2011年12月9日金曜日

高齢者の乳がん治療

今日、外来に92歳の乳がん術後の患者さんが1年ぶりに見えました。

車椅子生活ではありますが、見た目は昨年と変わりありません。一応、「一年ぶりですが私のことは覚えていらっしゃいますか?」とお聞きすると、「もちろん覚えていますよ!」とのこと。お年をお聞きすると「94歳です!」とおっしゃいます。娘さんは「いつも数えで年を言うんです」とのことでしたので変わらずしっかりされているようでした。

最初の両側乳がんの乳房温存手術をしたのは今から10年ほど前です。その3年後くらいに残存乳房内に新たながんができ、再手術で乳房全摘をしました。

高齢者の手術の判断は難しいです。平均余命を考えて治療を手控えると、再発して結局また治療することになるかもしれません。この方も最初の手術のあとで放射線治療をしておけば2回目の手術は必要なかったかもしれません。結果論ではありますが…。

ただきちんとフォローはしていたので再発を早期に発見でき、2回目の手術後は再発なく経過し、90歳以上までお元気に過ごされています。もし経過観察は不要と判断して2回目のがんの発見が遅れたら治癒はできなかったかもしれません。

「○○歳まで生きたからもういい」ということはありません。その方の生活状態や全身状態にもよりますが、「高齢者」とひとくくりにするのは間違っています。お元気な高齢者はたくさんいらっしゃいます。私の外来には他にも90歳以上の乳がん術後の患者さんが5人以上いらっしゃいます。みなさん外来にきちんと通って来られます。どうしても通院が大変になったらそこでフォローは終了しますが、私自身も患者さんがお元気に過ごされているのか知りたいので、通える方は年1回でも来ていただくようにしています。

今日の患者さんはいつも娘さんといらっしゃいます。娘さんもそれなりのお年のはずですが、お元気に介助されており、おばあちゃんをとても大切にしていらっしゃるのがよくわかります。そういうご様子を拝見すると、やはり2回目のがんに対してきちんと治療をして良かったと心から思うのです。

23 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめてコメントさせていただきます。乳がん患者です。
高齢という事などで、胸の形にこだわらないのであれば、最初から全摘という選択はしないのでしょうか。
それで、放射線治療も必要でなくなり、再発率も下がるのであればその方がいいように思うのですが。
知人は、3年前に全摘、今年反対側に見つかり、部分切除術を受けました。先生にもういらないら全部取ってくださいと言ったのだけど、「もったないから」と言われ部分切除になったらしいです。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
はじめまして。
そういう考え方もあると思いますし、私たちもそういう観点からもお話しすることもあります。
ただ、高齢であっても乳房温存術を希望される方もいらっしゃいますし、全身状態にもよると思います。
この患者さんの場合は、初回の手術時の全身状態の判断が全身麻酔を避けた方が良いということでしたので、実は両側とも局所麻酔で部分切除をしたのです。結局残存乳房内再発したために、やむなく全身麻酔で乳房全摘したのですが、そのようなケースもあるのです。ですから高齢だから全摘、と簡単に判断することができるわけではありません。
なかなか判断が難しい場合もあるのです。

りょう さんのコメント...

はじめまして。長文失礼します。
母(79歳)が7月に乳癌と診断され先生のブログに辿り着き毎回興味深く拝見しております。
母も4.5cmとしこりは大きかったのですが元々おっぱいが大きかった事、また本人の希望もあり温存手術をしました(9月)
来週で放射線治療(25回)も無事終了します。

放射線終了後の治療ですが術後の病理結果(下記)より主治医からは当初抗癌剤(EC→T)のお話がありましたが年齢が・・・と消極的。母も副作用を恐れ「経口のUFT2年+アリミデックス5年服用」で経過を見る事となりました。

でも実は・・母も私もまだとても迷っているのです。
今回の先生のお話にもあったように「平均余命を考えて治療を手控えると再発して・・・」
そうなんです、今治療を手控えてあとで後悔したくないんです。

ホルモン反応も弱いですしUFT併用はどれほど効くのか・・・他の化学療法(XC療法?TC療法?など)高齢者には選択肢が無いのか?
質問になってしまい申し訳ありませんが先生のアドバイスをお聞きしたく投稿させて頂きました。
お忙しいところすいませんがご助言の程
何卒宜しくお願い致します。
※母は79歳にしてはとても元気です(乳癌を患っている事以外は。。。)持病もありません。

【病理結果】
・リンパ節転移なし
・切除断端 陰性
・リンパ管/血管侵襲 マイナス
・ER弱陽性(5~10%)/PgR陰性/Her2陰性
・グレード3/Ki-67高値(正確な数値は聞いておりません

hidechin さんのコメント...

