2015年1月9日金曜日

NSABP B36 ”リンパ節転移陰性乳がんに対するFEC100×6とAC×4の予後は同等”

昨年12月に行なわれたサンアントニオ乳がんシンポジウム2014で、リンパ節転移陰性乳がんに対するFEC100×6とAC×4の無作為化弟Ⅲ相試験(NSABP B36)の結果が報告されました。

観察期間中央値は82.8ヵ月(7年)、50歳未満が約40%、ホルモン受容体陰性が約35%、腫瘍径2cm未満が50.0%、グレード3が43-44%。人種は白人が約85%、術式は乳房部分切除術が68%で施行され、トラスツズマブは10-11%で投与されました。グレード3-4の毒性発現率は倦怠感、好中球減少性発熱、感染、口腔粘膜炎、血小板減少、血栓塞栓のイベントはいずれもFEC100で高かったとのことです。化学療法中の死亡はACで2例、FEC100で5例に認められました。

そして予後に関しては、DFS、OSともに両者でまったく差を認めなかったとのことです。もしこの結果が正しいのでしたら、毒性が少なく、短期間で終了し、治療費も安いACの方がより望ましいということになります。ただ、抗がん剤の臨床試験結果は、しばしば追試すると異なる結果が出ることがあります。ACが多く使用されている米国からの今回の報告を見て、FECを主に使用している欧州ではどう反応するのでしょうか?

論文を読んだわけではないので詳細は不明ですが、全例でG-CSFの予防投与は行なっているのでしょうか?FEC100は毒性が強かったということですが、そのために治療強度が下がっていたということはないのでしょうか?論文化されたらよく読んでみたいと思います。またリンパ節転移陽性の場合についても同じことが言えるかどうかもわかりませんので、私の施設では当面はFEC100を継続すると思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

乳がん術後ホルモン治療中です。
色々勉強になります!!!
先生の様な方が側に居てくれら心強いだろーなぁー(*´∀`)

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
コメントありがとうございます。
私自身もこのような研究結果を見ながら勉強中なのですよ(笑)。ホルモン療法頑張って下さいね。お大事に!