2012年1月14日土曜日

研修病院の視察

昨日、15年前に私が研修した東京のG病院に久しぶりに行ってきました。

今回はこの春からここの乳腺センターで研修するN先生と旭川の系列病院のSI先生(SI先生もこの病院で研修を受けた先輩でTI先生に直接指導を受けていた関係で同行してくれました)、そして私の3人で部長のTI先生にご挨拶をするという目的で、そのついでと言ってはなんですが病院の見学もさせていただこうということで訪れたのです。

朝7:50にTI先生と待ち合わせをしてご挨拶したあとで、まず乳腺センター(乳腺外科、化学療法科、病理科)のCancer Boardに参加させていただきました。臨床研究テーマについての討論や再発症例の治療方針の検討などが行なわれていました。すごい参加人数なのと女性が非常に多いことに驚きました。

そのあと手術室に入り、2件の手術を見学しました。1件は乳房全摘術+センチネルリンパ節生検+ティッシュー・エキスパンダー挿入の手術でN先生は手洗いをして助手として参加させていただきました。非常に確実かつ丁寧な手術でした。さすがに数多くの手術をこなしておられる先生です。全摘後に手を替わって執刀した形成外科の先生にはいろいろ質問させていただきましたが親切に教えて下さいました。細かいコツの習得は必要ですが、短期間の研修でティッシュー・エキスパンダーを入れるところまではできるようになるとおっしゃって下さいました。N先生が研修で学んできてくれれば、病院、そして患者さんにとって大きなメリットになりそうです。閉創は特殊な縫い方をしていて驚きましたが、創はとてもきれいでした。私とSI先生は手洗いをしなかったのでもう一つの乳房全摘術+腋窩リンパ節郭清の手術も少し見させていただきました。かなりのリンパ節転移のある症例のようで大変そうでした。

昼ご飯を食べてからはまず乳腺センターの部長回診に同行させていただきました。やはり私たちの病院に比べると患者さんの年齢層が若い印象でした。TI先生からは、G病院での創部やドレーンの管理について教えていただきました。15年前とはやはりかなり変化していますが、基本的には私たちの病院での管理と大きな違いはなさそうです。ただ患者さん向けの教育(リハビリや手術・化学療法の定期的な学習会、脱毛時の帽子の作り方の講習など)がとても行き届いていることは参考になりました。

そのあとTI先生直々に病院内の様々な部署を案内していただきました。特別室(最高1日○十万円!)や緩和ケア病棟、いくつも診察室がある乳腺外来、外来化学療法室(60床!!)、超音波検査室、放射線診療部、検診センター、病理検査室、図書室や医局などゆっくり時間をかけて見せて下さいました。

私やG先生、SI先生が研修した時はまだ都内の別な場所に病院がありました。とても古い建物で趣はありましたが、患者さんにとっては快適とは言えない病院でした。G病院が今の場所に移転してからは、一度中に入ったことがあるだけで、病棟や手術室などを見るのは初めてでした。実際あちこち見学させていただくとあのころの病院と比べるとまったく別の病院になっていました。特別室のある12階から見た景色は最高でしたし、中庭にはベンチもあり、コーヒーショップやレストラン、コンビニなど患者さんにとって非常に快適な病院だと感じました。私たちの新病院とは規模がまったく異なるのですが、参考になることがいくつもありました。

前日の夜中23時くらいにホテルに着いて、今日の10時の便で戻ってきましたのでちょっと疲れましたが充実した時間を過ごすことができ、大変勉強にもなりました。出向研修に少し不安を感じていたN先生も実際に自分の目で施設を見学でき、TI先生を始めスタッフの皆さんにとても親切にしていただいたので安心して研修に出ることができそうです。

TI先生には大変ご多忙の中、長い時間を割いていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。またいつか短期間でも良いので研修させていただきたいと思っています。

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