>りょうさん
はじめまして。

79歳ですか…。標準的な化学療法をするにはかなり厳しい年齢ではありますよね。お元気な方であれば不可能なわけではありません。ただ、化学療法によるリスクも十分に考慮しなければなりません。高齢者は予備力がありませんので極端な話、化学療法で命を落とす危険性も0ではありません。

実はいまお母様とほぼ同じ年齢の方にFEC療法を行なっています。なんとか無事4回終了したところですが、けっこうこちらもひやひやしながらの治療になっています。この方はトリプルネガティブの進行乳がんでしたのでやむなく術前化学療法に踏み切りましたが、治癒切除可能な状態だったらもちろん術前に化学療法はしませんでした。

標準的化学療法の有効性を確かめる臨床試験は、通常65歳くらいまでが対象のことが多く、75歳以上を対象にした臨床試験はまれです。乳癌診療ガイドラインにも書いてありますが、化学療法の有効性は年齢とともに低下し、70歳以上に対する意義は不明とされています。65歳以上を対象としたCALGB49907という臨床試験では標準的な化学療法(ACまたはCMF)のほうがゼローダ(XCのX)よりも成績(無再発生存率、全生存率)が優れているという結果が出ていますが、同時に治療関連死亡も65歳以上で有意に高いと報告されています。まして79歳となるとそれなりのリスクを背負わなければなりません。

お母様の場合は、再発ではなく治癒切除できてリンパ節転移もなかったわけですから、化学療法に関しては十分にそのあたりを考慮した上で判断されたほうが良いと思います。なおXC療法は術後補助療法として行なうことは通常ありません。

UFT+アリミデックスという術後補助療法の臨床試験は行なわれていないと思いますが、UFT+タモキシフェン(TAM)とCMF+TAMの比較試験はありますのでこれに準じて行なっているのだと思います。なお、国内で行なわれたUFTとCMFの比較試験(CUBCとN-SAS BC01)の統合解析でER陽性乳がんに対しての効果は両者で同等という結果が出ています。

以上を考えると、主治医の先生に提示された治療は、お母様の状況を考えると良い選択なのではないかと私は考えます。それでもやはり標準的な治療を望まれるのでしたら再度主治医の先生にご相談してみてはいかがでしょうか?高齢者の治療の判断は本当に難しいです。やはり実際にお母様を診ていらっしゃる先生の判断が一番重要だと思いますよ。それではお大事に!

りょう さんのコメント...

お忙しいところ、ご丁寧にまた解りやすくアドバイス頂きありがとうございました!
やはり79歳にして標準治療は厳しいのですね…
主治医とはなかなかゆっくりお話する時間がなく不安をぬぐえない日々を過ごしておりました。
先生のご意見を拝見してだいぶ気持ちの整理が出来た気がします。
先生の患者さんの92歳のおばあちゃんのように病気とうまく付き合って母にも長生きしてもらいたいと思います!
ありがとうございました。

hidechin さんのコメント...

>りょうさん
そうですね。病気のことばかり考えるのも生活の質を落としますから楽しく毎日を過ごすことがとても大切だと思いますよ。
それではお大事に!

匿名 さんのコメント...

ステージ2の60代の母が一昨日、全摘手術しました。
センチネルリンパ節生検で、3つ採った内、転移はゼロでした。乳癌で全摘手術してセンチネルやって頂いて、無事に手術から生還して来ただけで、治った!そう思いました。これからの母の人生バラ色だと捉えています。

病理検査で2週間後にならないと癌の性格が分からないので、これからの治療方針は2週間後と説明されましたが、リンパに転移もないし、再発の怖れと言っても年齢的に進行は遅いですし、今後の治療は100%ホルモン治療のみと、思ってます。主治医の先生も本当は分かってると思ってます(*^^*)

手術前までは、娘の私自身が癌にとりつかれてた状態でした。気晴らしに…と、ご飯へ連れてったり、癌を意識させてしまってました。癌になってた事とはもう別の人生を、送る事が出来る様に、癌に囚われずに、母に人生送って欲しいです。なので再発しても、もう進行は遅い年齢なのだし、全部摘出したのも、この目で見てますし、センチネルで転移も無かったのですから、抗がん剤は必要ないので、2週間後の病理検査の結果は何も考えてもいません。と、言うのは、抗がん剤は、やりません。

