2009年3月13日金曜日

乳癌の治療最新情報2”ゾメタ”

ゾメタは、乳癌の骨転移の治療薬です。破骨細胞の働きを抑えて、骨を溶けにくくする作用を持っています。骨粗鬆症の治療薬と同じ種類の薬で強力な作用を持っています。

もともとは、前の世代のアレディアのころから、溶骨性(骨を溶かすタイプ)骨転移による”高カルシウム血症”が適応でした。
しかし、ゾメタになってから、骨折予防や疼痛軽減効果が効能として認められたため、”骨転移”そのものに適応が拡大されました。

発売当初は、癌自体に対する効果は効能にはありませんでしたが、最近注目すべき効果が報告されてきています。
難しい理論は省略して、簡単にその例をあげてみます。

①骨折の予防や疼痛軽減効果だけではなく、骨転移した癌細胞に対して直接の治療効果がある。
②他の臓器転移に対しても治療効果がある(びっくりです!)。
③閉経前のホルモン感受性乳癌に対して、ゾメタを6ヶ月に一度併用すると、骨粗鬆症予防効果だけでなく、生存率も改善する(再発予防効果がある)。
④トリプルネガティブ乳癌にも治療効果がある。

などです。
これからは、骨転移の有無にかかわらず、再発治療でも再発予防でも抗癌剤やホルモン剤と併用するのが当たり前になっていくのかもしれません。

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