2010年3月6日土曜日

授乳期の乳房痛

授乳期に乳房が痛くなり乳腺外来に受診する方が時々いらっしゃいます。

①授乳中もしくは断乳直後に発症 ②赤くなって腫れているまたはしこりがある ③痛みがある ④熱がある、という症状がそろえば、まず乳腺炎と考えて良いと思います。この場合は、受診するのは乳腺外科ではなく、産科のほうが良いと思います。産科には助産師がいて授乳中の乳房の手入れや乳腺炎の対処を指導してくれますし、搾乳のためのマッサージもしてくれると思います。また抗生物質も処方されることが多いと思いますが、これらの処置で改善しない場合は、切開しなければならない場合もあります。

もし最初に一般外科に受診してしまえば、いきなり切開されてしまうこともあります(昔はすぐに切っていました)。もちろん、これらの産科での処置で改善しない場合は、乳腺外科に受診した方が良いです。

ただ、もし赤みと腫脹だけで、痛みも発熱もなければ炎症性乳癌の可能性があります。皮膚を広めにかるくつまむと、毛穴がまるでミカンの皮のように目立つのが特徴です。また、発熱がなく、しこりだけの場合は痛みがあってもなくても乳癌が隠れている可能性は否定できません。これらの場合には、まず乳腺外科に受診して検査を受けることをお勧めします。

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