2010年1月31日日曜日

乳癌の治療最新情報13 ハーセプチンの自己投与製剤

ハーセプチンを製造販売しているスイスのロシュ社が、自己接種できるタイプのハーセプチンの開発に目処がたったということで製造ラインへの設備投資を発表しました。このタイプの製剤とデバイスはすでに第3相臨床試験中とのことです。

ハーセプチンはHER2陽性乳癌に対する非常に有効な薬剤ということで、現在、進行再発乳癌、乳癌術後の補助療法として投与されています。問題は高額なことと、特に進行再発乳癌に対しては週1回投与しか保険では認められていないため、毎週通院しなければならないということです。そういう意味では患者さんの負担が大きな薬剤でした。

今回の製剤が認可されれば、例えば4回分を処方してもらえば月1回の通院ですみます。外来で毎週長々と待つ必要もありません。

自己接種(インスリンと同様の皮下注のようです)の手技の問題と安全性の問題がこの臨床試験でクリアできれば、患者さんにとっては大きな恩恵になると思います。

販売はまだまだ先かもしれませんが、待ち遠しいですね。

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