2011年6月19日日曜日

乳がん検診の結果が「要精検」だった場合①〜はじめに

乳がん検診の結果が郵送されてきて、「要精検」と書いてあると「乳がんではないか?」ととても心配されると思います。もちろん、乳がん検診は乳がんの早期発見のために行なう検診ですので、乳がんの可能性があると判断した場合に「要精検」として結果をお返しするのは事実です。しかし、「要精検」とされた方のうち、実際にがんであった方の比率(陽性反応的中度)はそれほど高くないのが実際です。

ちなみに平成22年3月に発表された「がん対策基本法案答申」によると、乳がん検診における各指標の目標値は以下のとおりです。

要精検率 11.0%以下
がん発見率 0.23%以上
陽性反応的中度 2.5%以上

つまり、1000人の方が乳がん検診を受けると約100人が「要精検」と判定されますが、そのうちでがんである人は2-3人しかいないということです。残りの97-98人はがんではないのです。ですから「要精検」と判定されても「がん」だと決めつけていたずらに怖がるのではなく、きちんと検査を受けて疑いを晴らす、という考え方で良いと思います。

「要精検」と判定されるのは、判定が「カテゴリー3以上」の場合です。カテゴリーが3以上になる主な所見は、「腫瘤(疑い)」「微細石灰化」「局所的非対称性陰影(FAD)」「構築の乱れ(distortion)」です。

これからそれぞれについて数回に分けてご説明します。

*ご質問をされる前にhttp://hidechin-breastlifecare.blogspot.jp/2013/10/blog-post.htmlをご覧下さい。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

先生、こんにちは。
初めてお便りいたします。

私は39歳、2歳の子供がおり、昨年9月に断乳しましたが、まだ摘むと母乳が出ます。

今月、市の検診でマンモ撮影1枚撮り、右の乳房に局所的非対称性陰影(カテゴリー3)との要精密検査の通知が来て、今日、市立病院でマンモとエコーを受けてきました。

マンモの時も、右だけ母乳が出ました。
しかし結果は、先生が午後はいないので来週となりました。

今週末は沖縄旅行へ行く予定でしたが、そんな気分になれなくなりました。

今日検査したら結果が聞けると予約の時に言われたから予約をしたのに、『それは受付の間違いですね』とだけ言われ、何だか冷たい印象の先生でした。

結果を来週まで待つしかないのでしょうが、不安でたまりません。
万が一、来週の結果が悪く、細胞検診をまた後日…というのは精神的に辛いので、来週の予約より早く、日帰りで細胞検診の結果まで出来る病院を見つけました。
先生も冷たい印象だったし、そこに行こうかと悩んでいます。

まだ摘むと母乳が出る頃は、こういったFADという結果が出やすいのでしょうか?

hidechin さんのコメント...

>匿名さん
http://hidechin-breastlifecare.blogspot.jp/2011/06/fad.htmlに記載しました。