気にしすぎが一番こわいです。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
お母様の病状を心配されるお気持ちはよく理解できます。
ただ60才代は化学療法ができないほど高齢ではありませんよ?
現在の世界的な術後補助療法の考え方では、リンパ節転移があるかどうか、完全切除できたかどうか(手術する症例のほとんどは”肉眼的には”完全切除できるのが普通です)だけで化学療法を行なうかどうかを決めているわけではありません。がんの性質(ホルモンレセプターやHER2、Ki-67や核異型度など)を見て最終的に判断します。お母様の主治医がおっしゃったのはそういう意味です。
つらい治療を受けさせたくないというお気持ちはよく理解できますが、もし化学療法をしたほうが再発リスクを下げられるという結果が出た場合は、主治医の先生の意見をよく聞いた上で、お母様のお気持ちも考慮しながら最終的な方針を決めて下さいね。
それではお大事に。

匿名 さんのコメント...

先生の暖かい言葉に胸がいっぱいになりました。私自身が母に癌を意識させ過ぎちゃってた…という不安で、逆に不安をかきけす為に書いた様な気がしてます、申し訳ありませんでした。

あと、こんな大切な事に60代とアバウトな年齢で表現してしまい、ごめんなさい。母は手術前の段階で69歳でした。今月、70になります。そして今日、病理結果が出ました。

*センチネルリンパへの転移無。0/3
*核グレード低・1
*脈管侵襲・無。
*エストロゲン受容体・陰性
プロゲステン受容体・陰性
*HER2スコア・0
*ki67陽性率・(約1-2%)
*今後の治療方針・術後半年ごとの画像フォローのみ。

ホルモン治療もしないって、かなり良い傾向に思って良いのでしょうか?神経質になりすぎですか?
主治医の先生が言ったみたいなのですが(説明用紙にも書いてあります)組織型・浸潤性小葉癌との事。

浸潤性小葉癌って言うのは、ごく稀に見るものです…って言うのが不安です。
母の全摘手術後の"良い"病理結果と、悪いイメージの、浸潤性小葉癌と言うのは、どうとらえたら良いのでしょうか?

もっと悩んでる方々もいると思います、そしてお忙しい中、たかだかこんな事で…と、思われるかもしれません。でも、治療が画像フォローのみ…って聞いて嬉しい気持ちの後に、余計な不安が出てきてしまい…。

お返事頂けたら幸いです。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
”ホルモン治療もしないって、かなり良い傾向に思って良いのでしょうか?”
→これは正しい捉え方ではありません。不安を増強させるつもりはないのですが、お母様のがんのサブタイプは”トリプルネガティブ”と呼ばれるタイプで4つのサブタイプの中では一番やっかいなタイプです。なぜやっかいかと言いますと、ホルモン療法が無効、ハーセプチンも無効なので抗がん剤を投与する以外に再発予防の方法がないからということと、再発率が高く、一度再発すると治療に抵抗性を示すことが多いからです。
でもトリプルネガティブすべてが再発するわけではありません。リンパ節転移もなかったようですので手術のみで治癒する可能性もあります。しかし、本来なら抗がん剤が必須のタイプなのです。ですからトリプルネガティブを”良い病理結果”と捉えている匿名さんの考え方は誤りです。

ただトリプルネガティブの場合は、核異型度やKi-67が高くなることが多いのにともに低値だったこととお母様の年齢を考慮して主治医の先生はトリプルネガティブでも抗がん剤をせずに無治療という判断をされたのだと思います(この判断に対しては異なる考え方を持つ医師もいるとは思います)。

なお浸潤性小葉癌は欧米では比較的多いのですが日本では稀と言われていました。しかし最近は増加傾向にあり、特殊型の中では比較的よく見る組織型ですのでそれほど稀というわけではありません。ホルモン受容体は陽性のことが多いのですがタモキシフェンというホルモン剤は効きにくい傾向があり、腹腔内など珍しい場所に再発することがある組織型です。明瞭なしこりを形成しづらいため進行してから見つかることが多く、予後は通常型よりは悪いと言われていますが、病期を合わせて比較するとそれほど予後は変わらないという意見が最近では多いようです。
なお、病理標本もレポートも実際に見ているわけではありませんのでこれ以上の病理学的所見に関するご質問にはお答えできません。疑問点は直接主治医にご確認願います。
以上です。

匿名 さんのコメント...

