久しぶりに乳癌検診学会のHPを開いてみると、「乳がん検診の精密検査実施機関基準」という大きなバナーが表示されていました(http://www.jabcs.jp/images/seimitukikan.pdf)。乳癌学会と乳癌検診学会が共同で発表した指針のようですが、この基準はどうやらまだ「各自治体で目指すべき目標」という段階で、強制力はないようです。
今までは乳がん検診で「精密検査を受けて下さい(要精査)」という結果が返ってきた場合、どこの病院に受診するのかは患者さんの判断に任されていました。
しかし、実際、「要精査」という結果が返ってきても、どこの病院に行けばいいのか迷ったという方もいらっしゃると思います。そういう意味ではこのような基準ができることは望ましいことだと思います。
ただこの基準を読んでみると、特に地方都市では、医療機関側からみた施設基準のハードルは少し高いかもしれません。特に「乳腺専門医が常勤(当面は認定医でも可)している」という項目は、大学などから週数回派遣されているような病院では精密検査ができないことになり、大都市まで検査を受けに行かなければならなくなります。今後これらの学会、厚生労働省、自治体は、そのような地方都市での精密検査をどうするのかという課題にも取り組まなければならないと思います。
とりあえず、当面の目安にはなりますから、精密検査を勧められたときには、この基準を満たす病院を探すのが良いでしょう。
簡単な選び方は、
①乳癌学会のHPに掲載されている「日本乳癌学会認定・関連施設」を選ぶ(これらの病院には乳腺専門医または認定医がいます)。
②マンモグラフィ検診精度管理中央委員会のHPに掲載されている読影認定医師リスト(http://www.mammography.jp/)、撮影認定診療放射線技師・医師リスト(http://www.mammography.jp/)、施設画像認定施設(http://www.mammography.jp/)を見て、その施設がこの基準を満たしているか確認する。
という方法が良いと思います。
14 件のコメント:
乳がん健診に引っかかた、まゆです。
併設する病院へ受診することになりマンモグラフィー、超音波検査、CT検査で乳頭内側に1CM大の腫瘤があり悪性を否定できないということで3日後に腫瘤摘出手術で同部を摘出し顕微鏡検査をするとのことでした。悪性の場合は全摘だといわれ、健診でひっかかた事もショックなのに全摘なんて・・
あまりにも唐突な出来事で不安で何も考えることができず・・切開せずに、マンモトームという診断もあると落ち着いてネットで調べると知りましたが、もう明日に手術を控えておりますので断るわけにもいかず・・乳頭内側の腫瘤なのでそれは、無理なのかと思ったり・・悪性ならまた手術かと思うと・・また切開・・不安です
先生のこちらのサイトも少したってから知り、いろいろと分からなかったことからの不安が徐々に解消しました。この手術で悪性なら転院したいなと思っています。それも可能だということを知り、少し安心しました。
こちらのサイトは、わたしにとってお守りです・・
>匿名さん(まゆさん)
はじめまして。
細胞診も針生検もせずにいきなり生検ということは、おそらく乳管内腫瘍を疑ったのだと思います。私のブログにも以前書きましたが、乳管内腫瘍の中の乳管内乳頭腫と非浸潤がんは細胞診でも時には針生検でも鑑別が難しいことがあるからです。
それでも通常私は順序を踏んで細胞診または針生検を行なったのちに、それでも診断がつかない場合に摘出生検をお勧めします。このあたりは医師によって多少考え方が異なるかもしれませんし(乳管内乳頭腫でも摘出することが多いですのでそれなら最初から摘出で確実に診断をつけた方が良いという考え方は間違っていはいません)、実際画像を見ていない私はその判断の是非を述べることはできません。
良い結果だといいですね。それではお大事に!
