2009年8月18日火曜日

乳がん検診無料クーポン券

2年に1回のマンモグラフィ併用検診が少しずつ認知されてきましたが、自治体が検診料金の一部を負担してきたにもかかわらず(札幌では40歳代が1700円、50歳以上が1400円の自己負担)受診率はいまだに満足できるものではありませんでした。

そこで今年度から札幌では(他の自治体ではわかりません)4/1現在で、満40歳、45歳、50歳、55歳、60歳の女性に対して全額を自治体が負担するクーポン券が送付されるようになりました。
この制度を利用すると、例えば44歳で通常の検診を受けた人が、45歳で無料検診を受けて、さらに46歳でも検診を受けれることになります。結局、受ける人はより濃厚な検診を受けるだけで(つまり述べ受診者数の増加)、絶対数(実受診者数)は増えないのではないかと危惧していましたが、今のところクーポン券を受け取って初めて検診を受けるという人たちもけっこういるようです。やはりタダの魅力は大きいということでしょうか?

どうせなら5年に一度の無料ではなく、2年に1回の検診をすべて無料にすれば実受診者数はもっと増えるのに、と思ってしまいます。まあ、このご時世、自治体の財政も厳しいでしょうけどね。

無料クーポン券で今まで受けていなかった人たちの受診につながればいいな、と思っています。

4 件のコメント:

kimity0115 さんのコメント...

久しぶりにコメントさせていただきます( `ー´)ノ
がん検診の対応は自治体によって様々ですよね。
このように対応するようになった札幌市でも徐々に検診率が上がるのを期待したいですね。
今はまだ5年ごとのようですが、もちろんすぐには何事も思うようには進まないのは致し方ないことだと思います。
2年に一回の検診が必要という認識を浸透させるためにも、これからも、この無料クーポン券がいいきっかけになるといいですよね。

hidechin さんのコメント...

kimity0115さんへ
そうですね。最初のきっかけができれば先につながると思います。
無料クーポンが2年に1回、送られてきたら、かなり受診率は上がりそうですよね。

匿名 さんのコメント...

医療従事者です。
先日、乳癌術後の方が無料クーポン券で検診を受診されました。
10年前に他院で全摘術をされ、6年前までは受診されてたようですが、主治医の転勤?をきっかけに中断。その後はまったく受診歴はなし。
クーポン券で検診をうける全摘術後の患者さん。どう考えたらいいんだろ?
受診につながる後押し、きっかけになりえると思えばいいのでしょうか?
担当の医師は、「次回からは、診療として診させていただきます。」と話していました。

hidechin さんのコメント...

匿名さんへ

本来、乳がん検診は、普段医療機関に乳腺疾患でかかっていない、無症状の方を対象としたものであり、症状のある方や乳癌術後の方は対象外です。

乳癌術後の方が検診対象として望ましくない理由は、

①50歳以上の場合は検診は1方向ですが、high riskの乳癌術後の患者さんに1方向では不十分な可能性があること
②検診費用は、両側の乳房を撮影することを前提としており、全敵後の患者さんのように片側だけの場合の費用設定をしていないこと
③乳房温存術後のマンモグラフィは、術後の変化が加わるため、同一施設での経年的変化の観察と超音波検査の併用が望ましいこと
④検診は現行では2年に1回ですが、乳癌術後の場合は1年に1回のほうがより望ましいこと(1−2年に1回と言う人もいますが…)

などが考えられます。
やむを得ず検診の手続きを取ってしまった場合は検診扱いにしていますが、次回以降は保険診療を勧めるように私もしています。検診が中断していた患者さんの受診のきっかけになるのは良いことですが、検診でつなぐとまた中断してしまう恐れもあると思いますよ。