こんにちは。はじめて書き込みさせていただきます。79歳の母が、トリプルネガティブ乳癌と診断されました。骨、多臓器への転移は今のところ見れませんが、脇のリンパに大きな腫れが二つ、鎖骨下にリンパ節深部に腫れが二つあり、おそらく胸骨側のリンパにも小さな転移があるのでは無いかということです。術前抗がん剤治療を早々に行うことになりましたが、トリプルネガティブの場合、抗がん剤も効きにくく、30%ほどの効果しか期待ができないともいわれました。抗がん剤の期待は、そんなに低いものなのでしょうか?抗がん剤治療ののあとに、手術、放射線治療という予定で、もう治らないと言う状態ではないので、がんばりましょうと主治医の先生は、おっしゃってくれましたが、同時に非常に悪性度の高い癌だとも言っていて、不安で仕方がありません。
突然、相談とも不安の吐露ともとれない書き込みをしてしまい申し訳ありませんが、何かアドバイスをいただけましたら、幸いです。よろしくお願いいたします。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
はじめまして。
お母様の病状、大変ご心配のことと思います。
詳細がわかりませんので十分なコメントはできませんが、お答えできる範囲内でお答えします。

トリプルネガティブはたしかに悪性度は高く、他のサブタイプより予後は良くないのは事実です。ホルモン療法やハーセプチンは無効ですので抗がん剤以外に治療はありません。そして一度再発してしまうと抗がん剤の効果はなかなか期待できず、治療が大変困難になるのも事実です。しかし、初回の治療(例えば術前化学療法)の抗がん剤の効果はホルモン受容体陽性の患者さんよりトリプルネガティブの方が奏効率、pCR(病理学的にがんが消失する確率)は高いのです。ですからトリプルネガティブは抗がん剤が効きにくいという考え方は正確ではありません。

お母様の場合は、けっこう進行した状態のようですし、しかも高齢ですので強い抗がん剤の継続は難しいかもしれませんので、通常の術前化学療法のようにpCRを期待するのは難しいかもしれません。しかし望みがないわけではありませんので主治医の先生を信じて、治療を続けるしかないと思いますよ。

治療が奏効して良い結果につながることをお祈りしています。
それではお大事に!

匿名 さんのコメント...

ご返答ありがとうございます。
主治医の先生は、完全消失は目指しておらず、2、3割でも腫瘍が小さくなれば、手術すると言っていました。それまでに、最初はAC法、タキサン、シスプラチン、CRT-11、エリブリンという順で試して、効かないものは直ぐに切り替えるとおっしゃっていました。また、前立腺がんのお話しもされていて、私は、トリプルネガティブだということで、動転してしまい、あまり内容を覚えていないのですが、何か男性ホルモンに関係があるようなこともおっしゃっていました。何か前立腺がんの治療に使うもので、トリプルネガティブ乳癌に有効なものがあるのでしょうか?何度も質問をして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
経口アンドロゲン受容体阻害剤のenzalutamideのことでしょうか?アンドロゲン受容体をブロックするとトリプルネガティブ乳がんの増殖を抑制できることがあるということで研究されているようです。もちろんまだ国内では未承認です。欧米でもフェーズ2の臨床試験が始まったばかりで、国内では臨床試験の予定もまだない状況のようですので実際に使用できるようになるのにはまだまだ時間はかかると思います(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201306/531358.html?ref=RL2)。
以上です。それではお大事に。

匿名 さんのコメント...

また、早速のご返答ありがとうございました。主治医の先生は具体的に薬剤名をおっしゃっていたわけではなかったと思いますが、たぶん、この研究のことから、男性ホルモンや、前立腺がんのお話しをされたのでしょうね。まだまだ、未承認ということは、とても残念ですが、早く、良い薬が見つかることを願っています。先生のトリプルネガティブ乳がんに関するブログも良く読ませていただき、参考にさせていただきます。また、質問もさせていただきますので、その時は何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
わかりました。ただ、基本的には主治医の先生が一番お母様の病状をわかっているはずです。まずは主治医の先生から十分な説明を受けるようにして下さいね。それではお大事に。

匿名 さんのコメント...

