乳癌の治療は日進月歩です。この10年でも大きく変化してきました。
その代表が”トラスツズマブ(ハーセプチン)”という分子標的治療薬と言われる薬剤です。HER2(癌細胞膜にある、細胞の増殖を促す受容体)が強陽性の乳癌が適応で、当初は再発乳癌のみが適応でしたが、昨年から術後の補助療法としても認められるようになりました。HER2陽性乳癌は、本来悪性度が非常に高い癌で、予後も不良でした。しかし、トラスツズマブの出現により、劇的に予後の改善がみられるようになったのです。
しかし、再発患者さんに長期投与していると、次第に効果が弱くなってきます。これまではそのような場合には併用する抗癌剤やホルモン剤のみを変更し、トラスツズマブは最後まで継続してきました。そして、併用する薬剤がなくなると、もう治療手段がなかったのです。
そこで出現したのが”ラパチニブ”です。この薬剤は、HER2だけではなくHER1もブロックします。トラスツズマブが点滴投与(再発治療の場合は週に1回、再発予防の場合は3週に1回)だったのに比べ、内服薬なので、患者さんにとっては負担が軽くなります。トラスツズマブが無効になった再発乳癌にも効果があると言われています。今のところ、今年の4月ころ認可が下り、6月ころに発売の予定だそうです。
問題点は非常に高価になりそうなこと、現在の申請はゼローダという抗癌剤との併用のデータを元にしているため、他の薬剤との併用や単剤での使用が制限される可能性があることです。
それでもラパチニブを心待ちにしている患者さんが周りにたくさんいるのです。1日も早い発売と幅広い適応での認可を望んでいます。
2 件のコメント:
こんばんわー。
早速、拝見しています。勉強になります。
なにせ、最新の情報がないですから、独学では難しい限りです。
それから・・・これからお世話になります。どうぞよろしくお願いします。
>チュブリンさん
う〜ん…チュブリンさんはどなたでしょうか?私をご存知なんですよね?今度教えて下さいね!
とりあえずこれからもよろしくお願いいたします。
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