まゆです。
お忙しい中、ご親切にアドバイスを頂いて恐縮です。
摘出してはっきりさせた方が良いので今日腫瘤の摘出に行ってきます。
急なことでしたので、何がどうなっているのか不安でしたが、良・悪性に限らず、
病気のことを現実逃避せずにまず知ることからはじめたいと思います。
何か不安に思ったら、先生のブログを検索して調べて
勉強しますね☆。本当にありがとうございました。
>匿名さん(まゆさん)
手術は無事終わりましたか?
結果が出るまで心配ですよね。良い結果をお祈りしています。
お大事に!
まゆです。
本日病理診断がでました・・
結果は、
浸透径 8mm 波及度:g/h,
comedo component(+)、EIC(+)、
Nuclear grade 2(Nuclear atypia:Score2,Mitotic counts: Score 2)
悪性でした。
頭の中が真っ白でこの次までに、温存か乳房切除か
考えてくるよう言われました。
病理診断の所見を医師の説明時、見せてもらえなかったので
コピーをもらって帰ったのですが
所見は、意味が良く分からず・・中身は・・
検体では、異型細胞が主に乳管内において充実性~篩状構造を呈して増生している。
中心壊死巣もみられる。乳管内病変が主体だが、索状~胞巣状構造を呈して間質内・
脂肪織内に浸潤する領域(径8mm)も伴っている。浸潤性乳管癌、乳頭腺管癌と考えられる。
側方切除断片から5mm以内に乳管内癌成分を複数個所認め、断端陽性と判断される。
引き続き、ホルモンセレプター党を検討致します。
乳房全摘なら放射線治療なしだと勧められました。
初期ですが、やはり温存せずに全摘したほうがいいのか・・
腫瘤摘出で検査してるので温存しても形はどうなるか分からないと
言われました・・
帰ってからも不安なので癌相談センターで聞いてきました。
この手術の後に病理組織検査をしてその人にあった治療が
始まること、全摘しても放射線治療がないだけで薬物療法
があるということを知りました。
乳房の再建のことについて聞くと10年様子を見てから
の方がいいと言われました。一時再建はした例がないと・・
それなら再建の件で詳しい医師に紹介状を書くと言われました。
乳腺の専門医がいる病院なので紹介状をもらって話を聞いて
納得したら一時再建する、しないにしろ転院しようかと考えています・・
先生の病院がお近くならすぐにでも伺いたいのですが・・
一番最北のようなので・・
やはり、小さくても温存より全摘したほうがいいいのでしょうか?
まゆです。
度々、すみません。
看護師さんから聞いて、
気になったことがあるのですが、
温存した時、放射線を当てると
その後は再建できないと言われたのですが・・
再建できないなら、いっそ全摘でもと
思ったのでですが・・
無知ですみません・・><
>まゆさん
そうでしたか…。残念な結果でショックですよね…。
MRをしていないようですので病変の広がりがわからないということと、切除標本の病理結果では乳管内進展が広い可能性があると思われますので乳房温存術で断端陽性になる可能性はそれなりに高く、かつ乳頭に近い腫瘤を摘出生検した後で追加切除すると変形は強くなる可能性はあるかと思います。それとcomedoという壊死を伴う乳管内病変は悪性度が高く、遺残して再発した場合はちょっと懸念があります。
総合的に考えると全摘の方が無難ではないかと思いますが、詳細な画像も病理結果も見ていませんので責任を持ってお答えすることはできません。再建を希望されるのであれば一度一次再建のできる施設で意見を聞くことをお勧めします。早期乳がんに対して術後10年は再建を避けた方が良いという考え方をしている乳腺外科医は今はほとんどいないと思います(一次再建を行なう時代ですので)。
なお、乳房温存術後に放射線治療は原則的には必須です。もしその後に乳房内再発した場合は、人工物を用いた再建はできません。ただし自家組織を用いた再建は可能です(これも保険適用です)。
あとで後悔しないようによくお考えの上で治療方針をお決め下さい。
まゆです・・
詳しくご丁寧に説明を頂いてありがとうございます。
再発の恐れがあるといけないので
一般的に10年後に再建される方が主治医に
多いと聞きましたが、乳腺の外科医の先生は
ほとんどいらっしゃらないんですね・・
来週、この病院へ行きますが
いろいろネットでも詳しくかかれているので
それを、見て先生に聞きたいことをメモして
この次来てください・・と
看護師さんから言われました。
乳がんのこの次の治療方針の温存か全摘か二つ聞いただけで
ネットで?って・・・><
何度も手術は・・負担が大きいのでできれば
避けたいので
温存の方向で手術して、術中に病理検査を行い
広範囲にわたっていた場合、一次再建手術(全摘)に
できれば、一番なんですけど・・無理ですね(笑)
再建に詳しい医師に紹介状を書くと言われたので
それをもらってそちらの病院でよく聞いてみよう思います。
お忙しい中、本当に申し訳けございませんでした。
頑張ります!