初めまして。こちらに書き込むのは場違いかとも思いましたが、不安でたまらなくなり質問させていただきました。
先日、咳の風邪を引いた79歳の母が内科に行った所、左右の乳房の大きさを指摘され、マンモグラフィーの検査をしました。左胸の内側下のほうに大きなしこりがあり、本人いわく何年も前からあり、痛みも何もなかったので身体の一部だと思い放っておいたそうです。
その日マンモグラフィーの検査をした先生は週に一度国立癌センターの乳腺科から診察に来ている医師だそうです。
その時母が、頼んでもないのに勝手に検査して!などとかなりの悪態をついてしまったようなのですが、帰宅後説得し、結果だけは聞きに行くと約束してくれました。
一週間後結果を聞きに行くと、乳腺科の医師は、先週の母の態度にどうしたら良いのか困った様子で「乳ガンかもしれないのにねぇ…」と言ったそうです。その後、風邪の再診も兼ねて乳房の大きさの違いを指摘してくれた内科の医師に診ていただいたそうです。その時に
「あんた良いときに風邪引いたね。乳ガン見つかって良かったじゃない。もう少し放っておいたら手遅れになるところだったよ。乳ガンは一週間から10日で退院出来るし、食事も普通に取れるよ。週一で来てるあの先生は乳ガンの名医だから、このまま国立癌センターで診てもらうといいよ。本当にラッキーだったよ。」
と言われたそうです。
母は呑気に構えて居ますが私は心配でたまりません。次の土曜日に、またその先生がみえるので、その時は私も付いていき再度今後の詳しい話を聞いてくるつもりですが。
やはり乳腺科の医師だと、マンモグラフィーや触診などで、悪性の癌と判断出来るものなのでしょうか?癌であっても良性の可能性や、あるいは乳ガンでない可能性もまだあるのでしょうか?
長々とすみません。身内に癌を患った者が一人も居ないので、全く知識がなく、ただ、ただ、不安の日々です。ちなみに、母の咳は治りました。
お忙しいところ恐縮ですが回答よろしくお願いします。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
はじめまして。
突然のことでご心配のことと思います。実際に見ていないのでなんとも言えませんが、一般的に高齢者に新たにできる乳腺腫瘍の大多数は悪性、つまり乳がんです(お母様がおっしゃるように本当に昔からあるのであれば良性の可能性も完全には否定できませんが…)。ただ触診とマンモグラフィ(普通は超音波検査もします)で経験のある乳腺外科医が乳がんだろうと診断した場合はほとんどが乳がんです。ただしその場合も細胞診または針生検で確定診断を行ないます。

なお、”癌”に良性はありません。難しくなりますが、正確に言うと上皮細胞(胃、大腸、肺、乳腺などの細胞)が悪性化したものを”癌”、非上皮細胞(神経、筋肉、脂肪、血液などの細胞)が悪性化したものを”肉腫”と言い、いずれも悪性腫瘍ですので良性の癌というものは存在しません。ただ、癌の中にもおとなしい癌と暴れん坊(悪性度が高いと表現します)の癌がありますので、おとなしい癌のことを良性だと勘違いしてしまう方はいらっしゃいますが、本来はおとなしくても悪性は悪性です。

あくまでも一般論ですが、お答えできるのは以上です。詳細は担当医にお聞き下さい。それではお大事に。

匿名 さんのコメント...

早速のお返事ありがとうございます。やはり癌の可能性が高いようですね。こちらでのお話を伺い少し心の準備をしておかなくてはと思いました。ありがとうございました。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
繰り返しますが、あくまでも一般論の話です。心の準備は必要ですが、お母様ががんと断定できるわけではありませんので誤解なさらないようにして下さい。
少しでも良い結果であることをお祈りしています。

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
義母93歳が『乳癌が原因の多発性ガン』と、診断されました。
一ヶ月程前に、体調不良(微熱、風邪気味程度)で
地元の医院に入院いたしました。
心臓肥大(通常の2、3倍)、弁膜症、慢性心不全あり。高血圧、糖尿病。

食事がとれなくて、息切れ等々も続いて原因不明。
そのような状態でしたので、先日総合病院に転院して、像影剤を使用した検査で判明した次第です。
心臓に転移あり、水が溜まっているとのこと。

緩和治療に切り替えるべきでしょうか。

宜しくお願い申し上げます。

匿名 さんのコメント...

度々m(__)m
現在も、口からの食事摂取はほぼ0。
主治医からは、食事摂取が現在のまま0なら、2週間。
長くても、春まで余命は無し…と、宣告されたと主人が申しております。
わたくしは、同席しませんでした。

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
はじめまして。
その診断が間違いないのであれば非常に厳しい状態だと思われます。
持病の影響もあるかと思いますが、乳がんの再発で経口摂取ができなくなった場合、予後は週単位です。実際に診ていませんので推測でしかお話しできませんが春までというのは難しいと思われます。
もう少し状態が良ければ内分泌療法が効くタイプであればホルモン剤で多少の延命も可能だったかもしれませんが、経口摂取できない状態ではもう難しいですね…。年齢、持病のことを考えると、積極的な治療はせずに緩和治療を選択した方がお義母さんのためには良いのではないでしょうか?