2009年4月15日水曜日

なぜここまで…受診が遅れた理由

乳がん検診の啓蒙活動がさかんに行われるようになり、早期乳がんの発見が増えている一方で、残念ながらいまだにかなり進んだ状態で受診される患者さんも少なくありません。

気づかないうちに大きくなっていたという方もたまにはいますが、しこりをかなり前に自覚していたというケースがほとんどです。

受診しなかった理由は様々ですが、主なものを挙げてみます。

①”がん”と言われるのが怖かった(漠然とした癌への恐怖心)
②乳がんの治療が怖かった(手術、抗がん剤)
③家庭の事情でなかなか受診できなかった(子供が小さい、受験があるなど)
④仕事が忙しくて休むことができないから(職を失う不安)
⑤経済的な不安

①②で受診を遅らせても、結局は腫瘍の増大による痛みや出血、臭いで受診することになります。きちんと説明されれば、治療はそれほど怖いものではありませんし、危険なものでもないのですが…。これらは早期発見の重要性を強調するだけではなく、乳癌の治療についても啓蒙活動を広げることによって解決できる問題かもしれません。
③④⑤は社会保障制度が不十分なことに起因する心理状態であり、現在最も憂うべきことです。特に最近では④⑤が増えているかもしれません。ただ、いまだに不十分な社会保障制度ではありますが、実際はある程度は何とかなるものです。役所や病院の相談窓口で話をしてみると意外と知らない制度があったりします。もし、悩んでいる方がいれば相談してみてください。

いろいろ不安になることもあると思いますが、乳癌を放っておいて良いことは何一つありません。しこりを自覚したらなるべく早く、乳腺外来に受診してください。

我慢して我慢して骨転移で動けなるまで我慢した患者さんがいました。ご家族も私たち医療従事者もとても無念です…。このような患者さんが少しでも減るようにこれからも活動していきたいと思っています。

10 件のコメント:

ちっこ さんのコメント...

「母の日」のイベントで皆さんにお知らせしたいので コピーして使ってもいいですか?

hidechin さんのコメント...

ちっこさんへ
このような稚拙な文章でもお役に立てるのでしたらどうぞお使いください。
「母の日イベント」に参加できればと思っていたのですが、予定が重なりそうで難しいかもしれません。
ご成功をお祈りいたします。

リンダ さんのコメント...

私は、気づかないうちに大きくなっていたというほうでした。

子宮筋腫もあり、また何度か子宮がん検診でグレーゾーンでしたから、産婦人科は半年ごとに検診に行っておりました。
そこの産婦人科では、受診時に乳癌の触診もされていたから安心してたんですが、
ある時以上に白血球が上がっていた時があり、「なんか傷とかあった?」と聞かれたのだけど・・今思うに乳癌が活性化してたんでしょうね。
主治医には「産婦人科じゃ乳腺外科じゃないから、よくわからないんよ」と言われました。

おまけに、私はアルバイトで市の乳癌検診の受付をしておりました。だから自分は行政がする乳癌検診は数年行っていませんでした。

でも、乳癌が発覚する(しこり3.5センチ)7年前に検診でひっかかり、病院に行ったんですが、その時は細胞診はぜずに、レントゲンとエコーで乳腺炎と言われました、思えば、その時の医師に定期的に検査するよにと言われていれば、とも思うのです・・。
患部はその時の位置なのかははっきり覚えておりませんが。


早期発見なら、盲腸みたいに軽い治療でおわりますよね。

今後も、回りの人には啓蒙したいと思います。

hidechin さんのコメント...

リンダさんへ
婦人科での乳がん検診は、以前はかなり問題がありましたね。乳がんを見たことがない婦人科医が腹部エコーを使って乳房を見たり…(腹部と乳房では使用するプローブという装置が異なります)。このような営利主義的な検診による見逃しが社会問題になったこともあり、まるでエコー検査が悪いかのような風潮になってしまいました。ただ、最近では、熱心な婦人科の先生も増えて、マンモグラフィ検診の読影医の資格を取ってきちんとした検診を行なっている施設も増えているようです。
リンダさんのように一度外科につながりをもつ機会がありながら、きちんとフォローしてもらえなくて健診から遠ざかってしまうことがあるのはとても残念なことです。私は、検査で異常がなくても必ず次の受診を指定するようにしています。目安は、マンモグラフィ検診のみでまったく異常がなければ2年後のマンモグラフィ検診(希望者は1年後のマンモグラフィまたはエコー)、乳腺症がある方は毎年のエコーと1-2年に1回のマンモグラフィ、しこりなどでフォローが必要な方は3-6か月に1回のエコーと1-2年に1回のマンモグラフィです。
中には、一度乳がん検診を受けて異常がないと言われると、もう乳がんにならないと思ってしまう方もいますので、定期的に検診を受ける必要性については必ず説明するようにしています。

kimity0115 さんのコメント...

