先日触れたSt,Gallenのレポートでも記載されていた、早期乳癌術後の再発危険度を予測する遺伝子解析は日本でも検査依頼が可能です。その一つがOncotype DXです。
適応は、以下の通りです。
①初めて乳がんと診断された患者さんで、主治医の先生と術後の化学療法を受けるかどうかを相談・検討している方。
②ステージⅠまたはⅡの浸潤性乳がんと診断された患者さん。
③エストロゲンレセプター陽性(ER+)の乳がんの患者さん。
④リンパ節転移が無い(陰性)の乳がんの患者さん。
*閉経後でリンパ節転移があり、ホルモンレセプターが陽性の患者さんも適応になりました。
これは検査受託会社の資料に書かれている内容です(http://www.oncotypedx.com/ja-JP/Breast/PatientCaregiver/IsOncotypeRight)。実際は、HER2陽性の場合は化学療法は必須なので除外されるはずです。
つまり、再発危険度を癌細胞の遺伝子検査で判定し、術後の補助療法として、ホルモン療法に化学療法(抗がん剤)を上乗せするメリットがあるかどうかを調べる目的で行なう検査です。
問題点は、今のところ検査材料(手術標本の一部)をアメリカに送らなければならないため、約45万円ほど費用がかかることです。簡単に出せる値段ではありませんので私は未だにこの検査を依頼したことはありません。道内でも今までほとんど依頼はないそうです。
ただ、もしこの検査で化学療法は不要と判定されたら、不必要な化学療法の副作用を避けれるし、化学療法にかかる費用もかからずにすむわけですから、これからは検査依頼が増えるかもしれません。
皆さんはこのような患者さんの立場だったら、45万円払ってでも検査を受けたいですか?
私が患者だったら…、お金があれば受けたいですね。でも高い…。