2012年1月22日日曜日

緩和ケア研修会 2日目終了!


やっと2日間の緩和ケア研修会が終わりました。連日朝早くに回診をしてから参加したので寝不足も加わって疲労困憊です(泣)
でもとても実りのある研修会でした。

今日の講義では、個人的には知識が乏しかった「緩和ケアにおける精神症状のマネジメント」がとても勉強になりました。がんの進行に伴って患者さんには様々な精神症状が伴ってきます。それは本人にとっても苦痛なことです。適切な診断とケア、薬剤の選択が重要であるということを教わりました。また、日常診療でうつなのかなと思う症状の多くは病状の悪化に伴う低活動型せん妄という病態であるというお話は、思い当たる患者さんがいたこともあってとても興味深く聞いていました。

そのあとまたロールプレイがありました。今日は、医師役の時は医療用麻薬を処方したら嘔気の副作用が出てしまったというシナリオでした。これはいつも診療で行なっていることなのでわりとスムーズにできたと思います。患者の家族役のシナリオのときは、「麻薬は命を縮める、麻薬を使うとすぐに死んでしまう、麻薬でがんが進行してしまう」という間違った知識をインターネットで得たという設定でしたので、医師役のDrにしつこくごねてみたりしました(笑)でも医師役のDrはベテランだったのでさすがにうまく対処してくれました。

午後からの「呼吸困難」のセッションでは、呼吸困難は主観的な症状であり、呼吸困難と呼吸不全とは一致しないこと、早い段階でモルヒネを投与し、段階的に治療を考えること、薬物療法だけではなく環境の整備も重要であるということを教えていただきました。

もう一つ自分として弱いと思っていたのはがん患者さんの在宅ターミナルケアと地域連携についてです。これは道内でがん患者さんの在宅治療の先駆けとして活躍されているM先生がわかりやすく解説して下さいました。終末期がん患者さんには時間が限られているのでできるだけ早い段階で準備に取りかからなければならないこと、在宅で往診してもらう診療所の医師と顔が見える関係を築き、入院中に患者さんとの顔合わせをしておくとスムーズに受け入れができること、終末期を在宅で過ごしたいと考える患者さんは多いけれど最後まで在宅でと考えている患者さんはそれほど多くないので、入院を希望した時にはきちんと受け入れることができる体制を整えておくことなど、などが大切だということを教わりました。

最後にケーススタディをグループごとで行なって全てのプログラムが終了しました。そのあと修了証(写真)をいただき、ようやく帰ることができました。かなりハードな日程でしたが、充実感を得られた良い研修会だったと思います。さっそく明日からの診療に活かしたいと思ったこともいくつかありました。今回の研修会で学んだことを少しでも患者さんに還元できたらと思っています。

2 件のコメント:

ホワイト さんのコメント...

緩和ケアの、研修~本当に、お疲れ様でした
朝、早くに、病棟に行ってからの、研修~とお察しいたします。
私が入院してた時も、びっくり!!するくらい、早くに来て頂いた事を、思い出しました。先生が、自分の、知識や、スキルをさらに、勉強して頂き、こうして、ブログにして頂き、本当に、心強いです!
私も、なにか、できるかな?と・・勇気を頂きました・・
ありがとうございます^^
身体、大事に、頑張ってください^^

hidechin さんのコメント...

>ホワイトさん
ありがとうございます。
幸い研修場所が病院の別館だったので回診もできて良かったです。なんとか今週1週間乗り切ります!(でも週末はまた東京で研究会です…)