2009年9月3日木曜日

新型インフルエンザ~乳癌患者さんが注意すべきこと

いよいよ新型インフルエンザが国内で猛威をふるい始めています。

あの水際作戦は何だったのかと思うほど、今の状況はインフルエンザ感染者が増えることに対しては、仕方ないというあきらめムードになっています。たしかに今となっては国内に安全な場所はないと言ってよいでしょう。いつかはかかるものだと覚悟はしておいたほうがよさそうです。

では、何も注意しなくてもよいのかといえば、そうとも言えません。ワクチン接種が可能になるまでできるだけ爆発的な流行を遅らせる努力は必要ですし、特に高齢者や乳幼児、癌の治療中や重い合併症を持った患者さんにできるだけ感染させないような注意は必要です。

乳癌患者さんのすべてがインフルエンザにかかると危険というわけではありません。他の癌患者さんも同様ですが、手術後時間が経過していて、何の治療もしていない方は一般の人と危険性は同程度と考えてよいと思います。気をつけなければならないのは、抗がん剤投与中の患者さん、合併症として重篤な心臓や肺の病気を持っていたり、ステロイドや免疫抑制剤を内服している患者さん、高齢の患者さん、といったところです。

ワクチンが使えるようになったら、危険性の高い患者さんは接種しておいたほうがよいでしょう。また、インフルエンザ感染が疑われる場合はすぐに病院に連絡して受診すること、感染者が家庭内に発生した場合はタミフルの予防投与(この場合は保険適応外なので全額自己負担です)を主治医に検討してもらうこと、感染予防のために帰宅後は手洗い、うがいをきちんとすること(マスクは周囲にウイルスをまき散らす量を減らすことはできますが、自分が感染するのを予防することに関してはほとんど役に立たないといわれています)が重要です。

2 件のコメント:

kimity0115 さんのコメント...

今一番関心がある事だったので、記事にしていただいて感謝してます <(_ _)>

夏場なのにすごい勢いですよね。
これから通常の流行になる冬に向けて一体どうなるか・・・
とても不安になってしまいます。

今、政府は、不足分のワクチンを輸入したりして感染しやすい弱い立場の人を守っていくために、ワクチン摂取の優先順位をどうするか決めているようですね。

もちろんそういう方を守るのは当然ですが、私達のような比較的副作用が軽いといわれているホルモン治療中のがん患者や、なんらかの治療をしている微妙な立場の患者さんなどの立場は、どう分類されるのか・・・
細かな部分まではまだはっきりとした主旨がまだ伝わっていないようで、政府の対応にはもどかしいものがあります。

しかしこのような事態になるのは春の時からわかっていたはずであったのに、何故、今頃までかかってバタバタと政府はしているんでしょうかね。。
もっと迅速な対応をしてほしいです。

hidechin さんのコメント...

kimity0115さんへ

ホルモン療法中の患者さんは、high riskとは言えませんのでおそらく一般人と同じ扱いになると思います。やはり抗がん剤とは免疫に与える影響が違いますからね。
まだ正式に政府から優先順位の詳細が発表されていませんので何とも言えませんが、きっと大混乱になるのではないかと心配しています。