確かに近年何人かのタレントの告白もあったりして、マスメディアも乳がんをとりあげたり、自治体なども、乳がん検診の啓蒙活動盛んに行われていますね。

とてもいいことだと、わかりますが

私は①から⑤以外理由として、乳がん検診を促す、年齢設定がネックにあると思います。

「40歳になったら乳がん検診に行きましょう~」
今こうやって乳がん検診を呼びかけている自治体も多いのではないでしょうか・・

もちろん発症のピークは50歳ぐらいかも知れませんが、現実、若年性乳がんの方も大勢いらっしゃいますし・・
はっきり言って、私はこの年齢設定に疑問も持ちます。

一見したら、この文言を見てなんの知識のない人にとっては、じゃあ乳がんって40歳以下は病気にならないんだ~とか40歳までは大丈夫なんだ~と、恐ろしい誤解とうけとめられかねません。
一番こわいのが、なにか乳房にきになることがあっても、私はまだ40前で若いから、まあ大丈夫かな~って安易に放置してしまうことじゃないでしょうか・・・

まあ実際、年齢に関係なく自分であれ?と何か気づいて、すごく心配に不安に思ったとき働く心理としては、まず①の気持ちでしょう。

①の気持ちのときは、まず、癌じゃないよね、大丈夫だよねって自分で、少しでも癌になる条件?にあてはまらない項目を探して安心しようとしてしまいがちです。

だってここに40歳から検診勧めるってかいてあるし、私まだ30代だし・・・って、

そして自分に言い聞かせて、40歳じゃないから大丈夫っていう、逃げ道を作って安心させようという気持ちが働くでしょう。

癌を受け入れたくないから当然ですよね。
でもこれは、非常に怖いと思います。

なので私は、あえて年齢設定なんてしなくても、40歳以下の方にも同じように乳がん検診の必要性を訴えたいです。

私の場合も職場の健康診断があったので、40歳半ばの職場の先輩に、当時38歳の私に、
「30代後半なら、乳がん、子宮がんも、もうそろそろ一緒にうけといたほうがいいよ。
私も40歳くらいから毎年マンモ、エコーと交互に検診うけてるよ。
乳がんは40歳くらいから50歳くらいにかけて発祥するピークだからね、今から受けといてもいいんじゃない~。」

と、いう風に軽く声をかけられました。

当時の私は、ただただ、ピークの年齢なんてあるんだ~へ~乳がんってそうなんだ~~って思っただけで、
何気なく軽い気持ちで受けてみた口です。

だからまさか私の年齢で乳がん発覚なんてていう印象で、思いもよりませんでした><

でもその先輩のおかげで乳がんを発見できてそれは本当によかったですし、先輩に感謝してます。

私みたいに40歳近い年代だったからよかったかもしれませんが、そういう年齢設定によって30代までの方が、検診に行くチャンスを思い込みで行かなくなるケースもあり、結果40歳になって自分で大きくなってしまったしこりにきずいたり、検診で見つかったりで、早期発見にではなくなってしまう事もあると思いますので、年齢設定な抜きにして、若いときから、検診にいくように促して欲しいと切にお願いしたいです。

hidechin さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
hidechin さんのコメント...

kimity0115さんへ
まったくご指摘の通りだと思います。
前は30才からだった対象年齢が、マンモグラフィ検診で30歳代での有効性が証明されなかったために40歳以上になったことが、30歳代には乳癌はできないという誤解を招いている可能性は否定できません。一方で、乳がん検診を受けたいと思っている40歳未満の女性が、どこに行ったらいいのかわからなくて困っているということもあります。
できるだけ早く、30歳代にエコー(+マンモ)検診が導入されるといいですね。

匿名 さんのコメント...

ありがとうございます!!

資料提供は大変嬉しいです
多くの方に「検診へ行く勇気!」を与えられる切っ掛けになると思います!

イベントはこれからも色々企画しますので
時間の都合が付く時に様子を見に来て下さいね。

みんなが色んな形で支え合う家族
それが「ピンクリボン・ファミリー」ですから(^_^)v

ちっこ さんのコメント...

↑ 名前 入れ忘れました(^_^;)

hidechin さんのコメント...

ちっこさんへ
イベント楽しみにしています。
「母の日」イベントももし行ければ顔を出したいと思っています。頑張って下さいね!