2013年9月14日土曜日

北海道乳腺疾患研究会&乳癌学会地方会

昨日は夕方から北海道乳腺疾患研究会がありました。今回は診断困難症例の症例検討と招待講演2題でした。私は症例検討の1例を担当し、報告してきました。

今回の症例検討は、画像を提示して参加者に読んでもらうのではなく、症例報告のような形式で行なわれ、がんセンター病理部のY先生にコメントをいただきながらフロアからの質問を受けるような感じでした。

SクリニックのS先生の症例は、多発の乳管内乳頭腫のフォロー中(何度も生検、摘出を施行)に乳がんが発生してきた症例でした。どうも乳頭腫の一部ががん化したように見える部分もあった非常に貴重な症例だったと思います。このような症例をどうフォローしていくか、非常に頭の痛いところです。

私の症例は、細胞診によって良性腫瘍の細胞が播種し、浸潤がんの一部のように見えた症例でした。発表自体は問題なく終了しましたが、なかなか目撃することがないような珍しい症例だったためか、終了後の懇親会の際にも何人かの先生方に声をかけていただきました。

講演は、1題は、乳がん患者(特に若年)のサバイバーシップに関するお話、もう1題は、乳がん治療、特に内分泌療法に関する最新の知見と課題に関するお話でしたが、2題ともとても興味深い内容で非常に勉強になりました。できればスライドをいただきたかったです。演者の先生方お二人は九州で一緒に仕事をされていた経歴があります。昨日は札幌の寒さに驚かれていました。


そして今日は乳癌学会の北海道地方会でした。今回はG先生、N先生に発表してもらうことにして私はサポート(ほとんど何もしませんでしたが…)にまわりました。ですから私は午前中は病院で検診を行なってから会場に向かいましたが、2人の発表は午後からでしたので余裕で間に合いました。G先生は、再発を繰り返すうちにサブタイプが何度も変化した症例の報告、N先生は、フルベストラントの使用成績についての検討でした。2人ともつつがなく発表できてほっとしました。

教育セミナーは、画像診断、治療方針に関するディスカッションでした。乳癌診療ガイドラインに基づいた解説がとてもわかりやすく、知識の整理に役立ったのではないかと思います。またS病院のT先生の超音波診断に関するミニレクチャーもわかりやすくて良かったです。コーヒーブレイクセミナーは、アブラキサンに関する問題点と賢い使用法について四国のH先生がユーモアを交えながらわかりやすく解説して下さいました。

途中からの参加でもかなり盛りだくさんの地方会でした。ちなみに初めて母校のH大学医学部の臨床講義棟なる建物に入りましたが、私たちが学生だったころの汚い階段教室の大講堂と比べると雲泥の差でした。今の講義は黒板などは使わずにほとんどスライド中心におこなっているのでしょうか?一度講義を聴いてみたいものです。

2日連続でしたのでちょっと腰が痛くなりましたが、様々な講演、ディスカッションを聞けてとても勉強になりました。

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