2015年6月11日木曜日

救急隊に感じたこと

私は週1回、関連病院の外来に行っています。いつもカルテチェックなどがあるので7:40くらいには着くようにしているのですが、先日出勤した時に駐車場から病院に向かって横断歩道を渡ると、病院と反対側の角の歩道で人が倒れて3人の女性が声をかけているのが目に入りました、

倒れていたのは70-80代くらいの男性でした。車も近くに止まっていたのではねられたのかと思ったのですが、どうやら倒れているのを偶然発見したようです。声かけには最初反応がありませんでしたが、間もなく返答できるようになり、ご本人のお話では、歩いていて転んだということでした。顔に擦過傷がありましたが、明らかな麻痺はありませんでした。ただ、名前の問いかけにも反応は鈍く、ただ単に転んだわけではなさそうでした。雨が降っていましたので身体が冷えるのも気になりましたが、とりあえず、傘で雨を凌ぎながら、救急車を呼びました。その後の問いかけで、名前をお聞きでき、整骨院に向かう途中だったということがわかりました。

ただ、身分を証明するものが整骨院の診察券しかなく、ご家族への連絡はできませんでした。数分後、救急車が到着しました。救急隊は、その老人を担架に乗せ、救急車に乗せようとしましたが、私が手伝おうとすると、”われわれでやりますから”と言い、そのまま搬送しようとしているような感じでした。私は、その間に聞き得た状況を急いで伝えて、連絡先は不明だけれど、整骨院に問い合わせたらわかるかもしれないということだけ説明しました。

まあ、私が医師だと名乗らなかったから機械的に業務をこなしたのかもしれませんが、せめて第一発見者や、その場に居合わせた人に状況を聞いてから搬送すべきではなかったのかなと感じました。もし私が何も言わずに搬送してしまったら、救急隊は搬送先の病院でなんと説明したのでしょう?

全国では救急隊の対応が問題になったケースはマスコミでも報道されています。たしかに忙しいのはよくわかります。しかし、せめてその場に居合わせた人からの情報収集くらいはすべきだと思います。札幌市の救急隊は優秀だと思っていましたが、ちょっと残念な出来事でした。

私たちの病院にも毎日何台もの救急車が来ます。そのうちの一部には、残念ながら救急車を呼ぶべきではない患者さんもいらっしゃいます。病院に到着した途端、歩いて病院に入る患者さん、この時間はバスがないからと救急車を呼ぶ患者さん…。そのような患者さんが多いと救急隊のストレスは増すことと思います。限りある救急車を本当に必要な患者さんのために使えるように市民も考える必要があります。

もちろん自分で判断できない場合もありますので、結果的に軽症であったからと言って、救急車を呼んだことに罪悪感を感じる必要はありませんし、迷った場合は119に電話することをためらう必要はありません。ただ、故意にタクシー変わりに救急車を使うのはやめてもらいたいものです。そのことで、救急隊員の緊張感が薄れてしまうと、本当に必要な判断ができなくなってしまう可能性があるからです。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
妻が定期検診で半年後の再検査を指示されまして、先日マンモグラフィー検査をおこなったところ、左胸上にモヤモヤした石灰化が認められました。主治医の説明だと半年後に数が増えていたり、形が変わらないか再検査をしますと。そこで何もなくても定期的にマンモグラフィーでの検査は続けていかないとダメと言われました。あと、心配なのであればMRIをとってみて検査を進めることもできますと言われましたが、MRIをとって経過観察になったとしても、結局は定期的にマンモグラフィーをとらなくてはいけないのだと理解しました。それなのであれば、今回のタイミングでMRIをやらずにマンモトーム生体検査を行いたいと思ったんですが、判断としていかがでしょうか?あと主治医からはカテゴリーの話はなかったそうですが、モヤモヤの石灰化という状態で、半年後の再検査というのはどのカテゴリーに属するのでしょうか?教えて頂けると幸いです。とてもとても心配です。子供もまだ小さく、2人目も欲しいと思っているので無事なことを心から祈りつつ、質問を終わらさせて頂きます。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
はじめまして。
石灰化は、形状と分布でカテゴリー分類をします。たとえば小さな円形の粒状の石灰化が狭い範囲に集まっていた場合は、”微小円形石灰化の集簇”としてカテゴリー3と判定されます。

”モヤモヤした石灰化”というだけでは、その形状も分布もわかりませんし、実際に見ているわけではありませんのでカテゴリーや検査の必要性などについて私がお答えすることはできません。ご心配なさるお気持ちはよく理解できますが、疑問に思われるのでしたら、担当医に直接お聞きになるのが良いと思います。

なお、マンモトームをする場合は、その前にMRを受ける方が良いです。なぜならもし悪性であった場合、その後にMRを撮影してもマンモトームによる内出血の影響で広がりの診断が困難になる場合があるからです。マンモトームの適応を判断する上でもMRは有用です。なんでも最大限の検査を最初からすることが良いわけではありません。順序を踏むということも大切なのです。

なお、トップページの注意事項をご一読いただければ幸いです。あまりお役にたてなくて申し訳ありません。