2009年4月27日月曜日

乳癌の治療最新情報3 ”ラパチニブ承認!”

ついに正式にラパチニブが承認されました!発売は6月の予定です。

今回取得した適応は、癌細胞にHER2という受容体が過剰に発現している(HER2陽性)乳癌で、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤(FECやECなど)、タキサン系抗悪性腫瘍剤(パクリタキセルやドセタキセル)、および、ハーセプチン(トラスツズマブ)による化学療法後の増悪または再発の患者に対するゼローダ(カペシタビン)との併用療法という限定したものですが、治療に難渋していた患者さんにとっては朗報です。

この薬剤の特徴は、脳転移にも有効なこと(ハーセプチンは無効なことが多い)、HER2だけではなくHER1(EGFR)という受容体にも作用するため、ハーセプチンとは作用機序が異なること、経口薬剤であること(毎週受診しなくていい!)、ハーセプチンと異なり心毒性が少ないことが挙げられます。問題点としては、ハーセプチン同様に高価であること、今のところゼローダとの併用でしか投与できないことです(販売価格は未定)。

今後は臨床試験を重ねて、早く他の薬剤との組み合わせも可能になって欲しいものです。

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ラパチ二ブですか。待望の新薬の発売ですね。経口薬なら患者さまも受け入れやすいですね。医療は日々進化しているのですね。勉強になりました。kimikomew

hidechin さんのコメント...

kimikomew3824さんへ
そうですね。やはり毎週点滴に来るより、内服の方が患者さんにとってはうれしいと思います。
ただ、薬剤費の負担がかなりきつそうなので、何らかの新たな公的扶助制度を作って欲しいものです。

kimity0115 さんのコメント...

新薬発売とっても喜ばしいことですね。
この新薬を待ってた患者さんもいっぱいいらっしゃることだと思います。
新薬がこのようにどんどん発売されることによって、治療の選択の幅も広がるし、標準治療として浸透していっていただきたいですね^^

hidechin さんのコメント...

kimity0115さんへ
私の周りでも何人も患者さんが待ちわびています。何とか発売まで小康状態を保って欲しいといつも願っています。
治療の選択肢が増えるのは、とても喜ばしいことですよね。でも、医療従事者の立場としてはやはり新薬は慎重に投与しなければならないし、やみくもに使うのではなく、きちんとしたデータをとって効果的な使用法の追究をすべきだと思っています。