2011年12月21日水曜日

乳がん患者さんの在宅医療

私の病院では一般患者さんの往診と訪問看護は往診担当の医師と訪問看護ステーションの看護師が定期的に行なっています。また、終末期患者さんの往診は緩和ケア科の医師と看護師が行なっています。いずれも訪問可能地域が決まっていますので、患者さんの自宅が範囲外の場合には、近くの病院や診療所と連携して往診と訪問看護をお願いしています。しかし、再発で抗がん治療を行なっているがん患者さんは、これらのシステムに簡単に組み込むことはできません。しかもこういう再発患者さんで往診や訪問看護を行なうケースはそう多くはありませんから、個別の対応が必要になることが多いのです。

近々また往診で再発患者さんを診ることになりそうです。私自身が関わった再発乳がん患者さんの往診はこれで3人目です。

1人目は、10年くらい前の方で私の自宅の近くに住んでいる患者さんでした。私の病院の訪問看護と往診の範囲外の住所でしたが、どうしても自宅がいいとおっしゃったので、薬はご家族に取りに来ていただいて、私が個人的に往診する形式をとりました。ぎりぎりまで自宅で過ごされてご本人もご家族も満足していただきました。

2人目は前にここで書いた高齢のおばあちゃんでした。やはり自宅で過ごしたいということで麻薬を使いながらホスピスに入院するまでの数ヶ月を自宅でご家族と過ごされました。このときは訪問看護の範囲内だったので訪問看護の看護師と私で定期的に往診をしました。

そして今回の患者さんは病院からすぐの場所に住んでいらっしゃいます。しかし多発骨転移で治療中ですので病院まで来るのが大変なのです。以前はそれでもなんとか受診していたのですが今回の悪化でそれも困難になってしまいました。いまどうやって往診と訪問看護、治療、検査を行なっていくか検討中です。往診は私が行くつもりですが、看護師を訪問看護師にするか、化学療法室の看護師にするか、治療をどうするかなどについてはもう少し詰める必要があります。

いずれにしても自宅で過ごしたいという患者さんの思いに何とか応えてあげるためにはどうするのが一番良いのか知恵を出し合って考えていきたいと思っています。これからは同じようなケースが増えてくるかもしれません。私もいつかそういう方面の仕事を中心にしていくのも良いかもしれないと思っています。

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