2012年6月20日水曜日

乳腺術後症例検討会 20 ”検診発見乳がんの悪性度”

学会発表準備や日常業務に追われてなかなかブログの更新ができませんでした。ようやく学会準備もほぼ終了し、今日の乳腺症例検討会で発表内容の概要を紹介してきました。

今日の症例は3例でしたが、いずれも比較的典型的で画像的にもあまり迷うことのない症例でしたのでスムーズに進行しました。今回は来週の乳癌学会の影響で通常よりも1週早く行なったために場所の確保ができず、超音波検査室を使用しましたのでちょっと手狭でしたが、かえって距離が近くてアットホームな雰囲気になったと思います。

私の今回の発表内容は以前も簡単にここでご紹介しましたが、検診発見乳がんの悪性度についての発表です。検診が無意味だと主張する人たちをこの発表のみで否定するつもりはありませんが、検診発見乳がんすべてがおとなしいがんではないということは今回の検討からは言えそうです。

もちろん今の検診で悪性度の高いがんすべてを拾い上げることはできないのも事実です。しかし、そのことだけを取り上げて”検診で見つかるがんは命に関わらないようなおとなしいがんだから検診を受ける必要はない”とか、”治らないがんは早期発見しても治らないのだから早期発見は無意味だ”などと無責任に主張することは正しいとは思いません。

今の検診に問題があるのであれば、それをどうやって改善し、どうしたらもっと多くの患者さんを救えるような効果的な検診ができるのかを考えるのが医療者として正しい姿勢なのではないでしょうか?今回の発表がそのような課題の解決に少しでも役立てば…と思っています。

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