>まゆさん
局所再発の発見が遅れるので再建はしばらく時間が経ってからの方が良いと言われたのは相当昔のことです。ましてや浸潤径8㎜の早期乳がんに対してきちんと乳房全摘をした場合は局所再発の可能性はきわめて低いと考えられますので乳房再建を遅らせる意義はほとんどないと考えます。紹介先の医師にも是非ご確認下さい。
ちなみに術中にがんの広がりすべてを迅速診断することは困難です。術中は明らかな遺残がないかどうか3カ所程度1cmずつ位の組織を調べるだけですので完全切除できたかどうかの判断は切除した標本の全割病理診断でなければわかりません。
以上です。
まゆです・・
紹介先の医師に相談してみます。
いろいろとありがとうございました☆
これから、病気と長い付き合いになりますが
前向きに治療を受けていこうと思います。
お忙しいのにありがとうございました。
まゆです・・
先日、紹介状をもらい病院へ行ってきました。
温存・全摘かと言う二つの選択から、画像を見ながら
皮下乳腺全摘術という方法もあるといわれました。
ただ、乳頭近くが・・きりきりで、危いのですが
再建も同時に考えているので、整形も受診しました・・
傷は残りますが・・
貧乳で、やせ形なので皮膚が壊死する恐れもあるかも
しれないことや、感染症のことなど説明してくれました。
ここの病院は、先生方はとても真摯に答え下さるので
信頼できます・・不安は、一気に解消しました。
自分が、納得してこれから治療ができそうです。
気持ちが少し一歩前に進めました☆
いろいろと、教えて頂いてありがとうございました☆
>匿名さん(まゆさん)
個人的にはあまり乳頭乳輪温存の皮下乳腺全摘術はお勧めしません(理由は近いうちにブログに書きます)。特に広がりが広いと予測される場合に、皮下組織を厚く残すとがんの遺残の可能性が高くなるからです。まゆさんの場合は切除標本で広範囲に乳管内進展をしている可能性があるという結果ですのでそこが懸念されます。遺残しないように乳輪下や皮下を薄くしてしまうと担当医から説明されたように皮膚や乳頭の壊死の可能性が高くなります。ですから通常の乳房全摘と一次二期再建が良いのではないかと思います。再建するかどうかも含めて担当医とよくご相談の上で術式をお決め下さい。
それではお大事に!
まゆです・・
子供が夏休みでドタバタしていて、今日ブログを拝見しました。
そうなんですね・・全摘の方がよいのですね・・
皮下乳腺全摘の手術は来週で入院は今週となっています・・
先週、術前のCTとMRIの検査をしてきました。
初診で医師の診察で手術日程が決まりそれ以後診察はなく
入院となっています・・・
入院するまでに一度受診して相談してみます。
できれば、再発は避けたいので・・
ありがとうございました。
>匿名さん(まゆさん)
私は実際に画像や病理標本を見ているわけではありませんので、最終的には担当医とよくご相談の上でご判断下さい。
それでは無事手術が終了することをお祈りしています。お大事に。
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