診療でやっている施設がほとんどで、しかもかなり混雑しています。日常診療では十分な時間をかけて指導することは困難で、結局重度のリンパ浮腫は専門施設にご紹介する場合がほとんどでした。それも経済的に余裕がある方に限られますので入院中の患者さんに対しては一定の研修を受けた化学療法室の看護師が適宜対処するくらいが精一杯でした。

この間がん診療委員会でそういう問題に対して検討してきたのを受けて、リハビリ技師が2人研修を受けてきました。研修を受けたことによって彼女たちはリンパ浮腫に対する問題意識を持ってくれたようで、術前後のリンパ浮腫に対する予防の指導を始め、リンパ浮腫の治療にも取り組んでくれることになりました。まだまだ経験は不十分ですが、これから病棟、外来の看護師たちと連携しながら軽度から重度までのリンパ浮腫の治療に対しても彼女たちが中心になって頑張ってくれそうです。

今日の会議ではとりあえず術前後の指導を徹底することと、軽度のリンパ浮腫に対する外来での治療の流れについて検討しました。今後は病棟看護師にも会議に参加してもらって重度のリンパ浮腫に対する入院治療に関しての流れを検討する予定です。

これからも乳腺外科医、緩和治療医、リハビリ技師、外来・化学療法室・病棟看護師でリンパ浮腫チームを作って少しでも治療の室を高める努力をしていきたいと考えています。

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