来月の半ばに、乳癌術後の患者会の日帰り温泉旅行があります。
この旅行は年1回恒例で行なわれていて、近郊の温泉にみんなで行ってゆっくり温泉につかって食事をして帰ってきます。今まで行った温泉は、新篠津村のたっぷの湯、由仁町のユンニの湯、小金湯温泉、豊平峡温泉、南幌温泉、岩見沢健康ランド…、他にもあるかもしれません。どこもバスを出してくれるので、行き帰りのバスの中でも患者さんたちと歓談しながら楽しい時間をすごします。時々、するどい質問や病院に対する要望も出されてたじたじになることもありますのでちょっと緊張もしますが…。
私たちの病院の乳癌患者会はかなり前(20年くらい?)からあります。設立当初のことは私もあまり知らないのですが、乳房切除をした患者さんが、傷あとが気になって温泉になかなか行けない、という意見が出され、”みんなで行けば怖くない!”と計画したのが温泉旅行のきっかけだったと聞いています。こういう患者さんの気持ちは、当然全国どこでも同じで、患者会設立のきっかけの一つになっているんだと思います。
全国組織の患者会である、あけぼの会や各病院の患者会だけではなく、”1・2の3で温泉に入る会”という、乳癌患者さんみんなで温泉に入ることを目的とした全国組織の会があったことを先日ある集まりで耳にしました。残念ながらある事情でこの会は解散してしまったようですが(詳細はお聞きしなかったのでわかりません)、きっと病院単位の患者会に参加していらっしゃらない患者さんの中には、このような集まりがあればいいのに、と思われている方が多いのではないかと思います。
もちろん、中には傷のことはまったく気にならずに入っているよ、とおっしゃる方もいらっしゃいますし、乳房温存術や乳房再建をされた場合は手術をうけたこともわからないくらいの方もいらっしゃると思います。本当は傷跡があってもまったく気にせずに入れる雰囲気があれば問題ないのでしょうが、中には好奇の目でじろじろ見られて嫌な思いをした患者さんもいたようです。心ない人はどこにでもいるんですね…。患者さんは好きで病気になったわけでもないのに、こういうお話を聞くととても悲しくなります。
北海道は10月にはもう紅葉が見ごろです。昨年の小金湯温泉の露天風呂から見た、山々の紅葉はとてもきれいでした。
今年も天気に恵まれて、みんなで楽しい時間を過ごしてリフレッシュできればいいなと思っています。
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