聞き慣れない言葉ですが、今回の日本乳癌学会総会のメインテーマです。EBM(Evidense Based Medicine)に対する造語だそうです。
EBMを基本としつつもいかに心温かい医療が提供できるか…、これは、いつも私が感じていたこと、そのものです。EBMはとても大切です。以前はEBMを無視して、好き勝手な思いつきの治療を行なっていた時代や施設もありました。結果として、患者さんに不必要な苦痛を強いたり、適切な利益を与えることができなかったりということも起きていました。きちんとした臨床試験の裏付けのある標準的な診断や治療を世界中どこの施設でも行なえるようにする、EBMという概念は今もこれからも医療の基本となるのは間違いありません。
しかし、きちんとしたEvidenseがない医療行為は、まだたくさんあります。そしてEvidenseの元になった臨床試験は、今から10年以上前の医療状況のもとで行なわれたものである場合もあるということにも配慮しなければなりません。そしてEBMにこだわりすぎてしまうと、いつの間にか医師と患者さんという人間同士の関係が、理論と患者さんという関係になってしまいがちです。
Evidenseを熟知しながら、一人の患者さんと人として向き合い、一緒に検査や治療を考えていく…。当たり前のことのはずですが、そうではない対応をされた患者さんの話をよく耳にします。癌治療の専門家と言われる医師の中にもそのような対応をする人がいるというのは非常に残念なことです。
4 件のコメント:
癌治療は、主治医に治療方針をいくつか提示してもらい、しっかりエビデンスをもとに説明してもらった上、どの治療をうけるかは患者自身が決めなければなりません。。
患者もとても苦しい治療の選択をしなければならない時もあります。
その時にはやはり頼りになるのは患者にとっては主治医です。
もちろん患者も自分の病気の事なので一生懸命勉強します。
そしてどの治療が一番いいのか最善の治療法を考えていくには、主治医と患者のお互いの信頼関係があるからこそ成り立つことだと思ってます。
合う合わない相性の問題もあるかもしれませんが、医師の中にそのような対応する方がいらっしゃるなんて、悲しいですね。。
今後一人として、このような事で泣くような患者さんがでないことと願うばかりです。。
kimity0115さんへ
そうですね。エビデンスはあくまでも検査や治療を決める上での重要な参考資料の一つなんだと思います。結局は患者さん個々の状況を考えて、決めるのがベストだと思います。そういう意味でも医師と患者さんの信頼関係はとても大切ですよね。
学会のテーマなのですね。EBMという造語、、ステキな言葉ですね。人として患者さまと向き合うことは簡単なようで難しいことだと思います。日々を振り返りながら、これからも医療に携わっていきたいとおもいます。kimikomew
kimikomew3824さんへ
EBMから一歩進んだ考え方だと思います。でも医療の原点でもあると思いますもこれからはこういう考え方を忘れずに医療を考えていかなければなりませんね。
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